from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
イメージ刷り込み式英語鍛錬を続けて2年ほど経った頃、僕は自分の英語力がメキメキと伸びてきているのを、自分でも感じるようになりました。
瞬間英作文トレーニングは、第1ステージが終わって、次のステージに入っていました。
実は第1ステージが終わった時点で、中学英語の範囲内ならけっこう話せるようになっていました。
もちろん、複雑な構文を使って長い文章で話すことはできませんでしたが、この頃には、
「長い文章を使わなくても、言いたいことはとりあえず伝えられる」
と実感できていました。
僕がやっていた瞬間英作文トレーニング用のテキスト「中学英語で24時間話せる」のタイトルは、大げさではなく真実だったのだと気付きました。
音読トレーニングの成果も出てきて、リスニング力やボキャブラリーがどんどん増えていくのを感じていました。
「音読トレーニングで積み上げた英語ストックを、瞬間英作文トレーニングで開いた回路に乗せて口から出す」
という状況が実現し始めたのです。
憧れていた自分になれた喜び
この頃になると、仕事の話や恋愛の話など、けっこう深い部分まで突っ込んだ英会話ができるようになってきました。
自分が初心者の頃に「こんなことを英語で話せたら良いのになぁ~」と憧れていた内容が、話せるようになったのです!
そうなると、すごく楽しくて、外国人バーに行くのがワクワクするようになりました。
僕は、それまで頻度を落として月1~2回程度に抑えていた外国人バー通いのペースを、週1ペースぐらいに戻しました。
外国人バーでの英会話は、仕事上のストレスを軽減するのにとても役立ちました。
当時のジーンズショップの店長の仕事は激務で、お客さんの苦情処理や上司と部下の板ばさみ状態になって、精神的にキツくなる時期も多くありました。
そんな時には、仕事が終わって気晴らしに、外国人バーに行きました。
視点が高くなるイメージ
バーで海外出身の人達と話していると、急に視点が高くなるのを感じました。
僕が通っていた外国人バーには、イタリア人、アメリカ人、カナダ人、オーストラリア人、イラン人、インド人など、本当に色んな人種の人達が集まっていました。
英語という共通言語があれば、色んな国の人達と意思疎通できるインパクトを実感しました。
世界の国々の人達と会話していると、それぞれの国の文化の違いを直接知ることができました。
テレビや雑誌で得た情報ではなく、その国の人から直接聞く情報は、すごいリアリティーがあります。
働き方も国によって違うし、理想的な生き方や成功の定義も、文化によって全然違います。
そういうことが分かると、僕の頭の中にはこんなイメージがわき上がってきました。
↓↓↓
今いる外国人バーから、ちょっと上の視点に切り替わります。
Googleマップのような感じです。
そのまま視点が上がり続けて、だんだんこの街全体を見下ろす視点になります。
そして、日本全体が映るまで視点が高くなり、最終的には世界全体が見えます。
丸い地球を宇宙から眺めているような視点です。
文字通り、「視野が広がっていく」感じです。
地球全体を眺めていると、今日の自分の身の上に起こったことが、ごく小さなことに過ぎないと感じます。
世界から見れば、特殊な文化を持つ小さな島国の日本の中の、さらに小さな静岡県の中の、さらに小さな街の中にある、ちっぽけなお店の中で起こった出来事など、この世の流れに何の影響も与えていない・・・
そう思えると、一気にストレスがなくなって気分が軽くなっていくのを感じました。
「そんなの現実逃避じゃん」
と言う声も聞こえてきそうですが、ストレスが減るなら、価値アリです。
妄想ではなく現実
それに、これは妄想の世界に逃げているのとは違います。
実際に世界の国々の縮図のような外国人バーに行って、そこにいる色んな国の人達と会話して、その人達の考え方や生き方を直接聞いた内容は、妄想ではありません。
現実に、日本の外の国々で起こっていることです。
実際に自分とは違う考え方と生き方をしている人達がいて、その人達が目の前に実在しているのですから。
このインパクトは、僕のその後の生き方や考え方に、大きな影響を与えました。
新しい夢
そんな生活を続けるうちに、僕の心の中にだんだん新しい夢が芽生えてきました。
「今までとは違う生き方をしてみたい」
「思い切って日本を飛び出してみたい」
という夢です。
理由は2つあります。
1つ目の理由は、西洋のビジネス文化に魅了されたからです。
サービス残業がなく、定時で帰るのが当たり前で、職場の飲み会もない。
そんな実話をアメリカ人やカナダ人の友達から聞かされているうちに、僕は、
「日本の常識は海外の非常識なのでは?海外のビジネス文化の方が、自分の性格に合っているのでは?」
と思うようになりました。
2つ目の理由は、自分の英語が海外で通用するのか?見てみたいと思ったからです。
この頃には、僕の中で「英語で話すこと」が特別なことではなくなってきました。
でも、話す相手はあくまで日本にいる外国人です。
ここは自分のホームで、相手にとってはアウェイです。
当然、外国人は地元の日本人の僕には良く接してくれるだろうし、日本人の話す英語にも慣れているでしょう。
僕は自分が普段、ぬるま湯の中で英会話をしているのでは?と思うようになりました。
でも、もし自分が相手の土俵で戦ったら、どうなるだろうか?
自分が海外に出て行って、ビジネスの現場やお店の買い物などで英語を使ったら、どうなるんだろう?
そういう疑問が浮かんできたのです。
僕はそれまで、海外旅行をしたことが一度もありませんでした。
だから、海外の雰囲気を肌で感じたことがありませんでした。
でも、せっかくここまで英語ができるようになったんだから、一度は海外に出てみたい!と思い始めました。
そしてどうせ出るなら、旅行者としてではなく、留学するか働きたいと思いました。
やり直し英語を始めた時には、まったく予想すらしていなかった夢ができたのです。
「海外で生活してみたい!」
その思いは、日に日に強くなっていきました。
そして、もう抑えられないほどになっていきました。
僕は、それまで7年間務めたジーンズショップの店長の仕事を辞めて、海外に行く計画を練り始めました。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)