【㉑ 僕が「西洋かぶれ」になってやらかしてしまったこと】

(→前回の続き)

カナダ留学での3ヶ月間は、僕にとっては価値観が変わるのに十分な期間でした。

そもそも仕事を辞めてカナダに留学したきっかけは、日本の外国人バーで色んな国の人達と深い話ができるようになって、カルチャーショックを受けたことです。

そして、最後のとどめを刺すかのように、カナダに留学したのです。

その結果、僕はすっかり「西洋かぶれ」になった状態で日本に帰ってきました。

「西洋かぶれ」という言葉の定義を辞書で調べると、

「西洋(特にアメリカやヨーロッパ)のものを、日本やアジアのものより優れている、と盲目的に信じ込み、自分の本来の文化よりも優先して取り入れようとする様子」

だそうです。

まさに、当時の僕はこの定義にピッタリな考え方になっていました。

「日本ではいまだに○○だけど、カナダでは10年以上進んでて○○なんだよね。」

みたいな言い回しが口ぐせになってしまったのです。

これはおそらく、「海外にそんなに長くは住んでないけど、ある程度の期間は滞在した人達」が陥りやすい状態だと思われます。

皆がそうなるとは限りませんが、それなりに英語ができて、現地でも友人をたくさん作っているような日本人は、けっこうその傾向がある気がします。(逆にすごく長く住むと、西洋文化の弱点も見えてくるとよく聞きます)

特に僕の場合は、留学前の仕事の環境がけっこうブラックだったことも、西洋かぶれに拍車をかけました。

ジーンズショップの店長をしていた頃の「新店応援」の時期では、朝5時に集合して高速道路を片道3時間運転し、到着後の朝9時から翌日深夜2時までノンストップで働き、また高速を運転して帰宅するのが朝5時、といったブラックなスケジュールで働いていました。

その反動もあって、カナダの「残業する人は仕事ができない認定される文化」が、とても魅力的に見えたのです。

僕がカナダにいる時に学校に来て講演してくれた、「バンクーバーで最も高給取りの会社員」と呼ばれている男性のセリフが、僕の中での価値観を決定づけました。

「1日7時間以上働く人は、自分の効率を見直した方が良い。労力を減らしながら、より大きな成果を出し続ける。それが、企業にとっても個人にとっても、ビジネスをする目的です。」

と言っているのを聞いて、僕は感動して鳥肌が立ったほどです。

西洋かぶれのメリット

僕が経験してみて感じた、「西洋かぶれになるメリット」は、自分の英語力がさらに上がったことです。

西洋文化にどっぷり浸かると、イメージ英文法の考え方が、より深く自分の中に浸透してきます。

さらに、「もっと知りたい!学びたい!」という欲求が生まれるので、英語を勉強している時の集中力が上がりました。

英語圏の文化への尊敬や憧れは、英語という言語を学ぶ上では、プラスに働くと思います。

さらに、英語圏の人達とのコミュニケーションでも役立ちます。

相手の国の文化に対して、憧れや敬意を持って話をすることは、友人を増やすのにも役立ちました。

誰だって、自分の国を見下す人よりは、尊敬してくれる人と話す人と仲良くなりたいと思うものです。

僕は西洋かぶれになることで、国内外での外国人の友人がさらに増えていき、英会話のチャンスも増えて、より英会話力がアップしていきました。

西洋かぶれのデメリット

一方で、西洋かぶれのデメリットも実感しました。

これは、想像以上のダメージを僕の人生にもたらしました。

僕の経験から感じる、西洋かぶれのデメリットは、「日本人同士での会話に摩擦が生まれること」です。

特に僕の場合は、当時婚約していた彼女との関係がギクシャクし始めました。

彼女はキャリアを大事にするタイプで、自分の仕事に誇りを持っていて、長時間労働もいとわないスタンスでした。

そんな彼女を見て、僕はイライラして、つい批判的な言葉を言っていたように思います。

具体的に何を言ったのか詳細は覚えていませんが、

「長時間労働は無能の証」

みたいなことを言っていたはずです。

彼女のとっては、「自分の努力や楽しみを下に見るような発言」を僕がしているように見えたのではないかと、今振り返って感じています。

とはいえ、結婚を目前に控えていた僕たちは、表立った言い争いや対立はしないまま、式の準備を進めていきました。

ところが、ある日お互いに積もり積もった不満が爆発して、そのまま修復できずに破局してしまったのです!

もちろん、破局の原因は1つではありません。

たくさんのことが一度に起きて、修復不能になりました。

とはいえ、「僕の西洋かぶれ化」も、すれ違いのきっかけになったことは間違いありません。

僕は人間関係の中でも最も精神的ダメージが大きい「男女のパートナーシップ」が悪化し、崩壊しました。

地獄の底に突き落とされる

カナダでの天国のような生活から一転して、一気に地獄に突き落とされたような気分になりました。

この時の精神的なダメージは、やり直し英語学習1年目で挫折した時よりも、さらに深刻でした。

「なぜ、自分がこんな目に!!」

「この出来事には、どんな意味があるっていうんだ!!」

と、自問自答し続けました。

答えはすぐに出ませんでしたが、今振り返ると、「長い目で見てむしろ良かったシリーズ」のうちの1つになっている気がします。

この時の自分の経験がきっかけになって、僕は西洋の「マリッジカウンセリング」に興味を持ちました。

西洋の心理学や脳科学を元にした「恋人や夫婦関係の再構築メソッド」を学び、日本人向けに独自アレンジしたものを、今の妻との間で実践し続けています。

そして、日本の夫婦を離婚の危機から救うべく、妻と一緒に夫婦でマリッジカウンセラーとしても活動しています。

このジャンルは日本語の情報が少ないので、英語ができることが、知識と経験を深めるのにとても役立っています。

おかげで、夫婦関係がピンチになっている人の話を聞くと、何が起きているのか原因を分析し、解決策を見つけ出す「目」を手に入れることができました。

一度は西洋かぶれになってもいい

西洋かぶれになったからといって、僕のような大ダメージを負うケースは、かなりレアでしょう。

これは僕の個人的な意見ですが、せっかく英語を勉強するなら、一度は西洋かぶれになる時期があっても良いのではないか?と思います。

最初からいきなり、バランスの取れたものの見方はできません。
もちろん、西洋かぶれが行き過ぎた場合は、僕のように痛い目にあうかもしれません。

でもこれを読んだあなたは、少なくとも僕と同じテツは踏まないはずです。

一度思い切り、西洋文化にどっぷり浸かってみる期間を楽しみ、そこからまた戻ってバランスの取れたものの見方をするようになる方が現実的ではないか、と個人的には思います。

ちなみに、今の僕は西洋文化と日本文化の両方の良いところが見えるので、割とバランスが取れているのではないかと、自己評価しています。

・・・つづく

P.S.
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