9.英単語は「ヨコ展開」が9割!話せるボキャ力の育て方

(→前回のつづき)

前回の記事でもお伝えしたとおり、僕は先にDUO3.0のテキストをやってから、次にBasic2400を使いました。これは珍しいケースです。

ふつうは先にBasic2400をやってからDUO3.0に進むのが、レベル的にムリがなくて良いと思います。

順番が前後したものの、僕はこの2冊で幅広いジャンルの英単語を、十分な量で身につけることができました。

僕が次に選んだ道は、さらにハイレベルな「まだ自分が知らない英単語を学ぶこと」ではありませんでした。

それよりも、

「これまで身につけた英単語が使える範囲を、さらに広げること」

が、英会話の力につながると思ったからです。

つまり、自分の語彙力を「タテ方向」に伸ばしていくのではなく、「ヨコ方向」に広げていく道を選んだのです。

僕は、DUO3.0とBasic2400の英単語を覚えた時点で、「ビジネスも日常も、もうこれでいけるんじゃないか?」と感じました。

その上で、同じ英単語をもっと英会話の中で広く使いこなせるようになりたいと思いました。

そのために、「すでに知っている英単語を、別の文脈で強化するテキスト」を使うことにしました。

僕がヨコ展開のために使った文脈型のテキスト

僕が次に選んだテキストは、Basic2400の1つ上のレベルに当たる、「Daily1500」というテキストです。

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Daily1500に収録されている英単語レベルは、DUO3.0とほぼ同じです。

実際に重複する英単語も多いのですが、同じ英単語でも文脈が変わると使い方が違うケースがよくあるのです。

Daily1500のコンセプトは、「中級レベルの英単語を、いかに日常会話で使うか?」に特化しています。

中級レベルの英単語はフォーマルに見えますが、実は日常のカジュアルな会話の中でも使われるのです。

そのため、Daily1500の英文は、DUO3.0に比べて、よりカジュアルな場面や日常シーンを多く取り入れた例文になっています。

僕がDaily1500のテキストを音読している最中は、

「英単語としては知っているけど、こんな意味でも使えるのか!」

という発見の連続でした。

さらに、Daily1500の方がDUO3.0よりも長い例文で、ストーリー性が高いので、英単語のさらなる定着に役立ちました。

ちなみに、Daily1500を使った動画セミナーも、僕は作っています。

(※注:ただし、最新版のver.4ではなく、1つ前のver.3を使った動画セミナーなので、受講される場合はご注意ください。ver.3は、iPadをお持ちでしたら、Apple Booksでアプリ版のver.3を購入できます。)

ニュース英語の方面にも、ヨコ展開

Daily1500の次に僕が選んだのは、同じ速読速聴英単語シリーズの「Core1900」というテキストです。

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このテキストも、見出し語の英単語レベル自体は、Daily1500やDUO3.0と同じぐらいです。

でも、収録されている例文は「ネイティブ用のニュース英語の記事の切り抜き」を素材にしています。英語学習者用に加工されていない「生の英語」の難易度は、ケタ違いに感じました。

見出し語以外にも知らない英単語がたくさん登場する上に、1文が長いのです。僕は、Core1900の例文が文法的に意味を取れるようになるまでに、けっこう時間がかかりました。

でも、決して苦しい感じはありませんでした。これまで英会話目的で覚えた英単語たちが、新聞記事の中で登場すると、またちょっと意味が違ったり、新しい発見があって、楽しく感じました。

語彙をヨコ展開する時に役立つ「語源学習法」

英単語の知識をヨコ展開する時に役立つのが、「語源学習法」です。

語源というのは、スペルを分ける細かいパーツです。

英単語というのは、適当にスペルが決まっているわけではありません。

1つ1つに、ちゃんと意味があります。

たとえば、

promote =昇進させる、販売促進する、計画などを推進する

という英単語を覚える場合。

日本語訳が3種類もあって、それぞれで使うシーンが違うので、覚えるのが大変です。

そこで、語源学習法では、この英単語を、

pro = 前

mote = 動かす(move)

という2つのパーツに分けて覚えます。

すると、この英単語の基本イメージが「何かを前に動かすこと」ということが分かります。

・組織の中で人を前に動かすと、「昇進させる」

・新商品を前に動かすと、「販売促進する」

・計画などを前に動かすと、「推進する」

という意味になるのです。

対応する日本語で覚えるよりも、「promote = 何かを前に動かす」というイメージで覚えた方が、文脈に合わせて自然な意味として捉えられるようになるのです。(実際に、ネイティブもこういう覚え方をしているそうです)

また、語源学習法は、1つのパーツの意味を覚えると、芋づる式に他の英単語の意味も予測しやすくなります。

proceed = pro(前に)ceed(行く)= 進む

project = pro (前に)ject(投げる)= 計画

propose = pro(前に)pose (置く) = 提案する

という感じです。

語源学習法は、僕の動画セミナーの中でも取り入れていて、見出し語の語源を毎回ガッツリ詳しく解説しています。

Basic2400の動画セミナーでも、DUO3.0の動画セミナーでも、各英単語の語源を解説していますので、興味があったらぜひ見てみてくださいね。すごく記憶に残りやすいですよ。

英語の語彙レベルの数値化

ちなみに、僕がこの時点まで文脈で覚えた語彙レベルを数値化すると、

・Basic2400 = 4,000語レベル(中学英語+アルファ日常英単語)

・DUO3.0 = 6,000語レベル(大学受験、英検2級~準1級レベル)

・Daily1500 = 6,000語レベル(同じく大学受験、英検2級~準1級レベル)

・Core1900 = 6,000語レベル+アルファ(見出し語以外で)= 約7,000語レベル(英検準1級レベル)

です。つまり、Basic2400以外は、全部「同じ語彙レベルのテキスト」を、3冊音読したことになります。

僕の経験上、日常会話を切り抜けるだけなら、4,000語レベルあれば、十分に満足できます。でも、もし表面的な会話レベルを超えて、ネイティブと深い会話をしたいなら、6,000語レベルは必須だと感じます。

・仕事の話

・恋愛&結婚の話

・人間関係の悩み事の相談

・時事ネタトーク

など、僕らが日本語で友達と話す内容を英語で言えるようになるのが、6,000語前後のボキャブラリーレベルになるからです。

資格試験のためにさらに上のフォーマルな語彙習得を目指すのも良いのですが、6,000語レベルの英単語を広い場面で使えるようにしておく方が、英会話には直結しやすいと思います。

「話すための英単語」という視点で見ると、6,000語レベルのボキャのヨコ展開をオススメします。

ここまで進んだ時点で、いよいよ僕は、「タテ展開で上のレベル」を目指すことにしました。

・・・つづく

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