from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
音読と瞬間英作文の効果をブーストして何倍にもしてくれたのが、イメージ英文法でした。
実は、僕にとって文法は、英語学習の中で一番やる気が起きなかったジャンルでした。
なぜなら、僕は学生時代から勉強がキラいだったからです。
特に暗記系の勉強が苦手で、数学の公式を覚えたり、暗算もすごく時間がかかる上に、よく間違えました。
せっかく「計算機」という素晴らしい発明品があるのに、なぜ自力で計算しなければならないのか?暗算スキルには意味があるのか?
と、いつも疑問に思っていました。
僕は、自分のモチベーションが上がらない事に対して労力を注ぎ込めない性格なので、数学ではたまに0点を取ることもありました。
まさにリアル「のび太君」です。
好きな教科は、暗記のない図工でした。
そんな僕がやり直し英語を始めるにあたり、一番やりたくなかったのが文法だったのです。
学校英語の文法は、とにかく用法やルールの丸暗記で、数学と似ているというイメージがありました。
大人になった今、また学生時代のあの苦しみと劣等感を味わいたくない!と強く思いました。
イメージ英文法でモチベアップ!
でも、イメージ英文法という勉強法があるのを知ったことで、僕はモチベーションがグン!と上がりました。
ネイティブは、用法やルールを暗記しているのではなく、あくまでイメージと感覚で使いこなしていると知った時の衝撃は、今でも忘れられません。
なんだ!思ってたのと違うじゃん!
文法って、実は丸暗記するジャンルじゃないんじゃん!
そう思って嬉しくなりました。
一番最初に知って驚いたのは、a と the の違いでした。
the = お互いにどれか分かるものの前に付ける。(数は問わない)
a = 他にもある中の1つのものの前に付ける。
以上!
という、すごくシンプルな解説です。
後は、ひたすら色んな例文の中で、the と a の感覚が紹介されているだけでした。
1つだけシンプルなイメージをバーン!と提示して、後はとにかく例文の中でイメージしながら感覚をつかんでいく、というスタイルは、音読や瞬間英作文トレーニングとの相性がとても良いと感じました。
音読も瞬間英作文トレーニングも、何度も反復する系のトレーニングです。
イメージ英文法の弱点を補ってくれると感じました。
イメージ英文法の弱点
僕が感じたイメージ英文法の弱点は、「シンプルでカンタンな分、記憶が抜けやすい」ということでした。
一瞬で理解して「なるほど!」と思ったことは、その時には分かった気になります。
でも、しばらくすると、
「あれ?この文法のイメージは何だっけ?あの時は『なるほど!』と思ったのになぁ・・・」
というように、忘れるのも早いです。(これは英文法に限らずだと思いますが、短期記憶は抜けやすいです)
次から次へと新しい英文法をイメージで脳内にインストールしても、アウトプットする前に忘れてしまいます。
忘れる前に刷り込む
僕はまず、イメージ英文法のテキスト1冊を、通しで読みました。
「ネイティブスピーカーの英文法」の本は薄めでイラストが多いので、割と早く読み終わりました。
マンガ感覚で読めて楽しかったのですが、やはり1回だけではすぐに忘れてしまいました。
そこで僕は、2周目は音読と瞬間英作文トレーニングとの組み合わせをしました。
たとえば、音読用のテキストの例文の中に出てくる文法や英単語の中から、「イメージ英文法のテキストにも載っていた項目」を見付けて、そこのイメージ解説をまた読み直しながら、メモしました。
たとえば、音読用テキストの中に、
I got a new computer last week. Two weeks later, I showed a friend the computer.
(私は先週、新しいパソコンを買いました。2週間後、私は友達にそのパソコンを見せました)
というような文章があったとします。
ここでは、a と the の両方が登場します。
そこで、テキストに a と the のイメージをメモしていくのです。
↓↓↓
I got a new computer last week.
(たくさんある中の1台だから、a)
Two weeks later, I showed a friend the computer.
(何人かいる友達の中の1人だから、a)
(ここでのパソコンは、2週間前に買ったやつで、読者も分かってるから the)
という感じです。
実際のメモは手書きなのでもっとシンプルでしたが、自分だけが分かるメモを書いていきました。
ここでのポイントは、あまり欲張りすぎないことです。
あれもこれもと、すべてを入れようとすると、初心者の僕にとっては気にすべき文法項目が多くなりすぎて、メモを書き切れなくなります。
そこで僕は、音読用例文1ユニットの中でよく目にする文法や英単語だけに絞って、それ以外の部分は、別のユニットの中でやろう!と先送りするようにしました。
最初からカンペキを目指さない、というのも大事な戦略です。
a と the のイメージを調べてメモしたら、すぐに音読し始めました。
すると、音読するたびにメモが目に飛び込んできます。
「他にもいる中の1人」と頭の中に描きながら、 a frind ~と音読することを繰り返すうちに、だんだんイメージが刷り込まれて定着していくのを感じました。
特に、冠詞(a, the など)や前置詞(in, on, at など)は、どの英文にもよく登場します。
そういう出現度の高いものから優先して声出し反復トレーニングで刷り込んでいくことで、次からは調べなくてもよくなります。
この覚え方は、我ながらムダがなくて最強だと感じました。
今の僕の動画セミナーのスタイルは、すべてこの時の経験を元に作っています。
各ユニットの英文の中にある文法項目の中で、「これはイメージで覚えて置いた方が良い」と思う部分を厳選して、詳しく解説しています。
レベルが上がった時にしか見えない部分
今の僕には、「レベルが上がった今だからこそ見える部分」がたくさんあります。
自分が初心者の頃にやっていたテキストを今見返すと、
「この時の自分のレベルでは、その文法はあまり気にしなくていいのに・・・それより、気にすべきはここなんだけどなぁ~」
と感じる部分を多く見付けました。
今の自分にしか見えない視点というのがあります。
僕の作っている動画セミナーでは、今の僕の視点から見て、
「そのテキストのレベルの人に今、必要な文法項目」
を取り上げて、イメージで解説する動画を作っています。
イメージ英文法で、文法が楽しくなる!
時間を過去に戻します。
初心者だった頃の僕はイ、メージ英文法に出会ったことで、すっかり文法にハマってしまいました。
文法の勉強が楽しくなってしまったのです。
イメージ英文法の解説をもっとしっかり理解したくて、中学校の教科書を1年生~3年生の分まで買いそろえて、勉強し直しました。
当時の僕の文法知識は、「主語って何だっけ?名詞と何が違うの?」「形容詞と副詞って、何が違うの?」という部分で混乱するレベルでした。
そんな僕にとっては、中学1年生用の教科書はとてもありがたく感じました。
名詞=英単語を「種類」で分けた時の呼び名。
リンゴ、車、トムなど、モノや人を表すのが名詞。
主語=文章の中での、英単語のポジションの呼び名。
「誰がどうした」「何がどうした」という文章の中で、「誰」「何」に相当するポジションが、主語。
そんな感じで、一見単調で暗記が必要に見えるルールも、文法に興味がわいて好きになっている状態の僕には、楽しく感じました。
この心境の変化には、自分でも驚きました。
僕は、中学の教科書とイメージ英文法のテキストを併用しながら、文字どおり「ゼロからスタート」で、1段ずつ文法のレンガを積み上げていきました。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
—————————————
From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)