11.語彙で突き抜ける!僕が英検1級を突破した英単語勉強法

(→前回のつづき)

英検1級に挑戦しようと決めた僕は、これまでとは違う勉強法で英単語を増やすことにしました。

ここで初めて、従来式の「英単語を日本語訳で覚える」スタイルに切り替えたのです。

英検1級のボキャブラリーレベルは、1万5,000語レベルと言われています。

TOEICに出てくる英単語レベル8,000語の、2倍近くの量のボキャブラリーが必要なのです。

実際に、僕の周りにいるTOEIC990点満点ホルダーの同僚の先生達も、

「英検の過去問を立ち読みしたら、ぜんぜん読めなくてヘコんだ。私には英検1級はムリだわ・・・」

と口を揃えて言っていました。

そのぐらい、英検1級のボキャはムズカしいのです。

ムズカしい英単語=レアな英単語

という図式になります。

レアな英単語だと、文脈の中で出会うチャンスが激減します。

DUO3.0のように、いくつのものターゲット英単語を1つの英文に織り込むのも不可能です。

そんな時こそ、「従来式の英単語学習法」の出番なのです。

英単語 → 日本語訳

という形で暗記する方式の方が、効率良くなります。

ムズカしい英単語ほど、「日本語訳の暗記」でも問題ない理由

初級~中級レベルの英単語では、「1つの英単語が文脈によって意味が変わる」ケースが多いです。これを「多義語」と言います。

従来式の「英単語→日本語訳」で覚えようとすると、多義語は、

promote =昇進させる、販売促進する、計画などを推進する

のように、覚える日本語訳が多くなります。

これだと、記憶の負担が増える上に、思い出しづらく、効率が悪いです。

多義語は、文脈の中で覚える方が効率的です。

一方で、英検1級レベルのムズカしい英単語は、「1つの英単語に1つの意味だけ」のケースが多くなります。たとえば、

xenophobia = 外国人恐怖症

という1つの意味しかありません。

ちなみに、「xenophobia = 外国人恐怖症」は、本当に英検1級に出る英単語です。ネイティブの友達にそれを言ったら、

「英検1級を受ける人が覚える英単語が、外国人恐怖症なの?!どいういう基準で選んでるんだ?」

と爆笑していました。

このように、使う機会が限定されるレアな英単語は、日本語訳が1つしかない分、逆に暗記で覚えても問題ない、という特徴があるのです。

僕が日本語訳の暗記用に選んだ英単語帳は、「キクタン英検1級」という本でした。

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この本は、「英単語→日本語訳」という王道のスタイルの英単語帳で、使いやすそうだったので選びました。

さらに、例文も短くてシンプルなものが載っています。

僕は、念のため最初の1周目だけは、例文の中で英単語を読むようにしました。

2周目以降は、「英単語→日本語訳」という暗記スタイルで覚えました。

日本語訳の暗記式でも、ちゃんと英会話で使えるようになる理由

英検1級を受けるレベルになると、それまで積み上げたボキャと文法力の土台が、揺るぎないものになっています。

そのため、従来式の日本語訳丸暗記スタイルでも、覚えた英単語を片っ端から英会話の中で使えるようになりました。

僕は自分が覚えた英単語を忘れないようにするため、ネイティブの同僚の先生との雑談の中に、あえて英検1級の英単語を入れて話すようにしました。

もちろん、フォーマル過ぎて不自然な言い回しになるのですが、それは分かった上で使っていました。

相手のネイティブの同僚の反応は面白く、

「その英単語は聞いたことはあるけど、自分の口から出したことは人生で一度もないよ。それを日本人のシンヤの口から聞くことになるとは!」

とよく笑っていました。

そうやって英会話に強引に盛り込んで使うことで、2次試験の面接対策にもなっていたのです。

結局、文脈の中で覚えるのが一番楽しいと気付く

キクタン英検1級は、確かに効率よく英単語を覚えられました。

でも、正直「楽しさ」で言うと、文脈でやっていた頃の方が大きかったです。

そこで僕は、速読速聴英単語シリーズの最上級バージョン「Advanced1100」に手を出すことにしました。

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ストーリー性のある文脈の中で、英検1級レベルの英単語が登場するテキストは、僕の知る限り、この1冊だけでした。

ニュース英語を読むのは、この1つ前のレベルのCore1900で慣れていました。

でも、Advanced1100の英文はそれより数段上の難易度で、とても歯ごたえがありました。

英単語は、見出し語以外の英単語で僕が知らないものが多く、それらも一緒に覚えることで、英検1級にすら出る確率が低そうな、マニアックなボキャも僕の中に増えていきました。

さらに、Advanced 1100の英文を読むことで、容赦のない長文の内容を理解する読解力がつきました。

ネイティブの中でも、教養のある層が読んでいる専門的なニュース英語を読めるようになっていく自分に、自信がついていきました。

と同時に、日本語で読んでもしっくり来ない内容が、英語で読むとスーッと頭に入ってくる現象を経験しました。

僕はこの時、「やっぱり、英単語は文脈で覚える方が楽しい!こっちの方が、自分の性に合っているな。」と実感しました。

ついに1万5,000語レベルに!

そして、Advanced1100とキクタン英検1級の両方を組み合わせる形で勉強を進めた結果、僕の手持ちボキャブラリーは1万5,000語レベルに達しました。

おかげで、英検1級の問題の中で、語彙パートが、僕にとって一番の得点源になったのです。

過去問を何回分か解いた時にも、語彙パートは全問正解できることが多かったです。

そして迎えた試験本番。

1度目は後半の長文読解問題の内容が、自分と相性が合わず、惜しくも不合格A。

2度目のトライでは、自分が読みやすい長文問題が出てきて、一次試験を無事突破。

そのまま進んだ2次試験の面接では、一発合格することができました。

英検1級の称号を手に入れたことで、僕の英単語学習は、いったん区切りを迎えました。

僕は、そこから次に進む道を考えました。

・・・つづく

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