from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
カナダの留学先で、僕が大きな衝撃を受けたことがありました。
それは、「長年カナダに住んでいるのに、なかなか英語が話せないベテラン留学生たち」が想像以上に多かったことです。
僕の通っていたビジネスコースには、クラスメイトには韓国人が何人かいて、そのつながりで韓国人の友達を何人も紹介されました。
紹介された韓国人留学生の多くは、カナダに3年以上住んでいるベテラン留学生たちでした。
でも、実際に英語で会話してみると、驚くほど英語が話せないことが分かりました。
リスニングはそこそこできるので、こっちの言っていることは伝わるのですが、向こうが話す英語が本当に初心者レベルなのです。
「初心者が留学しても、英語はほとんど上達しない」
という噂は本当でした。
僕が外国人バーに通っていた1年目の頃の会話力とあまり変わらない人が多いことに、ショックを受けました。
「3年も住んでこの程度では、納得いかない・・・でも、もうどうしたらいいか分からない。結局、いつも韓国人同士でつるんでしまって、学校の外では全然英語を使っていない。」
と、彼らは言っていました。
韓国は文化的にも言語的にも日本に似ていると言われているので、日本人にも当てはまる現象だと思います。
イメージ刷り込み式英語鍛錬をレクチャー
韓国人留学生たちは、僕にこんな質問をしてきました。
「カナダに来たばかりなのに、どうしてシンヤはそんなに英語を話せるの?日本でどんな勉強をしたの?」
と。
そこで僕は、自分がこの2年半やってきたイメージ刷り込み式英語鍛錬のやり方を、韓国人グループの前でレクチャーしました。
シャドーイングや瞬間英作文トレーニングを実演して見せたのです。
すると、想像以上に良いリアクションが返ってきました。
「俺も来る前にこれをやれば良かった!!」
「今からでも間に合うかな?」
という言葉が多く聞こえました。
「もちろん!今からでも十分やる価値はあるよ!」
と僕は言いましたが、その後、彼らがトレーニングしたかどうかは分かりません。
韓国人のベテラン留学生たちの体験談を聞いて、僕は「やっぱり英語はスポーツと同じなんだなぁ」と強く思いました。
スポーツも英会話も、試合だけしていても伸びません。
日頃のトレーニングをしていない人が、試合の場数だけで成長することはあり得ないのです。
そして留学は、ただ「試合の回数を増やす役割」しかないのです。
英語力を上げてから留学するメリット
英語力を上げてから留学すると、たくさんのメリットがあることに気付きました。
日本で英語力を上げておくと・・・
・現地に着いた日から、いきなり現地人とコミュニケーションが取れるので、生活に困らない。
・積極的に英語を話す時間が増えるので、ますます英語でのコミュニケーション力がアップして、自信が付く。
・自信が付くと、どんどん外へ出て現地人や他の国の留学生と交流するようになる。日本人同士で固まることもなくなる。
・日本で仕込んだ英語ストックを出す場面が圧倒的に増えることで、「英語を使う力」が短期間で爆伸びする。
・「英語を使う喜び」を心から実感することができて、英語学習へのモチベーションがさらに上がる。
・現地人の超スピード英語が聞き取れない場面があっても、他の人に質問できる(例:ワナバって何?あれって何て言ってるの?と聞けたり)
という感じです。
日本で英語力を上げてから留学すると、こんなにたくさんメリットがあります。
逆に、十分な力をつけないまま「何とかなるさ!」という特攻精神で行くと、真逆のことが起こります。
英語力はほとんど変わらないまま、自信を打ち砕かれて帰ってくることになるのです。
カンペキを目指しすぎてもダメ
かといって、カンペキを目指しすぎても逆効果です。
たとえば、留学をする前に、
「TOEIC900点を超えてからでないと留学できない!」
「瞬間英作文トレーニングを第3ステージまで回さないとダメだ!」
「ネイティブが使う俗語までカンペキに学んでからでないと、現地人との会話に入っていけない!それができてから留学だ!」
というように、自分にすごく高いハードルを課してしまうと、いつまでたっても行動できなくなります。
例え自分の中で弱点をつぶしたつもりでも、留学したら想像を超えるハードルが立ちはだかったりするものです。
だったら、下積みを長くし過ぎてプライドが高くなる前に、さっさと留学して現地の雰囲気を経験した方が良いかも知れません。
では、具体的な目安はどのぐらいか?というと、
・TOEIC600~700点台(受け身の力)
・瞬間英作文トレーニングの第一ステージ完了(発信の力)
です。
このぐらいの力があれば、現地に着いてからのコミュニケーションに苦労しないでしょう。
このレベルであれば、日本で2年程度、イメージ刷り込み式英語鍛錬を続ければ、到達できると思います。
・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む)
—————————————
From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)