from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
最近、すごく話題になっているAIおしゃべりツール「ChatGPT」のレビューの続きです。
ChatGPTの最大のウリは、「文章をゼロから作り上げられること」です。
英単語の意味を調べたり、翻訳したり、文法ミスをチェックしたりするのは、Googleや他のAIツールでもできます。
でも、文章をゼロから作り上げる能力は、今のところChatGPTが一番優れているようです。
僕はこれまで数日間、ChatGPTを使って英語学習の活用法を実験してみた結果、
「自分好みにカスタマイズされた英語テキストを作ってもらう」
のが、一番役立つ使い方だと感じています。
今まで僕は、音読用の素材を探す時に、今の自分の英語レベルに合ったものを市販の英語テキストの中から選んで、その中から自分の興味のあるトピックを探して音読してきました。
でも今後は、自分に合ったテキストをカスタマイズして自作する時代がやって来るのかもしれません。
英語テキストを作る上で、「指示の出し方」が文章内容に大きな影響を与えることが分かりました。
AIは、人間からの指示があって初めて動くことができます。
そして、その指示内容に忠実に動きます。
だからこそ、どんな指示を出すか?が大事になってくるのです。
そこで今回は、現時点で僕が気付いた、「音読用のテキストを作る時の指示の出し方のコツ」をお伝えします。
英語テキスト作りの3要素
英語テキストをAIに作ってもらう場合、次の3要素を指示する必要があります。
①英文レベル(文法&ボキャ)
②文章の長さ
③トピック
この3つをいかに的確に指示するかが大事です。
音読素材の場合、1ユニットがあまりに長すぎると、集中力が保てなくなります。
それぞれの項目ごとに、具体的な指示の出し方をお伝えします。
①英文レベル(文法&ボキャ)
試しに、「日本の中学で習う英語レベル」という指示を出してみましたが、結果はバラバラでした。
たまに中学英語レベルの英文を出してくることもあれば、急に大学受験レベルの文法で書いてくることもあります。
おそらく、まだAIには「日本の中学英語のレベル」が分からないと思います。
一番確実なのは、英語レベルを表す世界基準「CEFR(セファール)」で指定するのが良いみたいです。
ただ、CEFRは初心者~上級者までのレベルが6段階なので、日本人にはちょっと粗い気がします。
英検も5級~1級までトータル7段階ありますが、級ごとのレベルの差はかなり大きいです。
僕のオススメは、最初の指示ではレベルをCEFRで指定しておいて、出来てきた英文をチラッと読んで、「難しすぎる!」と感じたら、「もう少し英文レベルを下げて」という指示を出して、微調整を繰り返すことです。
AIは面倒がらずに何度でも英文を書き換えてくれます。
②文章の長さ
僕の経験上、音読用の英文は、1ユニットあたり100~200語ぐらいがオススメです。
理由は、読み上げ速度と関係しています。
ネイティブのナレーターがナチュラルスピードで英文を読み上げた場合、そのスピードは1分間に160~180語程度と言われています。
この速度で英文を読み上げると、
100語の英文=約40秒
200語の英文=約80秒
になります。
ネイティブのスピードについていく「シャドーイング」「オーバーラッピング」などの声だし系トレーニングは、集中力が命です。
あまり長すぎると、集中力が保てなくなって、効果が薄れます。
そして、集中力を保ちながら声だしを続けられるのは、40秒~90秒ぐらいがちょうど良いです。
僕が愛用している「速読速聴英単語シリーズ」も、英文の長さはだいたいこの範囲に収まっています。
もし、それ以上の長さのある文章を使いたい場合は、小分けにして1ユニットあたりを100~200語で区切るのが良いと思います。
③トピック
トピックは自由ですが、具体的&詳細に指示すればするほど、自分が興味のあるジャンルの英文を書いてくれます。
このあたりの指示の出し方は、そのトピックに詳しければ思いつくはずです。
たとえば僕の場合は、今回の実験でこんな文章を指示してみました。
↓↓↓
「ビデオカメラの歴史を語る英語の文章を、日本の中学校で習う英語のレベルで、200文字以内で書いてください」
この指示文には、上記3つがすべて盛り込まれています。
すると、僕がこれまで市販の英語テキストで見たことがないニッチなトピック「ビデオカメラの歴史」を、簡潔にまとめた英文をササッと作ってくれました。
初回は「日本の中学で習う英語のレベル」という指示が通じたのか、割と中学英語の範囲内で書いてもらえましたが、改めてまったく同じ指示を出してみたところ、今度は高校レベル以上の英文で書いてきました。
レベル指定はこういう書き方だとムラがあるので、やはりCEFRなどの世界基準の英語レベルを指定した方が、安定した結果を得られると思います。
とにかく、僕のようなニッチな趣味を持った人にとっては、ChatGPTを使って英語テキストを作るのは良いアイデアかもしれません。
・・・つづく。
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