「わかる」を「できる」に変える方法②しゃべり編

「言いたいことを英語で口からポンポン出せるようにする方法」

From  師範代Shinya(新村真也)

前回の記事では、

「相手の言っている英語の内容がわかるようになる」

「書いてある英文の内容がわかるようになる」

ための音読トレーニング方法をお伝えしました。これは、自分の中に英語力を「たくわえる」作業です。「ネタ仕込み」という感じですね。

この方法を続けていると、「知ってる英単語」「理解できる英文法」がどんどん増えてきます。

英語を聞く力&読む力が伸びるので、TOEICなどの試験の点数が上がってきます。

ただ、それだけでは「速いスピードでしゃべれる」ようにはなりません。

よく、TOEICの高得点を取っている人たちの中には、「しゃべりはどうも苦手で・・・」という方がいます。

「相手の言ってることは分かるんですが、自分の言いたいことが口からすぐに出てこないんです・・・」

これ、スゴく分かります!!

僕も、まさに同じ状況に陥ったことが何度もあるので。

 

「言いたいこと」がすぐ出てこない理由

これは、自分の中に「仕込んだ」英語力を使い切るための「回路」が十分に開かれていない状態です。

この絵を見てください。
  ↓

 袋の中身を増やしていくと、「聞ける」「読める」英語が増えていきます。

でも、袋の口が開いていないと、チョロチョロとしか出てきません。

袋の口を広げてあげれば、中身がどんどん出てくるようになります。

その袋の口を広げるのが、「回路を開く」トレーニングです。

何となくイメージできましたか?

このように、英語力の「仕込み」と「回路」は別物です。

両方とも、「音読トレーニング」によって伸ばしていける、という点では同じです。

でも、「仕込み」に使う教材と、「回路を開く」のに使う教材はまったく違います。そのトレーニング方法も違います。

 

回路を開くために使う英文

ポイント1:アホらしいくらいカンタンな英文

まず、使う英文はものすごく短い例文です。
アホらしいくらいカンタンな中学1年生レベルの文章から始めます。使う英単語も、知っている単語を使います。

 

 I have a pen.

I have an apple.

 

くらいのレベルの英文から始めます。

このレベルで書かれた英文の「日本語訳」と「英文」が左右に並んだテキストを使います。

 

ポイント2:同じ文法で書かれた英文

このトレーニングのポイントは、「同じ文法が使われている大量の例文」を音読していくことです。そうすることで、その文法の「型」を身につけていくことができます。

たとえば、「現在進行形」の「型」を練習する場合は・・・

 

・I am reading a book.

・He is reading a book.

・They are reading a book.

 

 というように、同じ「型」で主語だけ変えた例文を連続して読みあげていきます。

 

具体的なトレーニングメニュー

ステップ①

日本語訳を最初に見ます。

「私はペンを持っています。」

それを、すぐに英語にして元気よくしゃべります。

I have a pen!

ここでは、「スピード」が命です。遅いと意味がありません。とにかく「速く」作ります。

ステップ②

答えを目で確認しながら、もう1回声に出して言います。このとき、もし「a」が抜けたりするミスを発見したら、正しい英文を2回声に出します。

ステップ③

テキストから目をそらして、目の前に人をイメージしながら語りかけるように、もう一度声に出します。

あとは、次の文章に移って、またステップ①~③までを繰り返します。

 

1例文につき何回やる?

これを1セットとして、朝&夜に1セットずつやります。すると、各例文を1日6回ずつ声に出すことになります。

同じ範囲を1週間続けると、1例文につき30回以上声を出すことになります。

これを毎日やっていると、3日目になったあたりで、だいぶ速く言えるようになってきます。でも、ここでやめてはいけません。

ラクになった状態から、さらにたたみかけるように何度も声に出していきます。そうやって初めて、「熟成」レベルになります。

「熟成」されると、それは「技」になります。
「技」になると、「無意識レベル」で繰り出せるようになります。

これが、「わかること」が「できること」に変わる瞬間です。

 

1回に何個の例文をやるか?

1セットでどのくらいの数の例文をやるかですが、これはあなたが取れる現実的な時間で決めるといいと思います。

僕自身は、通勤が片道1時間かかっていたので、その半分の30分を、短文暗唱にあてていました。行きと帰りで、トータル1時間くらいです。これはけっこう多い方だと思います。

 

トータルで3周回す

1週間で30回以上声だししたら、次の範囲に移ります。そうやって進んでいくのですが、途中でつまずくパートも出てくるはずです。

文法項目が難しくなるにつれて、キツくなってきます。でも、1週間でカンペキにしようと思わなくても大丈夫です。

とりあえず先に進んでください。あまり同じ場所を繰り返しすぎると、飽きてきます。そして、それはモチベーションのダウンにつながります。

ちなみにこのトレーニング方法は、短い文章をひたすら音読していくので、「短文暗唱」と呼ばれています。

また、スピード重視であることから、「瞬間英作文」とも呼ばれています。

 

知らない英単語を使ってはいけない理由

このトレーニングでは、自分の知らない英単語を使ってはいけません。中学レベルの英単語や、日本語のカタカナ語になっているような英単語を使います。

なぜなら、短文暗唱トレーニングの目的は、

「自分の知っている英単語や英文法をアウトプットする回路を開くこと」

だからです。回路を開くためには、できるだけ他のことに対する脳の負担を減らす必要があります。

ここで自分の知らない英単語や英文法を入れてしまうと、「え~と、あの単語は何だっけ?」という風に、「単語の意味」にフォーカスしてしまい、スピードが落ちてトレーニングの目的が変わってしまいます。

この短文暗唱トレーニングは、あくまで「知っていること」を「できること」に変えるためのトレーニングです。

だから、「知らないこと」を盛り込んではいけないのです。

前回ご紹介した音読トレーニングは、自分の知っている英語の範囲を広げていく作業です。だから、ちょっと背伸びして知らない英単語や文法が使われているものを選びました。

でも今回の短文暗唱トレーニングは、真逆です。

この、ふたつの相反するトレーニングを行うことで、「袋の中身」を増やしつつ、「袋の口」を広げていくのです。

 

使う教材

「袋の中身」を増やすための「音読トレーニング」に使う教材は、本屋さんにあふれています。選択肢はいくらでもあるので、特に困らないでしょう。

でも、「袋の口」を広げるための「短文暗唱」に使える教材は、すごく限られています。

僕自身が短文暗唱に使った教材は、これでした。
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これは、上下巻2冊合わせて例文が2,000個近くあります。ものすごいボリュームです。僕はここに収録されているすべての英文を3周するのに、トータル1年半かかりました。

でも、その後になって、もっとラクに効率的にできる教材が出ました。
  ↓↓↓

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

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これは、さっきの「中学英語で24時間話せる」の本の内容を、一冊にギュッとまとめた感じの本です。

 

イメージ英文法と組み合わせると最強!!

僕は、この短文暗唱を、イメージ英文法と組み合わせたトレーニングを開発しました。

従来の短文暗唱にイメージ英文法を組み合わせることで、文法ルールが「丸暗記」ではなくなり、一気に効率がアップしました。やり方は、この3ステップです。

 

文法力を一気にアップさせる3ステップ

ステップ①=文法ルールの確認

短文暗唱のテキストを開く。そこに書いてある文法項目をチェックする。中学のテキストも使って「文法ルール」を確認する。

たとえば、「現在完了」という文法項目があったら、「haveを使って経験を表す」というルールを確認する。

ステップ②=イメージ英文法で「理由」を確認

「イメージ英文法」で「なぜそのルールが生まれたのか?」を確認する。

たとえば・・・

 

「そもそも、なぜ現在完了でhaveを使うのか?」

「ネイティブはふだんどういう感覚でhaveを使っているのか?」

 

といったことを知ると、とたんに現在完了に親近感がわいてくる。

 

ステップ③=わかったことを「技」に変える

完全に理解した文法項目の例文を、声に出して読み上げる。このとき、「ネイティブの感覚」を意識しながら声に出すようにすると、効果テキメン!!

以上、3つのステップで袋の口を開いていくと、

「言いたいことが英語でポンポン口から出てくる」

ようになります。

ただし、スピードに乗ってフリートークができるようになるには、ある程度の期間が必要です。僕の場合は、それなりに深い内容で、「言いたいことが口からポンポン出てくる!!」と実感できるようになったのは、短文暗唱を始めてから1年半後のことでした。

 

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From  師範代Shinya(新村真也)
(
英語の達人養成ジム 師範代)

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