from 師範代Shinya
(→前回のつづき)(→この記事のシリーズを1話目から読む)
前回の記事では、「多読トレーニングの目的」をお伝えしました。
多読トレーニングの目的は、「英文の流れに乗るスキル」を身に付けることです。
英文の流れに乗る=英語の脳内処理スピードを上げる
とも言えます。
英文の脳内処理スピードを上げるためには、
①英文の流れに乗ること
②読んで理解できる英文レベルの上限をアップすること
この2つが必要になります。
そしてこの2つは、それぞれ別のスキルです。
英文の流れに乗るためには、それ自体の練習が必要なのです。
返り読みしないクセをつける
英文の流れに乗るためには、とにかく「返り読みしない」ことです。
目線を左から右に動かし続けて、たとえ理解できない場所があっても、気にせず進む勇気を持つことです。
慣れないうちは、どうしても分からない部分が出てくると不安になります。
「このまま進んでも、何を書いてあるのか分からなくなるんじゃないか?」
という不安です。
スッキリしないので、気分的にもモヤモヤするでしょう。
でも、それを気にせず先に進むと、新しい世界が開けます。
「割といけるじゃん!」
という感覚です。
実は、英文の内容を理解するためには、一字一句理解する必要はありません。
全体の6~7割理解できれば、十分に「理解できた」と言えるのです。
実は、僕達は日本語の文章を読むときにも、一字一句なめるように読んでいるわけではありません。
素早く目を動かして、必要な情報をすくい取っているのです。
「いや、自分は日本語でも本を読むのが遅いからな・・・」
と思う人もいるでしょう。
それは、本を読むときだけ「よし!読むぞ!」と身構えてしまっている可能性が高いです。
・ふだん家族や友人とLINEのメッセージをやりとりしている時
・仕事の社内メールに何十通も返信している時
・ネット記事で芸能人のスキャンダル記事を読んでいる時
などは、おそらく要点だけを素早く読んでいるはずです。(無意識レベルで)
文章が短いと、素早く読める
「そんなの当たり前じゃん。メールやLINEはそもそも文章が短いから、文章全体を素早く読めるんだよ。でも本は、文字がズラッと並んでて長いから、読むのが遅くなるんだよ。」
と思われたかもしれませんね。
そうです。確かに、文章が短いと、素早く読めます。
だからこそ、多読トレーニングで使う英文は、「短い英文の連続」で書かれたものがオススメなのです。
たとえば、
I have a fried who has never been abroad but speaks English much better than my younger brother who has lived in the U.S. for 5 years.
(一度も海外に行ったことがないのに、アメリカに5年間住んでいる私の弟よりもずっと上手に英語を話す友達がいるんですよ)
という、関係詞を使って情報を盛り込んだ文章。
同じ内容を言っているけれど、こんな風に短くした文章。
↓↓↓
I have a fried.
(私には友達がいます)
He has never been abroad.
(彼は一度も海外に行ったことがありません)
But he speaks English.
(だけど、彼は英語を話します)
He speaks much better than my younger brother.
(彼は、私の弟よりも上手に話します)
My brother has lived in the U.S. for 5 years.
(私の弟は、アメリカに5年間住んでいます)
この短い英文では、読みやすさが全然違いますよね。
同じ内容を伝えているなら、短い英文の連続で書かれた方が、返り読みしなくても内容が理解できます。
多読トレーニング用の本では、こういった英文の長さや文法レベルを自分で選ぶことができます。
まずはこの短い文章の単位で、素早く理解できるようになるクセをつけていくのです。
これができるようになると、最終的には長い英文も理解スピードがグッと上がります。
次回は、多読トレーニングを積んだ先で見える景色をお伝えします。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
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