from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
イメージ刷り込み式英語鍛錬を始めてから2年後、僕はカナダのバンクーバーにビジネス留学すると決めました。
ビジネスコースの応募の必要条件である「TOEIC735点」を取るために、僕は2つの新しいトレーニングを始めました。
①多読トレーニング=目的:英文の読みのスピードアップ
②TOEIC模試を解く練習=目的:テストの問題形式に対する慣れ
これまでの音読&瞬間英作文トレーニングに加えて、この2つを増やしたのです。
とはいえ、いきなりモーレツに勉強時間を増やすことはしませんでした。
ゆっくり少しずつ時間を増やしていく
まずは、多読トレーニングを1日20分。
慣れてきたら、徐々に増やしていき、トータル40分にしました。
(※多読トレーニングの詳しいやり方は、少し先に書いてあります)
また、TOEIC問題集もいきなり長時間やるとイヤになってしまうので、ゲーム感覚で楽しめる方法を探しました。
まずはニンテンドーDSの本体を買って、「TOEIC公式問題集」のソフトを買いました。
TOEIC公式問題集のソフトは、1問ずつ進めながら正解を確かめることができるので、まずはゲーム感覚で1日5分から始めました。
慣れてきたら、ソフトのプレイ時間を徐々に増やしていき、1日30分程度は集中力が持つようにしました。
徐々に慣らすと、抵抗が起きない
人間の脳には、「現状維持装置」が備わっています。
今までの生活の中でやったことのないことを急にやり始めて習慣にしようとすると、抵抗感を感じて、元の生活に戻そうとする力です。
現状維持装置は強力です。
なかなか振り払うことができません。
現状維持装置をごまかすためには、1日少しずつ時間を増やしていき、徐々に慣らしていくことです。
TOEICの点数アップの期限が3ヶ月しかないからこそ、僕は最初の時期を丁寧にゆっくり進めました。
その結果、1ヶ月目が終わる頃には、トータル1時間以上に増やすことができました。
多読トレーニング
ちなみに、多読トレーニングというのは、自分にとってラクに読めるレベルの英文で書かれた本を、大量に素早く読み進めるトレーニングです。
分からない部分があっても、返り読みをせずにそのまま読み進めます。
ひたすら目を左から右へ向かって一方通行で動かすトレーニングです。
やり方はシンプルですが、効果は絶大です。
僕たち日本人は、学校の英語の授業で「ミスをしてはいけない」「ちゃんと理解しないとダメ」という考え方を教わっているので、多読トレーニングは最初は抵抗が出てきます。
でも、続けるうちに慣れてきて、快適に読めるようになってきます。
当時の僕は、この3種類の多読用のテキストを使って読み進めました。
①ペンギンリーダーズ
②オックスフォードブックワームズ
③ラダーシリーズ
すべて、レベル1からスタートしました。
ボキャや文法が制限された本とはいえ、英語だけで書かれた本を読んだのは初めてだったので、楽しく読めました。
「英語だけで書かれた本を読んでいる、カッコいい自分」
という姿が気に入っていました。
目標点数を無事突破!!
いよいよTOEIC本番。
多読トレーニングの効果がてきめんに出ました。
英文を返り読みしたくなる誘惑を抑えて、どんどん先へ進むことができたのです。
先へ進めば進むほど、自分が解ける問題に出会う確率がアップします。
TOEICは先へ進むほど問題が難しくなる仕組みではないからです。
先へ進むスピードが上がった結果、リーディングの問題の正解率が増えて、総合得点が上がったんだと思います。
新しくやった多読トレーニングと問題集の慣れのおかげで、僕は無事、目標点数の730点を突破することができました。
ギリギリラインの735点でしたが、合格には変わりありません。
電話インタビューも無事突破!
カナダのビジネス留学コースを受けるための、もう1つの条件である「電話インタビュー」も、問題なく合格することができました。
電話がかかってくる当日は、めちゃくちゃ緊張しましたが、実際のトーク内容はそんなにかしこまったものではありませんでした。
軽いあいさつのやりとりと、自己紹介、そして自分がなぜこのビジネスコースを受けたいのか?といった内容を英語で聞かれました。
すべて用意しておいた答えだったので、スムーズに答えられました。
電話インタビューでは、音読と瞬間英作文トレーニングで鍛えた発音が役立ちました。
最後に、「あなたの発音は聞きやすい。Good job!」みたいなことを言われて、僕は内心「これは受かったか?」と思いました。
そして予想通り、受かることができました。
積み上げてきた英語力は嘘をつかない、と僕は思いました。
そして僕は、生まれて初めての海外がいきなり「3ヶ月滞在」という形で、不安と期待が入り混じった心境で日本を飛び立ちました。
英語を始めたことで、数年前にはまったく想像もできなかった世界に飛び出すことになったのです。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)