From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
僕の英語力を大幅にアップしてくれた、思い出のたくさん詰まった「速読速聴英単語 Core1900」が、まさかの大改訂になりました。
僕はその内容を見て衝撃を受けました。
この本の特徴とも言える「スラッシュ」がなくなったのです!!
僕は、英字新聞レベルの長文を使った音読トレーニングに移行する前に、準備段階としてこの Core 1900 をやりました。そして、スラッシュに助けられました。
スラッシュがあったおかげで、長文の全体の意味を取るコツがつかめるようになりました。
スラッシュは、自転車の補助輪みたいなものです。
長距離を走れるようになる前の安全装置のような役割を果たしてくれます。
いつか補助輪を取って速く快適に走れる日が来るのですが、その前段階として、補助輪をつけて走っておいた方が、「英文に乗る」感覚をつかむことができます。
僕は、補助輪を外して英文に乗る前に Core 1900 に出会ったおかげで、スムーズな出発が切れたのです。
もちろん、スラッシュが入っている英文が載っているテキストが他にまったくないわけではありません。
たとえば、朝日出版社が出している「CNN ニュース・リスニング」という教材があります。
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これは、Core 1900 に限りなく近い作りになっています。
ただ、素材はあくまで「ニュースレポート」なので、1本30秒程度の長さです。
リスニング用教材としてはバツグンの効果を発揮しますが、長文読解力を高めるためには、少し文の量が足りない気がします。
英字新聞の容赦ない長さの英文に慣れるには、それなりにまとまった長さの英文、しかも理想は本物の英字新聞から持ってきた素材が好ましいのです。
そういう点でも、Core 1900 は優秀なテキストです。
「英字新聞の高級誌を読めるようになる」
という目的だけで考えた場合、英文の質や付属CDのクオリティーの高さを考えると、Core 1900 を超える品質の英語テキストは他には見当たりません。
なので、今回の大改訂でスラッシュがなくなったことは、僕にとって大きな衝撃でした・・・
なぜ、スラッシュをなくしたのか?
今回からスラッシュをなくした理由。それは、「スラッシュがジャマで読みづらい」と感じる人たちの声に応えたものと思われます。
確かに、「スラッシュがない普通の英文」はCore1900のバージョン4以前には収録されていないので、
「Core1900の英文を読みたいけど、スラッシュがいらない人」
にとっては、ジャマかもしれません。
「より広い読者層を獲得する」という点で見れば、今回の「スラッシュ廃止」はZ会にとっては考え抜いた末のマーケティング戦略なのでしょう。
それ以外の変更点
今回の大改訂で変わった点は全部で5点あります。
スラッシュの廃止はもう語り尽くしたので置いておいて、残りの4点は、
①英字新聞記事の70%を新しい記事に差し替え
②見出し語をCEFRのB2レベルから選定
③英文の理解度チェックの質問を、英文に改訂
④時事知識コラム&TOEIC重要度マークをアップデート
となっています。
ちなみに、後半3分の1の英文が、「短文」であることに変わりはありませんでした。
記事が新しくなるメリット
英文記事の70%が新しくなったということは、これまでCore1900をやったことのある人にもアピールできる内容になっています。
もしかして、今回の改訂はCore 1900のバージョン4の「卒業生」にもアピールするために、あえて補助輪(スラッシュ)を外したのかもしれません。
速読速聴英単語シリーズの上位テキストは、「英語を学ぶ」というより、「英語で学ぶ」というコンセプトがあります。
その点では、記事は新しい方が興味がわきます。
それに、時事知識は新しい方がネイティブとのトークのネタや、英検の筆記試験や面接試験のネタとしても使いやすいです。
そういう点では、この変更点がこのバージョン5の最も大きなウリかもしれません。
英文のレベル
改訂ポイントの2つ目に、「見出し語をCEFRのB2レベルから選定」とありました。
CEFR(セファール)というのは、ヨーロッパで生まれた「言語習得レベルの世界基準」です。
これは、多言語を操る人たちの間で基準があいまいな状態をスッキリさせるための、「モノサシ」です。
たとえば、英語とドイツ語をできる日本人がいたとします。
今までは、「どのくらいできるんですか?」と聞かれた場合、
「英語は、TOEIC800点レベルです。ドイツ語は、日常会話くらいなら問題ないくらいのレベルです。」
といった表現しかできませんでした。英語力がハッキリした数値で言い表せるのに対して、ドイツ語はあいまいです。
でも、CEFRを使えば、同じ質問を受けたときに、
「英語はCEFRでB2レベルです。ドイツ語はB1レベルです。」
といった感じで、同じ基準で2つの言語力を正確に伝えることが出来ます。
そういう点で、とても便利です。
日本でも、2020年に大学入試のセンター試験が廃止になると同時に、代替案としてCEFRが導入されることになるだろうと言われています。
ちなみに、今回のCore 1900の「CEFR B2レベル」は、TOEICに換算すると、700点台後半~800点台くらいで、英検にすると準1級レベルです。
なので、レベル的にはバージョン4と変わっていません。
質問文が英語だと試験対策で使える
今回から、英文理解度チェックの質問文が英語になりました。
英文を一通り読んだり聞いたりした後、日本語訳を見る前にこの質問文に答えることで、理解度を自己診断できるので便利です。
バージョン4までは、質問文は日本語で、
Q:日本の企業文化の長所として2つ、どのようなことが挙げられているか?
といった感じの短い質問がありました。
でも、バージョン5では、この質問文がすべて英語になっています。また、かなり長めの質問もあります。
これは、TOEICなどの試験の問題文が英語なので、その対策として作ったのではないか?と思います。
その他、見出し語についている☆マーク(☆1つ~3つ)は、TOEICの重要度マークです。
TOEICテストに出やすいかどうか?が基準になっているようです。
これを使って、覚える英単語の優先順位を決めることができるようです。
ただ、僕の場合はテキストはすべて音読トレーニングを使って仕上げます。
記事全体を30回以上音読してインプットすると、記事の中で使われている英単語がストーリーと一緒に丸ごと全部、身体に入ってきます。
なので、あまり「重要度」を意識したことはありません。
どんな人にオススメか?
以上、速読速聴英単語Core 1900のバージョン5の改訂ポイントをお伝えしました。
以上を踏まえた上で、今回のバージョン5がどんな人にオススメか?と言うと・・・
①Core 1900バージョン4以前のテキストを一度仕上げている人
②Core 1900バージョン4を今やっていて、終わった後に最上級レベルの「Advanced 1100」 に行く前の架け橋となるテキストを探している人
③スラッシュがなくても、長文をすいすい読み進められる人
です。
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今のうちにバージョン4をゲットしておこう!
もしあなたが、まだ英字新聞を使ったトレーニングをしたことがなくて、
「いつかはスラッシュのついた良質な英文を収録したテキストを使ってトレーニングしてみたい」
と思っているなら、まだバージョン4の在庫がアマゾンにあるうちに、買って置いた方がいいかもしれません。
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