【「回送列車」って英語で言えなくても、外国人家族に感謝された話】

from 師範代Shinya

先日、妻のサヤと一緒に、北鎌倉にある明月院に行ってきました。

明月院は、「あじさい寺」として有名なお寺です。

6月になると、境内が青いあじさいでいっぱいになり、「明月院ブルー」と呼ばれる景色を見に、毎年たくさんの人が訪れます。

僕たち夫婦も、この時期になると毎年のように明月院へ行って、あじさいの写真を撮っています。

今年もその恒例行事として、サヤと一緒に北鎌倉へ向かいました。

ただ、今回の明月院行きでは、あじさいとは別に、英語学習について大きな気づきがありました。

北鎌倉の一駅前で突然入ったアナウンス

北鎌倉駅まで、あと一駅というところでした。

電車内で、こんなアナウンスが流れました。

「この電車は回送列車となります。この先の駅へは、同じホーム向かい側の電車にお乗り換えください」

正直に言うと、僕は最初、そのアナウンスに気づいていませんでした。

完全に油断していました。

ところが、隣にいたサヤがすぐに気づいて、降りる準備を始めたのです。

そして、その時に近くを見ると、白人系のご夫婦と子ども3人の外国人家族が座っていました。

でも、そのご家族はアナウンスに気づいていないように見えました。

このままだと、降りずにそのまま乗ってしまうかもしれない。

そう思った瞬間、サヤが僕に言いました。

「教えてあげた方がいいんじゃない?」

僕はすぐにその家族のところへ行って、英語で声をかけました。

結果、そのご家族はすぐに状況を理解してくれて、ものすごく感謝してくれました。

こういう瞬間に英語が使えると、やっぱり勉強してきて良かったなと思います。

旅行先で道を聞くとか、ホテルでお願いするとか、そういう自分のための英語ももちろん大事です。

でも、目の前で困りそうな人に、サッと声をかけられる。

これは、英語を学んでいて本当に良かったと思える瞬間の1つです。

僕は「回送列車」とは言っていなかった

そのあと、サヤに聞かれました。

「ところで、さっき何て言ったの?」

「回送列車って英語で何て言うの?」

「同じホーム向かい側の電車って、パッと英語で出てこないんだけど」

たしかに、そう聞かれると気になりますよね。

日本語のアナウンスは、

「この電車は回送列車となります。この先の駅へは、同じホーム向かい側の電車にお乗り換えください」

でした。

これをそのまま英語にしようとすると、けっこう難しく感じます。

回送列車って何て言うの?

ホーム向かい側って何て言うの?

お乗り換えくださいって丁寧にどう言うの?

こんなふうに考え始めると、たぶんその場で止まります。

でも、僕が実際に言った英語を思い出してみると、すごくシンプルでした。

Excuse me, we should get off the train and take the one over there.

これだけです。

つまり僕は、「回送列車」なんて言っていなかったのです。

「ホームの向かい側」なんて言わなくても、目の前に乗り換え電車が見えるんだから、指さしながら over there で十分通じます。

ちなみに、回送列車は英語で表現するなら、out of service train や not in service などと言えます。

同じホームの向かい側の列車は、 the train on the other side of the platform と言えます。

でも正直、僕もその場ではとっさにそんな単語は出てきませんでした。

というより、出す必要もありませんでした。

大事なのは、「この電車は回送列車になります」という情報を完璧に訳すことではありません。

相手に必要なのは、

この電車を降りた方がいい。

あっちの電車に乗った方がいい。

この2つです。

だから、それだけ伝えれば良かったのです。

サヤにそれを伝えたら、

「私だったら、最初に『回送列車って英語で何て言うの?』で詰まっちゃうだろうな」

と言っていました。

まさに、ここが英語がパッと出る状態と、頭の中で止まってしまう状態の分かれ道なのだと思います。

英語が出てこない原因は、単語不足だけではない

英語が出てこない時、多くの人は、

「単語を知らないからだ」

と思います。

もちろん、単語力は大事です。

でも、実際の会話では、単語を知らないこと以上に、

日本語をそのまま英語にしようとしている

ことが原因で止まっているケースが多いです。

今回の例で言えば、「回送列車」という日本語を英語にしようとした瞬間、難易度が一気に上がります。

でも、本来伝えたいことは、

ここで降りる。

向こうの電車に乗る。

これだけです。

もし仮に、僕の頭の中にすぐ、回送列車を表すout of service train や not in service という表現が出てきて、それをそのまま伝えても、あの家族は「え?で、どうすればいいの?」となっていたでしょう。

さらに言えば、白人だからといって相手がネイティブとも限りません。

ノンネイティブの国から来た人だったら、ややこしい言い回しの英語は通じない可能性もあります。

大事なことは、「今、何をすべきか?」をシンプルに伝えることです。

つまり、英語がパッと口から出るかどうかは、日本語を正確に訳せるかどうかではありません。

本来伝えたいことは何か?

それを瞬時に見抜いて、英語で言いやすい形に変える力。

これが大事です。

そして実は、シンプルな言い回しの方が、ネイティブの耳にも「自然な表現」に聞こえることが多いのです。

とっさに意訳する発想力

僕はこれを、「とっさに意訳する発想力」だと思っています。

意訳というと、少し高度な技術に聞こえるかもしれません。

でも、実際にはもっとシンプルです。

日本語の表現に引っ張られずに、相手に必要な情報を英語の形で出す。

しかも、できるだけ短い文で済む言い回しを選ぶ。

これができると、会話の瞬発力がかなり変わります。

英語的な発想は、文化とイメージから生まれる

英語と日本語は、発想の方向がかなり違います。

たとえば、日本語では「心が痛む」と言います。

でも英語では、

It breaks my heart.

と言ったりします。

直訳すると、「それが私の心を壊す」です。

日本語の「心が痛む」とは、イメージの作り方が違います。

また、日本語では「よろしくお願いします」とよく言います。

でも英語には、これにピッタリ対応する万能フレーズはありません。

状況によって、

I’m looking forward to working with you.

Thank you for your help.

I appreciate your support.

のように、言い方が変わります。

さらに、日本語では「お疲れさまです」をいろいろな場面で使います。

でも英語では、相手が本当に疲れているとは限らないので、そのまま訳そうとすると不自然になります。

仕事終わりなら、場面によっては See you や Thank you だけで十分なこともあります。

こういう違いを見ると分かります。

英語は、単語を日本語に対応させるだけでは、とっさのシーンで使えるようになりません。

その背景にある感覚や文化や、ものの見方を少しずつ身につけていく必要があります。

僕を助けてくれたのがイメージ英文法だった

僕自身、英語を勉強し始めた頃は、日本語を英語に直そうとして、よく止まっていました。

アメリカのドラマの「フレンズ」を見ながら、使えそうなフレーズをノートに書き留めて、暗記する。

でも、実際に話す場面になると、なかなか英語が出てこない。

この感覚は、何度も味わってきました。

そこから少しずつ変わっていったのは、英単語やフレーズ、文法を丸暗記ではなく、イメージで理解するようになってからです。

たとえば、前置詞の on は「上に」だけではなく、接触のイメージ。

will は未来の印ではなく、その場で意志が立ち上がる感じ。

現在完了は、日本語の「したことがある」だけではなく、過去と今がつながっている感覚。

こういうイメージが入ってくると、英語を日本語の置き換えではなく、英語の世界の中で組み立てられるようになります。

今回の電車の場面でも、僕は「回送列車」を英語にしようとはしていませんでした。

相手が今すぐ知りたいことは何か?

それを英語で一番シンプルに言うならどうなるか?

その感覚で言葉を出していました。

長年英語を勉強していても、ネイティブのイメージを意識していないと、こういう場面で「回送列車」を英語にしようとしてしまいます。

そして、単語が出てこなくて止まります。

でも、英語的な発想が身についてくると、知らない単語があっても、別の言い方で伝えられるようになります。

これは、英会話でかなり大きな力になります。

英語は、訳す力より「伝える力」

今回、明月院に向かう途中で外国人家族に声をかけた出来事は、ほんの数秒のことでした。

でも、その中に英語学習の大事なポイントが詰まっていた気がします。

英会話は、日本語を正確に訳す競技ではありません。

そこが、学生時代の和訳の授業やテストと大きく違うところです。

もしこれが学校のテストだったら、「回送列車」を正確に訳していない僕のフレーズは、減点対象になっていたでしょう。

でも、大人になってからの英語は、目的が違います。

僕たちにとっての英語は、

「相手に必要なことを、相手が分かる形で伝えるための道具」

です。

もちろん、単語も文法も大事です。

でも、それ以上に、

本当は何を伝えたいのか?

どう言えば英語として自然に伝わるのか?

この視点が大事です。

そして、その視点を育ててくれるのが、イメージ英文法です。

もしあなたが、

文法は勉強しているのに英語が出てこない。

単語は知っているのに会話になると止まる。

日本語を英語にしようとして頭が真っ白になる。

そんな感覚があるなら、一度、文法を「イメージ」で学び直してみるのがオススメです。

英語の見え方が変わると、会話中の反応も変わってきます。

今回のように、「回送列車」という単語を知らなくても、必要なことは伝えられる。

この感覚が身につくと、英語はかなり自由になります。

P.S.

イメージ英文法完全マスター講座では、英語を日本語に置き換えて覚えるのではなく、ネイティブがどんなイメージで英語を使っているのかを、1つずつ丁寧に解説しています。

文法を暗記したのに会話で使えない。

英語を話そうとすると、日本語から訳して止まってしまう。

そんな方には、かなり相性が良い講座です。

今回のような日常の小さな場面でも、英語がパッと出やすくなる土台を作っていきます。

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