【子どもとのやりとりは、英会話と同じ④】

 from 師範代Shinya

(→前回の続き)

娘の反応を見ながら、僕は自分が英会話スクール講師に転職した時に一緒に働いた、アメリカ人男性の同僚のAさんとの体験を思い出しました。

もう16年前の話で時効だと思うのでシェアしますが、当時そのAさんは、職場で浮いている状態でした。

そこでは、ネイティブ講師はAさん1人だけで、僕を含めた他3名は日本人講師でした。加えて、マネジメントの日本人スタッフが2名。

つまり、日本人5人の中に、ネイティブ1人という図式だったのです。

ちなみに、僕とAさん以外は全員女性でした。

僕は入ったばかりなので、最初は何も知りませんでしたが、すぐに異変に気付きました。

昼休みなどの時間に、誰もAさんに話しかけないのです。

てっきり、昼休みの先生たちの部屋では、英語が飛び交っているのかと想像していたので、意外でした。

その後しばらくして分かったのですが、どうやらAさんの言動を他の日本人スタッフは理解できないらしく、

・わがままだ

・自己中

・何を考えているのか分からない

というキーワードが飛び交っていました。

まさに僕が今、2才のイヤイヤ期の娘に対して感じている気持ちとまったく同じだったのです。

言葉が分からなくても、雰囲気は伝わる

Aさん自身も、自分が嫌われているのが分かっているらしく、あえて自分からカベを作っているようでした。

Aさんは、文字通り「カベに向かって」身体を向けて、誰にも話しかけられないようにしてランチを食べていました。

そんなAさんの姿を見て、他の日本人の同僚たちは、Aさんの前で日本語で文句を言っていたのです。

僕の驚いた表情を見て、

「あぁ、Aさんはまったく日本語が分からないから問題ないですよ。」

と言っていました。

でも、さすがに雰囲気で悪口を言われていることぐらい、分かるんじゃないのか?と僕は思いました。

自分の悪口を言われると、まだ言葉が分からない子どもでも察するようです。

実際に、僕の娘がまだゼロ才の時に、娘の悪口(というか世話が大変だというグチ)を妻の前でこぼすと、なぜかその瞬間に娘が泣き出すことがよくありました。

「え?まさか言葉が分かっているのかな?」

と驚いたものです。

赤ちゃんでさえも察するんだから、あの時のAさんも「自分が日本語で悪口を言われていること」を分かっていた確率は高いでしょう。

僕はAさんが孤立している状況を見て、「これは相当こじれているな~」と感じました。

現状だけ見ると、日本人全員で外国人スタッフに対してひどい対応をしているように見えます。

ただ、最初からこうだったわけではなく、ここに至るまでにはきっと、過去に色々あったんだろうことが予想できました。

また、今思い返すと、男女の脳の違いもあったと思います。

男女脳の違い

女性は男性に比べてコミュニケーションを重視する傾向があります。

そのため、コミュニケーションを断たれることが、最も精神的なダメージを負うことになるのです。

おそらくAさんがまったく心を開かないことで、同僚女性たちは自分が拒絶されていると感じて、「だったら私たちも同じ事をしてやる!」となって、無視するモードに入っていたのかもしれません。

それまでの経過を見ていない僕には、善し悪しをジャッジすることはできませんが、当時の僕はけっこう衝撃を受けました。

というのも、日本人で僕より流ちょうに英語が話せる講師の人たちが、「外国人の同僚の言動が理解できない」と、さじを投げている状態だったからです。

英語がある程度のレベルに達した人たちは、異文化に柔軟に対応して、違いを楽しめるぐらいのマインドを手に入れていると思っていたので、意外でした。

僕がこれまで接してきた「日本に住んでいる外国人」には、大きく3パターンあります。

日本在住外国人の3パターン

①日本文化に積極的に馴染もうとする姿勢がある人。日頃から日本語も勉強して、必要最低限のフレーズは使える。

②日本文化にまったく馴染もうとしない人。日本語もまったく勉強せずに、ひたすら英語だけで日本の生活を切り抜けようとする。

③日本文化に積極的に馴染もうとする姿勢がある人。ただし、日本語の勉強はせずに、英語を話せる日本人の友人をたくさん作り、快適な生活環境を実現する。

この3パターンのうち、当時のAさんは明らかに②でした。

日本人にとって、①&③の外国人と仲良くするのはカンタンです。

でも、②のタイプの人と仲良くするのは、けっこう忍耐力が必要になります。

②のタイプの人に対する日本人側の対応も、大きく3パターンあります。

外国人に対する日本人の思考3パターン

パターンA:日本に住んでるんだから、日本語ぐらい勉強するべき。日本文化にも積極的に自分が従っていくのが礼儀。だから私は、この人には合わせない。合わせるべきは、相手の方!という考え方。

パターンB:これは異文化を学ぶチャンス!私は日本人だけど、相手の文化に合わせてみよう。という考え方。

パターンC:自分は英語話せないし、外国人怖いし、よく分からないから関わらないでおこう。という考え方。

当時の僕は、パターンBの考え方でした。

そして、僕の周りの日本人の同僚たちは、パターンAの考え方でした。

一見、パターンBが一番柔軟でよさそうに見えます。

今でも基本の姿勢は変わりません。

ただ一方で、あれから16年の歳月の間に、

「日本に住んでいるのに、日本文化にまったくリスペクトがない外国人」

と接する体験も何度もしてきたので、今ではパターンAの人たちの言い分も理解できます。

また、自分の英語に自信がなければ、パターンCになるのも当然だと思います。

ただ、当時の僕はパターンAの人たちを敵視して、「せっかく英語が話せるようになったんだから、パターンBを取るべき!」という正義感に駆られていました。

そこで僕は、その職場でアメリカ人のAさんサイドに付くことに決めたのです。

そうなれば、自分も一緒に職場で他の日本人女性たちに無視される側になるかもしれないリスクがありました。

でも、それでも良い!と覚悟を決めました。

僕は以前の職場のジーンズショップでも、転職直後に一番年上でベテランのパートさんに露骨にいじめられたことがあります。

その時にも精神が削られるような長期戦に耐え抜きました。

そんな経験があったので、「今回もいけるはず!」という確信があったのです。

そして僕は、Aさんと仲良くなる道を選びました。

 

・・・つづく

 

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