from 師範代Shinya
※僕が高校時代に所属していた剣道部で経験した「叱る依存システム」の体験談の続きです。
「おまえら!何やってんだ!!これは剣道部始まって以来の失態だぞ!1年坊が試合会場を抜け出して、ゲーセンで遊んでるなんて!!」
I先輩が、大きな声で言いました。
その時、僕とA君の頭の中にあったのは、「申し訳ないという気持ち」よりも、
「なぜこのゲームセンターにいることがバレたんだ?こっそり抜けて、こっそり戻るつもりだったのに・・・」
という疑問でした。
今振り返ると、おそらくこれが、「叱ることで教育しようとする」ことの弊害だと思います。
叱られてばかりいる人の脳内は、「防衛モード」に入るため、原始的な「危機回避の機能」を最優先します。
道徳や忠誠心ではなく、自分の身の安全を最優先するようになるのです。
もちろん、どんなに厳しく叱られても、道徳や忠誠心を保てる人もいるでしょう。
実際に、当時の2年&3年生たちは、叱られることに耐えながらも、部に対する忠誠心を失わずに生き残ってきたわけです。
でも、この本によると、そういう「叱る依存の環境で学びや成長の意欲を失わない人達」というのは、少数派だそうです。
少数派の人達が、「私は、叱られて伸びた!」「あのとき叱ってくれた恩師に感謝している」といった武勇伝を発信するので、それが常識のようになってしまっているようです。
僕とA君のバックグラウンド
ただ、それは僕とA君より下の世代には通用しませんでした。
実際に、その後僕らの後に入ってきた新入生は、最初は15人も入部したのに、1ヶ月でたったの3人しか残りませんでした。
まだ1年生はそんなに叱られていなかったのですが、先輩である僕とA君が厳しく叱られたり、体罰を受けているのを見て、「自分は耐えられる自信がありません・・・」とつぶやいて、辞めていきました。
おそらく、僕とA君の世代で、「叱ることの有効性」が大きく変わったんだと思います。
また、剣道への愛着心も関係しているでしょう。
先輩たちはみんな、小学校や中学校から剣道を続けてきたバックグラウンドがあり、剣道に対する愛着があるのに対して、
・僕は、高校入学まで武道歴ゼロのド素人。中学時代は帰宅部で、上下関係の中で生きた経験なし。
・A君は、中学から剣道をやっているけど、厳しい上下関係が大キラいで、もう辞めようかと検討中。
という、特殊な状態でした。
そのため、いきなり「叱る依存が当たり前の環境」に放り込まれた僕らの脳は、対応できなかったのです。
「叱る依存」の弊害は、先輩達にも!
話をゲームセンター事件の時に戻します。
2年生のI先輩に捕まった僕とA君は、会場へ連れ戻されていきました。
道中静かにしていたA君が、口を開きました。
A君:「I先輩、なんで俺たちがゲーセンにいるって分かったんですか?」
I先輩:「分かるに決まってんだろ!おまえらが行く先なんて、ゲーセン以外にあるか!」
A君:「ふっ!さすがっすね。やられました。」
I先輩:「やられましたじゃねーよ!おまえら、これは前代未聞の出来事だぞ!先輩の試合の日に、1年が抜け出してゲーセン行くなんて・・・しかも今日は、OBのT先輩も来てるってのに・・・」
A君:「俺ら、またヤキ入れられるんですか?」
I先輩:「当たり前だろ!今までで一番キツいヤキだろうな。」
A君:「あ~、そうっすかぁ・・・」
I先輩:「そうっすかじゃねーよ!俺もただでは済まないだろうなぁ・・・監督不行き届きで責任取らされるかもしれねぇ・・・あぁ、おまえら、何てことやらかしてくれたんだ!もう!!」
A君:「すんませ~ん。」
A君は、いつも調子でのらりくらりとしていました。
一方で、僕は恐怖と緊張で一言も口を開けませんでした。
この先、起こるであろう壮絶なヤキ入れを想像しただけで、足がガクガク震えてきました。
特に、ふだんから超怖いOBのT先輩が、自分たちをどんな風に叱ってくるのか?
まったく予想できません。
今思い返すと、I先輩の脳も「防衛モード」に入っていたようでした。
I先輩自身が、3年生や先輩たちやOBのTさんから厳しく叱られることに怯えて、どうしたら良いか分からず、思考停止になっているように見えました。
ところが、この後、事態はまったく予想外の方向に展開していきました。
・・・つづく。
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