「英単語→日本語」の丸暗記がうまくいかない3つの理由
英単語を増やそう!と思うと、こんなイメージが頭に浮かびませんか?
・分厚くて難しい単語帳。
・途中で眠くなるほど単調な作業。
・オモテに英単語&ウラに日本語の意味を書いた小さいカードの束。
これらは、学生の頃に苦労した思い出から来ているイメージです。
でも、あなたはこの方法で果たして本当に英単語を覚えられたでしょうか?
「英単語→日本語」を丸暗記
というスタイルで覚えた英単語を、今でも思い出せますか?
大人になった今、僕たちはまた学生の頃と同じ方法を繰り返すべきでしょうか?それで一度失敗しているのに・・・
もちろん、この方法が合っている人もいます。
ゲーム感覚で楽しくできる人もいるでしょう。
でももし、あなたがこの単調な方法で英単語を増やすことに気が進まないのなら、この先を読み進めてください。
もしあなたが、「テスト勉強のための一夜漬けの英単語」ではなく、「長く忘れずに会話で使える英単語」を求めているなら、この記事はきっとあなたの役に立てるはずです。
英単語→日本語のスタイルの限界
まず、この従来の「英単語→日本語訳」で覚える「受験勉強スタイル」には、3つの問題点があります。
問題点① 忘れやすい
丸暗記型の英単語の学習法は、「一発勝負」の大学入試などには有効かもしれません。一夜漬けで大量の単語を浅く広く覚えられれば、紙の上の試験では正解を選べる確率は上がるでしょう。
でも、そうやって覚えた英単語は、すぐに忘れてしまいます。時間をかけずに覚えたことは、忘れるのも早いのです。テストが終わって1ヶ月もすれば、もうほとんどの英単語が頭の中から抜けていってしまいます。
問題点② 会話や文章の中で使えない
英単語→日本語のパターンで覚えた単語は、実際に会話の中やビジネスのメール&手紙を書いているときには、うまく使えません。
言いたいことは何となく分かるけど、不器用に切り貼りしたような、ぎこちない文章ができてしまいます。
どういうことでしょうか?
たとえば、次の3つの単語を見てください。
・ see
・ look
・ watch
これらを、日本語にすると、全部「見る」になりますよね。
・昨日、駅で彼を見たよ。
・昨日、サッカーの試合、見たよ!
・昨日、あの可愛い子が俺の方を見たんだよ!
日本語で書くと、どれも「見た」です。
違いはありません。
でも、英語ではすべて違う単語を使います。
今から、少し時間を取って答えを考えてみてください。
・
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はい!時間になりました!答えは、
・I saw him at the station yesterday.
・I watched the soccer game yesterday.
・She looked at me yesterday!
という順番です。この3つの英単語は、文の内容によって使い分けなければいけません。でも、日本語ではどれも一緒の「見る」という単語だけでいけます。
日本語と英語は、まったく違う言語です。
単語の使い方も文法も、まったく違うのです。
それなのに、英単語をむりやり日本語の単語訳に当てはめて覚えようとしても、限界があります。
そうやって英単語を覚えた場合、「読んで理解」することはできるかもしれません。でも、自分でしゃべったり書いたりする「アウトプットの場面」では、まったく使いものになりません。
問題点③ TOEICなどのテストで使えない
TOEICテストには、パート5と6に、「穴埋め問題」があります。ここでは、4つの英単語からピッタリくるものを選びます。
TOEICは年々進化していて、今では単語の意味が日本語で分かるだけでは正解が選べないようになっています。
たとえば、シンプルな例文を使ってみましょう。
Please ( ) at it.
この( )に入る英単語を選んでください。
・see
・watch
・look
どれだと思いますか?
・
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・
・
・
・
・
・
はい!時間になりました!正解は・・・
「look」です。なぜでしょうか?
意味的には、どれも「見る」でいけそうな気がしますよね。
これは、英単語の「意味」よりも「使い方」を知っているか?が正解するポイントです。
この問題の中の大きなヒントは、( )のうしろの「at」の部分です。
Please ( ) at it.
他の「see」や「watch」は、うしろに「at」がきません。直接「it」がきます。
Please see it.
Please watch it.
という感じです。
もちろん、TOEICの本番では、もっと長い文章や難しい英単語が出ます。でも、問題の中できいてくるのは、こういった「使い方」の部分です。意味だけでは、解けないようにできています。
丸暗記方式で失敗する3つの理由
いかがでしょうか?大人が「やり直し英語」で学生の頃の受験勉強と同じスタイルでやろうとすると、この3つの罠にハマります。
① 忘れやすい。
② 会話や文章で使えない。
③ TOEICの点数が上がらない。
これでは、途中でイヤになって挫折してしまうのも無理はありませんよね。
でも、これを解消する方法があります。
これは、決して「新しいメソッド」ではありません。知っている人はいます。そして、それを実践している人は、英単語力が高いです。
僕も、この方法を知ってからは、「会話で使える英単語」の数が、グングン増えていきました。
使える英単語を増やす、たったひとつの方法
「使える英単語」とは、
・忘れにくい。
・会話や文章の中で正しく使える。
・TOEICなどのテストで正解できる。
という3つの特徴を兼ね備えた英単語です。それを身につける方法は、
「まとまりのある文章の中で覚えること」
です。
さっきの例で言うと、
・see = 見る
・watch = 見る
・look =見る
という覚え方ではなく、それぞれの英単語が入った文章の中で覚えます。
・I saw him at the station yesterday.
・I watched the soccer game yesterday.
・She looked at me yesterday!
この文章全体を身体に刷り込みながら覚えていくのです。
一見、遠回りに見えるでしょう。でも、実際は逆です。英単語は、「文脈」の中で覚えた方が、ずっと効率的です。理由は3つあります。
・その方が忘れにくい。
・会話や文章の中で使えるようになる。
・TOEICなどのテストでも正解できるようになる。
この3つを満たしていれば、モチベーションも続きやすく、長い目で見て「使える単語が増える」のが早くなります。
英単語を身体に刷り込む方法
では、これらの例文をどうやって身体に刷り込めばいいのでしょうか?
それは、「音読」です。
音読とは、「音を出して読む」ことです。
英文を、声に出して読み上げるのです。文章全体の意味を考えながら、誰かに語りかける気持ちで読みあげていきます。
そして、その回数は、30回以上です。
30回以上声に出して身体に刷り込んだ英単語は、長期の記憶として、あなたの中に残ります。
以上をまとめると、英単語は、「文章の中で」「30回以上声に出す」ことで初めて「使える単語」として定着します。
英単語の具体的な音読方法には、ちょっとしたコツがあります。詳しくは、こちらをご覧ください。
From Shinya
(英語の達人養成ジム 師範代)
自己紹介は、こちら