
(→前回のつづき)
英検1級に受かった後、僕は「知っている英単語の数を増やすための勉強」を辞めました。
もちろん、上を目指そうと思ったら、いくらでもできます。
英検1級のボキャレベルは1万5,000語ですが、一般的な大卒ネイティブの語彙レベルは、平均約3万語と言われています。
まだ2倍も差があるのです。
大卒ネイティブと知的な会話をしながら、対等に渡り合おうと思ったら、おそらくあともう1万5,000語ぐらい増やす必要があるのでしょう。
そのための教材として、日本人向けに英検1級以上のレアでムズカしい英単語を収録した英単語帳が何種類かあります。
でも、僕はもう「次は○○語レベルを目指すぞ!」というように、システマチックに英単語を増やすことに対して、あまり興味がなくなりました。
代わりに、これまで身につけてきた英単語を使って、快適に英会話を楽しみたいと思うようになったのです。
自分が興味のあるジャンルの英単語を、文脈の中で自然に覚える
その後、僕が選んだ道は、自分が興味のあるジャンルの英単語を、文脈の中で自然に覚えていく方法でした。
ネイティブ向けに書かれた本や、YouTubeの海外動画などを使って、自分が学びたいジャンルの英文を音読していきました。
たとえば僕の場合は、
・ビジネスやお金に関する知識を学ぶ本
・自分の心を整えるためのマインドセットを鍛える本
・男女の脳作りの違いや心理学を学ぶ本
・カメラやマイクなどの、ガジェットを解説しているYouTube動画
などを素材として使いながら、音読を続けています。
自分が好きなジャンルの英語を音読していると、まだ知らない英単語に遭遇することがけっこうあります。
特にネイティブ向けの本では、見開き1ページに2~3個は、自分が知らない英単語が登場します。
それらは、英検1級の英単語帳にも載っていなかった英単語です。
どのジャンルでも、その分野でよく使われる英単語や表現、言い回しなどがあるのです。
それらは、「○○語レベル」といった感じでシステマチックに増やしていくやり方では、あまり出会えない英単語たちです。
でも、自分が好きなジャンルであれば、今後も遭遇する確率が高いでしょう。
自分が英会話の中で使いたくなることも多いはずです。
つい先日も、音読したネイティブ向けの本の中に、「insurmountable hurdles」という英単語が出てきて、知らなかったので調べたら、
insurmountable = 超えることができなさそうな
hurdles = ハードル
という意味でした。つまり、「一見、自分には乗り越えられそうもないハードル」という意味です。
ネイティブの先生に確認したら、
「話し言葉ではほとんど使われないけれど、哲学書やマインドを整える系の本の中では、よく見る単語だよ。」
と教えてくれました。文脈で英語を勉強していると、こういう新しい発見がよくあるのです。
知っている英単語の組み合わせで、知らない意味になる世界
また、自分がすでに知っているカンタンな英単語でも、「この組み合わせでこの意味になるとは、知らなかった!」という新しい発見が、けっこう多いです。
たとえば、あなたはこの表現の意味が予測できますか?
↓↓↓
I won’t have it!
It pays for itself.
I’ve got it out of my system.
英単語1つずつで見ると知っているものばかりですが、組み合わさってどういう意味になるのか?ピンと来ないですよね。僕も最初にこの表現を見た時には、さっぱり意味が分かりませんでした。
ちなみに答えは、
I won’t have it! = そんなのダメ!
It pays for itself. = 元が取れる
I’ve got it out of my system. = 胸のつかえが取れる
という意味です。
これらは、日常会話でとても使える表現ですが、どれも単体でいきなり使うものではありません。
文脈の中で使われた時に、意味が通じる表現です。
「it」 が多く使われているのは、「相手が言ったことに対する返事」や、「さっき自分が言ったことを受けての言い回し」が多いからです。
こういう言い回しは、前後の文脈がないと成り立たないので、必ず状況が分かる例文が必要です。
ちなみに、上記の表現は、僕が今自分の音読用に使っている「日本語のように話せるキレッキレ英語」というテキストからの引用です。
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このテキストには、上記のような表現が約500本収録されています。
すべての表現に、前後の文脈が分かる例文と、日本語の解説が付いています。
今、僕が楽しみながら文脈の中で学んでいるのは、こういうジャンルの英語表現です。
僕が今でも文脈で英単語を覚える理由
僕が今でも文脈で英単語を覚える理由は、「資格試験のために英単語の数を増やす」のが目的ではないからです。
僕は、英検1級やTOEIC900点以上を取った後は、「自分が興味のある内容が書かれた英文を音読する中で、自然に出会った英単語を覚える」方が、役立つ語彙を覚えられるし、強く記憶に定着すると思っています。
自分が興味のあるジャンルの内容を理解し、伝えるための英単語であれば、どんなにマニアックな専門用語であっても、それは僕にとって必要な英単語であり、「生きた英単語」なのです。
英会話の中で使えるチャンスも多くなるでしょう。
だから僕は、今でも英単語を文脈で覚えています。
夢が叶った日
実は今年、僕の夢が1つ叶いました。
それは、自分が初心者から英検1級を取るまでの期間に、一番たくさん使い込んだ文脈型テキスト「速読速聴英単語シリーズ」の監修の松本茂先生と、同じステージに立たせていただいたことです。

新宿紀伊國屋本店のセミナー会場で、ちょうど出たばかりの「速読速聴英単語Core1900 ver.6」 の発刊記念イベントが、出版社のZ会主催で行われたのです。
実は、今からさかのぼること8年前、前作の「Core1900 ver.5」 が出た年に、僕は東京に引っ越して独立しました。
僕と妻は本屋さんが大好きなので、上京してすぐに新宿紀伊國屋本店に行きました。
その時に、階段の踊り場で、Core1900 ver.5 発刊記念の松本先生の講演会ポスターを見たのです。
残念ながら、その時にはすでに講演会は終わっていました。でも、僕は記念に、イベントポスターの前で松本先生の写真の横に並び、妻に写真を撮ってもらいながら、
「いつか自分も、このステージに立つぞ!」と宣言しました。
あれから8年後、まさか本当に自分が同じステージで、松本先生と一緒に「文脈で英単語を覚えるメリット」を実体験を元に伝える側になるとは!人生、何が起こるか分かりませんね。これを英語で言うと、
We never know what’s waiting for us.
になります。
僕が英単語を身につけた流れのまとめ
ここまでの僕の英単語学習の流れをもう一度まとめると、
①Basic2400やDUO3.0などの、文脈で覚えられる英単語帳を音読して、ボキャブラリーを増やした。
②英単語を「ヨコ展開」するため、DUO3.0と同じ語彙レベルで、例文が日常会話寄りのDaily1500と、ニュース英語のCore1900を音読して、文脈の中での意味の違いを身につけた。
③その時々の目的に応じて、ビジネス寄り(TOEIC向け)のハイレベルな英単語を覚えたり、アカデミック寄り(英検1級)のマニアックな英単語を覚えたりしていった。この時点では、従来式の「日本語訳暗記」も取り入れた。
④英検1級合格の後は、ボキャブラリーを増やすことへのこだわりを捨てて、自分が興味のある内容の英文を音読しながら、自然に出会った新しい英単語を覚えている。
という流れです。
振り返ってみると、僕のやり直し英語学習歴20年の中で、従来式の英単語帳を使った「日本語訳の丸暗記」スタイルで覚えたのは、2年弱の期間でした。
トータルで見ると、全体の10分の1にも満たない長さです。
残りの18年間は、ずっと文脈の中で英単語を覚え続けています。
文脈で覚えているからこそ、僕は今でも英語学習がイヤにならずに、楽しみながら新しい英単語や表現を増やせているんだと思います。
そして、文脈の中で覚えた英単語や表現だからこそ、英会話の最中に自然に自分の口から出てくるのです。
あなたもぜひ、これをきっかけに、「英単語を文脈の中で覚える」という、効率的で楽しく、自然なメソッドを始めていただけたらと思います。
そして、間違ったやり方で遠回りしないために、「文脈で英単語を覚える詳しいやり方をステップバイステップで学べる動画セミナー」の体験版を1度受けてみてください。
その後は、自力でやっていくこともできます。(ご希望の場合のみ、定期コースもご用意しています。)
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From 師範代Shinya



