from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
前回の記事では、僕が瞬間英作文トレーニングの成果を会話の中で行かせるようになった時の体験談をお伝えしました。
今振り返ると、これができるようになった理由には、いくつかポイントがあります。
そのポイントを知ることが、瞬間英作文トレーニングですぐに成果を感じやすい人と、何年やっても成果を感じにくい人の差を分ける気がします。
今回の記事では、そこを深掘り解説していきます。
それでは、始めましょう。
日本語文をそのまま英語にしようとしていた
瞬間英作文トレーニングの成果が会話で出せなかった頃の僕は、頭の中に浮かんだ日本語文を、そのまま英語にしようとしていました。
たとえば、パーティーに参加するかどうか聞かれて、
「今、迷っているんだよねぇ・・・」
という日本語が頭に浮かんだとします。その時に、
「迷うって英語で何だっけ?・・・そうだ!たしかget lostだ!そしたら、I got lost. でいいのかな?でも、それじゃあ道に迷ったことになっちゃうかな?」
とあれこれ頭の中で考えてしまい、なかなか英語が口から出てきませんでした。
たとえ勇気を出して I got lost. と行っても、残念ながらこの文脈では通じません。
この文脈でよく使われるのは、I’m not sure.(確かじゃない=まだ分からない=迷っている)という表現です。
言われてみれば、I’m not ~を使った第2文型の瞬間英作文は、最初の方でやっています。
でも、「それをここで使う!」という発想が生まれないのです。
僕が瞬間英作文トレーニングで成果を感じられるまでに1年半かかったのは、この発想がなかったのが理由でした。
変わったきっかけ①音読ストックが積み上がった
では、どうやってその発想が生まれるようになってきたか?というと、1つ目は、僕はそれまで瞬間英作文トレーニングと並行して続けていた「音読」です。
音読トレーニングで「ストーリー性のある英語例文」を使って新しい表現をインストールし続けた結果、そのストックが臨界量に達した時に、急に瞬間英作文トレーニングと結びついた感じがしました。
「そういえば、音読の素材の例文の中で、パーティーの場面が出てきたな。
そこで『彼が来るかどうか』聞かれた時、He is not sure. という表現が出てきたな。
今は自分が来るかどうか聞かれてるわけだから、主語を I に変えて、I’m not sure. で言ってみるか!」
という感じです。
この発想ができるようになるまでには、ある程度の量の「場面別英語ストック」が必要です。
音読で、「英語っぽい言い回しの発想」と「そこで使われるボキャブラリー」の両方のストックが積み上がった時に、瞬間英作文トレーニングで磨いた力を100%発揮できるようになりました。
僕の場合は、そこまで行くのに1年半かかったわけです。
でも、人によっては数ヶ月~半年でそこまで行ける人もいます。
特に海外のドラマや映画が好きで、色んな表現を日常的に見たり聞いている人は、この英語発想がすでに脳内ストックされているケースが多いです。
その状態で瞬間英作文トレーニングをすると、過去にインプットしたフレーズを瞬時にカスタマイズして、英会話の中で出せることがあります。
変わったきっかけ②言いたいことをあきらめた
もう1つ、僕が変わったきっかけは、「日本語で言いたいことを、全部伝えようとするのをあきらめた」ことです。
たとえば、ネイティブの先生に、
・What are you going to do this weekend?(今週末なにする予定?)
と聞かれたとします。
その時に、自分の頭の中にこんな日本語が浮かんだとします。
↓↓↓
「今週末は、ダンス仲間と集まって一緒にスタジオを借りて練習するつもりだよ。」
これを全部日本語にしようとすると、けっこう大変です!
・集まるって英語で何て言うんだっけ?
・スタジオの前に付く前置詞は、at かな? inかな?
・そもそもスタジオってそのままで通じるのか?和製英語かな?
などなど、色んなことをグルグル考え始めてしまい、英語が口から出て来なくなります。
でも、言いたいことを全部言うのをあきらめて、
「予定を言うのは be going to だから、その文型だけ使って言おう」
と決めます。そして、
I’m going to practice dancing with my friends.
(友達とダンスの練習をする予定だよ)
ぐらいの文章をサクッと言った方が、スムーズに会話が進みます。
何なら、後半の with my friends を抜いてもいいぐらいです。
むしろ、補足情報をごちゃごちゃ言わない方が、英語では自然に聞こえるケースが多いです。
英語は「場面描写」が必要ない
先ほどの文章では、「スタジオ」という言葉を入れる必要はありません。
なぜなら、英語は日本語と違って「場面描写」があまり必要ではないからです。
日本語は「私は」とか「あなたに」といった、主語や目的語を省く言語です。
その分、「場面描写」を重視します。
日本語では最初に、「昨日さ~、職場でね、」というように時間と場所から話し始めます。
これは、場面を先に描くことで、主語や目的語がなくても通じる下地を作っているからです。
でも、英語ではこういう発想はないので、場面描写が重視されません。
そのため、yesterday とか、at the office のような表現は、一番後ろに持ってきます。
そもそも言わないことすら多いです。
英語では場面描写よりも、「誰が」「どうした」「何を」という、主語と動詞と目的語の3つが重視されます。
だから、僕たち日本人にとっては、「言いたいことをあきらめる=場面描写を捨てる」ぐらいの方が、むしろ自然な英語になるのです。
僕はそのことに気付くまでに、1年半かかりました。
でも、人によってはこの発想がすでにある場合があります。
英会話の経験が豊富だったり、海外ドラマや映画をたくさん見ていて、英語的な発想が何となく理解できているケースです。
その場合、瞬間英作文トレーニングの成果をすぐに英会話の中で活かすことができます。
僕の動画コースの受講生の中では、最短で1週間で「瞬間英作文トレーニングの力を英会話の中で出せました!これ最高に使えますね!」という報告をくれた方もいました。
瞬間英作文トレーニングの成果を英会話で出すための2つのポイント
もしあなたが、瞬間英作文トレーニングを長期間続けてもなかなか英会話に活かせないと感じている場合は、今回の僕の体験談でお伝えした2つのポイントを意識してみてください。
ポイント①
音読で「場面別の言い回し例」のストックを増やす。音読に加えて、海外ドラマや映画を見るのも効果的。
「へぇ〜!ここではこの文型でこの言い回しを使うんだ!」
という発見体験を繰り返すことが大事。
ポイント②
日本語で言いたいことを全部言おうとしない。文章はできるだけシンプルに。SVOが言えればOK!と考える。
以上2点を意識してみてください。
瞬間英作文トレーニングは確実に効果のあるトレーニングです。
もし、今まだ英会話に活かせていないと感じても、焦らずじっくり続けてみてください。
確実にストックはあなたの中に積み上がっていきます。
そして、あなたが上記の2つのポイントを意識できるようになった時、急に英語が口からあふれ出てくるような感覚を味わうことができます。
「頭の中に浮かんだ日本語文を、そのまま英語にしようとしない」
これが、瞬間英作文トレーニングを英会話に活かす方法です。
次回の記事では、音読と瞬間英作文トレーニングとイメージ英文の3つを続けた結果、僕の英語力がどう変化したのか?それによって人生にどんな変化が生まれたのか?をお伝えします。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)