【子どもの母国語習得観察日記②日本語オノマトペの数は世界一】

From  師範代Shinya(新村真也)
 

(→前回のつづき)

前回の記事では、「日本語はオノマトペをフル活用して動詞のニュアンスを変える」という話をしました。

・チラチラ見る

・ジロジロ見する

・キョロキョロ見る

など、組み合わせ次第で色んなバリエーションができます。

でも、英語では別の動詞を使って再現します。

・チラチラ見る = glance

・ジロジロ見する = stare

・キョロキョロ見る = look around

などです。

実は、日本語のオノマトペは、世界で最も種類が多く、用法が複雑らしいのです。

日本語オノマトペの数は世界一

一説によると、日本語のオノマトペの種類は、世界一とも言われています。

その数はなんと、4,000~5,000語近くもあるそうです。

対して英語のオノマトペの数は、約150語と言われています。

約30倍の差です!

日本語のオノマトペを英語に変換するのは、数が多いところから絞り込む作業になるので、割とラクです。

「この表現は、英語にはない。だから、英語では言わなくてOK!」

ということで、処理できます。

でも、逆パターンは難しいでしょう。

日本語を学んでいる外国人にとって、最もキツい難関として立ちはだかるのが、オノマトペだそうです。

「この表現に対応する英語はないけど、日本語にはあるから覚えましょう。」

と言われても、そのニュアンスをつかむのには苦労します。

英語で言うところの「現在完了形」に当たるのではないでしょうか。

現在完了は、日本語の動詞の型には存在しません。

だから、コアになるイメージをつかんだ上で、色んな例文に触れて感覚的に覚える必要があります。

これと同じことが、外国人にとっての日本語オノマトペにも言えるのです。

以前、僕の友達で日本語検定1級を持っている外国人が、

「難しい漢字が読めるようになっても、日本語の日常会話で出てくるオノマトペにはお手上げ状態になる」

と嘆いていました。

英語に変換できるオノマトペ150種類に加え、残り4,850種類の日本語オノマトペを、感覚的に身に付けていく必要があるからです。

日本人は何歳でオノマトペをマスターするのか?

先日のオンラインレッスン中に僕と生徒さんたちで話題になったのは、

「日本人は、何歳ぐらいでオノマトペをマスターするのか?また、どうやって身に付けていくのか?」

ということです。

僕はその話題が出た後から、娘のオノマトペ習得日記を付けることにしました。

そしたら、意識し始めてからわずか1週間後に「カリカリ」という言葉を発してきました。

これは本当に驚きです!!

僕は一度もカリカリという表現を教えていません。

おそらく保育園で身に付けたと思われます。

でも、いったいどうやって?

みんなで給食を食べている時に、先生や年上の子ども達が「このパン、カリカリだね」みたいに言っているのを聞いたのでしょうか。

カリカリという感覚は、言葉では説明しづらいです。

感覚で覚えるしかありません。

実際にカリカリのものを食べながら覚えるしかないでしょう。

おそらく、食事中に覚えた言葉だと思われます。

ちなみに、娘はカリカリの反対語はまだわからないようで、ジャムが染みこんでしっとりしている自分のパンを指さしながら、

「ふーちゃんのパンはカリカリじゃない」

と言ってきました。

そこで僕はすかさず、

僕:「ふーちゃんのパンは、しっとり。言ってごらん。しっとり。」

と言いました。

すると、

娘:「しっとり。ふーちゃんのパンはしっとりだよ。」

とリピートしてきました。

さすがにこの1回のやりとりだけで、「しっとり」という単語を完全に覚えられるとは思えませんが、次に娘が何かに対して「しっとり」という言葉を使ってくる日がいつかを記録していこうと思います。

「フワフワ」は早期にマスター

ちなみに、娘はすでにだいぶ前から「フワフワ」という言葉は知っています。

いつもお気に入りの大きいタオルを家の中で持ち歩いて、しょっちゅう顔にすり付けて落ち着いています。

そのタオルのことを「フワフワ」と呼んでいるのです。

まさに顔の感覚で覚えているのでしょう。

そんなことを繰り返しながら、あと4,998種類も覚える必要があるのです。

そう考えると、やはり子どものうちは「日本語を先にしっかり身に付けてから、英語を学ぶ」という順番の方が、日本で暮らすなら良いような気がしてきました。

もちろん、両方同じぐらいのペースで身に付けられたら、それが理想ですが。

ということで、今回の気付きとしては、

・オノマトペは2才児でも使いこなせる

ということが判明しました。

今後、娘の手持ちオノマトペがどんなペースで増えていくのか?

観察し続けていこうと思います。

また何か気付いたらシェアしますね。

 

(完)

 

p.s.今回のブログは息抜き記事ですが、あなたに英語のお悩みがある場合はこちらの動画セミナー一覧が役に立つかもしれません。

※このブログに読者登録をしていただくと、最新の記事を1日1回、メールでお届けします。読者登録はこちらをクリックしてください。
    ↓↓↓

 

 

From  師範代Shinya(新村真也)

やり直し英語達成道場 師範代)

※もくじは、こちら

自己紹介は、こちら

こちらですアップ

 

 

 

 

師範代Shinyaの書いた本

↓↓↓

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください