【外国産の世界最大カブトムシを触れるイベント④変な英語アナウンスの間違い探し正解発表】

from 師範代Shinya

(→前回のつづき)

「イベント会場に用意された昆虫たちを触って楽しむ時間」に流れた英語のアナウンス。

↓↓↓

Please start interacting with insects now. Please enjoy!

(「それでは今から、昆虫との交流をお楽しみください。」の日本語の直訳と思われます)

この英文で、おかしな部分はどこだと思いますか?

英文をじっくり眺めて考えてみてください。

ネイティブがこれを聞いて「ん?」と感じるポイントは、トータル3つあります。

1つ目は前回お伝えした通り、interacting という英単語チョイスです。

これでは、「双方向のやりとり」になってしまうので、まるで昆虫と意思疎通をしているかのように聞こえてしまいます。

次に変な場所はどこでしょうか?

正解発表

1つ目の変なポイントは、「insects」の部分です。

ここは、the insects にしなければなりません。

the のネイティブイメージは、「お互いにどれのことを指すのか分かっている状態」です。

昆虫はすでに会場側が用意していて、目の前にいるわけです。

お客さんもどの昆虫を触ればいいか分かっています。

こういう時には、the を使います。

では、もし the がないと、ネイティブの耳にはどう聞こえるのでしょうか?

名詞の複数形で、the がない場合、「その種族全体」を指します。

たとえば、「私は犬好きです。」という場合に、

I like dogs.

と言います。これは、特定の犬を指しているわけではなく、犬という種族全体が好きと言っているわけです。

このように、like の後ろに持って来る名詞は、the がなくても良いのですが、今回のアナウンスのように、

Please start interacting with insects now. Please enjoy!

と言ってしまうと、「双方向の意思疎通をする相手が、昆虫という種族全体」に聞こえてしまうのです。

つまり、「地球上の昆虫たちすべてとの交信」というように聞こえます。

スゴい能力ですよね!(笑)まるで、風の谷のナウシカみたいです。

これが、1つ目の変なポイントです。

次は、2つ目です。

now の使い方

この英文では、「now」 の位置が微妙です。

もし文頭に now を持って来れば、「さあ!」という単なる呼びかけに聞こえます。

でも、文末に置くと、now 本来の意味が強調されるので、「今すぐに!」と急かされている感覚になります。

決して遅れないように!今すぐに!という感じです。

このニュアンスも付け加えてネイティブの耳にどう聞こえるかというと、

Please start interacting with insects now. Please enjoy!

地球上の昆虫すべてとの交信を始めてください。今すぐに!遅れないで!さあ、楽しんで!!

という感じです。

かなり変なメッセージに聞こえますよね。

ネイティブの反応

これをネイティブの先生に聞かせてみたところ、やはり爆笑していました。

と同時に、

「日本はミステリアスな国だから、逆にこれは良いかもしれない。」

とも言っていました。

これを聞いた西洋人は、

「日本人が本当に昆虫たちと意思疎通できる人種なのか!」

と思う可能性があるそうです。ついでに、

「それって、最高にクールだと思うけどね!」

とも言っていました。

ネイティブだったこう言う

ちなみに、僕はネイティブの先生に状況を詳しく説明して、もしこの英語アナウンスをネイティブが作ったらどうなるか?教えてもらいました。

正答例はこちらです。

↓↓↓

You may start spending time with the insects!

昆虫たちと過ごす時間を始めてください(直訳:始めても良いです)

Go ahead and enjoy feeling the insects!

どうぞ昆虫を触るのを楽しんでください。

どちらも the がついていますよね。

あと、Please や now が使われていないことにも注目してください。

Please の代わりに、 Go ahead や、You may が使われているのが面白いですよね。

ただ、それでもこれを初めて聞いたネイティブは「え?昆虫を触って楽しむ?」と混乱するだろうと、アメリカ人の先生は言っていました。

そもそも文化が違う

そもそも、「お金を払って昆虫を触る」という文化が、日本以外の国にはありません。

虫を含めた、自然に対する愛着心の強さは、おそらく日本独特のものだと思われます。

その証拠に、外国人客は一人もいませんでした。

場所はお台場なので、エリア全体で見ると外国人がめちゃくちゃ多いです。

お台場エリアですれ違う人達の4組に1組が外国人観光客っぽい人達でした。

でも、昆虫ふれあいイベント会場には、長蛇の列の中に外国人観光客は一人もいませんでした。

せっかく会場側が用意した英語アナウンスも、直接役に立つことはないかもしれません。

でも、アナウンスはイベント会場の外側のエリアまで響き渡っていたので、おそらく外にいる外国人観光客の耳には聞こえていたはずです。

5分おきに聞こえる

「Please start interacting with insects now. Please enjoy!」

のアナウンスを聞いて、彼らがどう感じていたのか?

「あそこで、何か謎の儀式が行われているみたい。日本人がお金を払って、昆虫とコミュニケーションを取っている。未来予知かなにかだろうか?」

と思っていたかもしれません。

そして母国に帰った時に「ミステリアス・ジャパンの1つの体験談」として、この話を周りにすることでしょう。

今回改めて、英語と日本語の文化の違いを体感しました。

そして、先進国の中でもかなりユニークな文化を持つ日本を、ちょっと誇りに思いました。

(完)

 

P.S.
ちなみに、アトラスオオカブト&ニジイロクワガタとの交流タイムは、めちゃくちゃよかったです!今年はもう終わってしまいましたが、小学生ぐらいまでのお子さん&お孫さんがいる方にとっては、連れて行く価値アリだと思います。

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