電子辞書の正しい選び方(英語学習者用)

fullsizerender

 家の近くの電気屋さんの電子辞書コーナーに行ったときのこと。

今年はどんな電子辞書モデルが出ているかな?とチェックしていました。

実際に触って感触を確かめたり、新しい機能を体感するのは、楽しいです。

すると、店員さんが僕に愛想よく声をかけてきました。

店員さん:「電子辞書をお探しですか?」

:「はい。最近はどんなモデルが出てるのかなと思いまして。」

店員さん:「このモデルは、新しくこんな機能が加わったんですよ!さらに、こっちのモデルには、こんな機能も追加されています。こっちのメーカーのシリーズは、こんな機能がついているのが特徴で・・・」

といった感じで、とても親切ねいていに「機能」を説明してくれました。さすがに店員さんです。最新モデルの機能に詳しいです!

 

電子辞書えらびで一番大切なもの

でも、電子辞書を選ぶときに一番大切なジャッジ基準は、実は「機能」ではありません。機能なんて、ハッキリ言ってどこのメーカーも似たり寄ったりです。

(今、市場はどうやら、カシオ VS シャープの一騎討ちになっているようです)

英語学習者にとって、電子辞書に求める「機能」は3つだけです。

・すばやく英単語の意味を調べられる。

・ネイティブ発音が聞ける。

・自分の選んだ単語をひとつのファイルにまとめられる。

この3つを満たしているなら、あとの機能はおまけに過ぎません。(むしろ、余計な機能が増えれば増えるほど、反応スピードが遅くなったりして、電子辞書としては使いづらくなります)

一応、どのメーカーの電子辞書も、この3つは満たしているようです。

ちなみに、同じメーカーの電子辞書なら、使っているパーツは全部一緒です。売場で見てみると、全部同じデザインの本体です。せいぜい色が違うくらいです。

では、電子辞書はいったいどこでジャッジすればいいのでしょうか?

それは・・・「中身」です!

つまり、収録されている「辞書」の種類です。

 

中身が一番大事!

実際に、パンフレットをめくってみると、どれも見た目は同じですが、値段が違います。その値段の違いは、「収録されている辞書の数と種類」から来ています。

電気屋の店員さんは「電化製品のプロ」であって、「英語学習のプロ」ではありません。電子辞書の「機能」や収録されている「辞書の数」くらいまでは説明できるかもしれませんが、「どの辞書が今のあなたにオススメか?」までを説明できる人は、ほとんどいないでしょう。

電子辞書の価値は、中身=「収録されている辞書」で決まります。どんなにすぐれた最新機能を搭載していても、あなたの求める「英単語の意味と使い方」が載っていなければ、辞書の役割を果たせません。

 

宝の持ち腐れ

僕は今まで、たくさんの英語学習者の方の「電子辞書選び」までをお手伝いしてきました。

僕がアドバイスする前に電気屋に行って、「店員さんに勧められたんで、これ買いました!」という方には、後日その電子辞書を持ってきてもらい、中身の辞書の種類をチェックさせてもらいました。

その結果、わかったこと。

それは、「宝の持ち腐れ」になっているケースが多い、ということです。

店員さんにやたら高いモデルを勧められて買ったものの、その後は収録辞書をぜんぜん使いこなせてないパターンがけっこう多いのです。

逆に、せっかく高い英語力を持っているのに、「予算がないから」という理由で、今の英語力をさらに伸ばすには役不足な辞書しか入っていないモデルを買ってしまうパターンも目撃してきました。

どちらのパターンも、「もったいない!」です。

そこで、今日はあなたの英語レベルに応じた電子辞書選びのコツをお伝えします。

 

英語力のレベル別:ジャッジ基準

英語力というのは目に見えないので、わかりやすくするために、TOEICテストの点数と英検の合格級で表示します。レベル別に、収録モデルの例をご紹介します。

僕は今まで買った4台とも、カシオのエックスワードです。他のメーカーの電子辞書は買ったことがないので、今回はカシオのエックスワードを例に出します。

先ほどお伝えしたとおり、今はどのメーカーの電子辞書も、機能的には大きな差はありません。

また、最新モデルと数年前のモデルを比べても、正直、機能的にもあまり差がありません。むしろ、最近のモデルは余計な機能が増えて重たくなっている印象を受けます。

なので、新しさに関係なく、あくまで「英語学習に役立つ」という視点で、「中身の辞書」を基準にして、オススメモデルをご紹介します。

・あなたの今の英語レベル

・どこまでのレベルを目指すのか?

・これから買う電子辞書は何年くらい使いたいのか?

の3つを考えながら、この下を読んでみてください。

TOEICレベル200点~400点台(英検3級~準2級)

このレベルであれば、どの辞書でもOK!基本的に、ふつうの基礎的な英和辞典と和英辞典が入っていれば大丈夫です。少し型落ちして一番安くなってる家庭用モデルを選んでも、十分に役立ちます。僕も最初に買ったのは一般家庭用です。

オススメ収録辞書

・ジーニアス英和辞典
・プログレッシブ和英中辞典

この2つの辞書が入っているモデル例
         ↓

カシオ 電子辞書 エクスワード 生活・教養モデル XD-D6500BK ブラック

(↑※この写真か文字をクリックすると、アマゾンの販売ページへ行けます)

 

TOEICレベル500点~650点(英検2級)

高校生用モデル

このあたりになると、受験英語レベルになってくるので、高校生用モデルに入っている辞書がけっこう使えます。英語で英語の意味を調べられる「英英辞典」が入っているものがあると役に立ちます。

この段階では、比較的やさしいロングマンの英英辞典から入るのがオススメです。これに慣れてから、オックスフォード英英辞典に入った方がいいと思います。

オススメ収録辞書

・ジーニアス英和辞典
・ロングマン英英辞典
・オックスフォード英英辞典

※この3つの辞書が入っているモデル例
    ↓

カシオ 電子辞書 エクスワード 高校生モデル XD-D4800BK ブラック

(↑※この写真か文字をクリックすると、アマゾンの販売ページへ行けます)

 

TOEICレベル700点~860点(英検準1級)

英語系モデル

このレベルになると、ベーシック系や高校レベルの辞書では収録単語が足りなくなってきます。とくに、このレベルの学習者にとっては単語を増やすトレーニングが大事になってくるので、辞書の質にこだわり始める時期です。

英和「大」事典が入っているモデルは、外国語系(とくに英語系)になります。

オススメ収録辞書

・ジーニアス大英和辞典
・リーダーズ英和辞典
・オックスフォード現代英英辞典

※この3つの辞書が入っているモデル例
    ↓

カシオ 電子辞書 エクスワード 実践英語モデル XD-Y9800BK ブラック コンテンツ170

(僕はこの英語系モデルの旧型の画面が白黒タイプを使い倒しました)

 

TOEICレベル860点~950点以上(英検1級)

英語プロフェッショナルモデル

このレベルの学習者にとって、英単語学習は「終わりのない旅」です。特に英検1級を取ろうとする場合は、英単語レベルがTOEICの倍近くまで増えます。(1万5,000語レベル)その学習用に耐えるレベルの辞書が必要になってきます。

ここから先の英単語学習には、「語源学習法」を使うと効果的です。そのためには、語源まで載っている辞書が望ましいです。

「ジーニアスの大英和辞典」と、「オックスフォード英英辞典」には、この語源まで載っているので、オススメです。

また、このレベルの人は英語を教える立場になったり、意味の似ている単語を微妙なニュアンスの違いで使い分けるようになります。そのために、ここでまたわかりやすい「ロングマン英英辞典」が役立ちます。

※ロングマン英英辞典は、「英語オンリーのレッスン中」に、生徒さんから英単語の意味を聞かれたとき、やさしい英語で分かりやすく説明するのに役立ちます。

オススメ収録辞書

・ジーニアス大英和辞典
・オックスフォード現代英英辞典
・ロングマン英英辞典

※この3つの辞書が入っているモデル例
    ↓

カシオ 電子辞書 エクスワード プロフェッショナルモデル 170コンテンツ・2000文学作品・クラシック1000フレーズ XD-D10000 カシオ 電子辞書 エクスワード プロフェッショナルモデル XD-Y20000 コンテンツ200

(これは僕が買ったモデルです。もう4年たちますが、まだあまり値下がりしていません。使いやすく、見た目に高級感があるのでオススメです。)

 

 

 

カシオ 電子辞書 エクスワード プロフェッショナルモデル XD-Y20000 コンテンツ200

(これは2016年11月時点で最新モデルです。スッキリしたシャープなデザイン。)
    

 

以上、レベル別の電子辞書の選び方をご紹介しました。

これは、あくまでひとつの基準です。あなた自身が電気屋さんに行って実際に触ってみて、しっくり来たモデルを選ぶのが一番いいと思います。

どの辞書が入っているか?は、パンフレットの一番うしろに書いてあります。

 

目標に合わせて選ぶ

長く使い続けるつもりなら、今の英語力に関わらず、最終的に目指す英語レベルのモデルを奮発して買ってしまう、というのもひとつの手です。

そうすることで、「せっかく買ったんだから、使いこなさなきゃ!」という気分になり、モチベーションが保てるかもしれません。

 

自分へのご褒美に

「TOEICの目標点数○○点を突破したら、自分へのご褒美に、電子辞書をアップグレードして買い換える!」といった感じでメリハリをつけていくのもいいかもしれませんね。

そのたびに、新たな気持ちで英語学習に向かえると思います。

僕も今の電子辞書は4代目ですが、買い換えるたびに、気持ちを新たにモチベーションアップしていました。

 

From  Shinya
(
英語の達人養成ジム 師範代)

自己紹介は、こちら
こちらですアップ
    
      
     
     
     
     
    
 

※ブログの「もくじ」は、こちら