from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※僕がこれから自分の英語学習用テキストとして導入すると決めた「キレッキレ英語」の本のレビューの続きです。
③例文がシンプルで覚えやすい
フレーズ自体が実用的でも、それを使った例文が複雑だったり、あまりにこなれ過ぎていて覚えにくかった場合、使うイメージがわきにくくなってしまいます。
その点、この「キレッキレ英語」は、例文がとてもシンプルで、中学英語を中心に書かれています。
たとえば、
「~らしい」
という日本語表現を英語で表すと、
It’s so ~
になります。(本書158ページ)
このフレーズを使った例文は、
The style is so you. I mean, It’s so Japanese.
(いかにも君らしいやり方だね。というか、まさに日本人的だね)
という文章です。
とてもシンプルで、自然ですよね。
ちなみに、その下にある「発想のポイント」では、
so her / him (あの人らしい)、so American (アメリカ的) very 90s (90年代っぽい)のように、so / very ~とするだけで、「~らしい」を表現できます。
と書いてあります。
これを聞いた瞬間から、すぐ会話で使える気がしませんか?
僕は普段から、日本語でもムズカしい表現を使わない傾向があるので、英語もシンプル&イージーな例文で覚えた方がしっくり来ます。
もちろん、中上級者の知的好奇心を満たすような、こなれた例文もたまに登場しますが、比率としては多くはありません。
ほとんどが中学英語の範囲内の構文なので、初心者でも楽しめると思います。
中上級者向けの例文
ちなみに、ちょっと複雑めな例文を1つ紹介すると、
「ムリするな、自分のペースで」
という表現があります。
これを英語で言うと、
Pace yourself.
になります。
これ自体は、とってもシンプルですね。
ここでの pace は動詞で、「ペースを定める」という意味です。
自分自身でペースを定める=ムリしない
という図式です。
このフレーズを使った例文は、少し長めです。
Don’t even pay attention to who says what to whom on social media. Just pace yourself, and you’ll come out on top.
(SNSで誰が何を誰に言っているかなんて気にさえするんじゃない。自分のペースで行けばトップに立てるよ)
文章の真ん中に、who と what と whom という、3つのWH語が入っているので、初心者にとっては意味が取りづらいと思います。
中上級者向きの例文です。でも、内容はとても自然で、カジュアルな会話の中でも使える感じがしますよね。
この本のコンセプトは、あくまで「自然な日本語を英語でどう言うか?」に特化してるので、例文が堅苦しいものはありません。
ビジネス英語のセクションも面白い
ちなみにビジネス表現のセクションでは、フォーマルな英文が出てきます。
でもそれらがとても日本的で、「えっ!これを英語で言えるの?」と、逆に好奇心がわいていきます。
たとえば、
・その節はありがとうございました。
・またご縁があればいいのですが。
・差し出がましいでしょうが。
・そこを何とか、ご無理を承知でお願いします。
・前向きに検討します。(「タテマエで本当はNOの時」と、「本気で検討する時」の両パターンのフレーズを収録)
などなど。
これらはすべて日本語的な表現ですが、これを英語で言えるのです!
日本文化独特の、控えめであいまいなビジネス表現を、自然な英語で伝えたら、どういう言い回しになるのか?
中上級者の好奇心も満たす内容になっています。
TOEICの勉強に疲れたら、この本を読んでクスッと笑うのも良いかもしれません。
ビジネス英語は、楽しくて奥深いです。
④ネイティブの音声付き
どんなにシンプルな英文でも、1度見ただけですぐ使えるようにはなりません。
何度も例文全体を口に出して、脳内に刷り込む必要があります。
そのためには、ネイティブのモデル音声が欠かせません。
この本にも、ネイティブの音声データが付いています。
ダウンロード形式と、スマホアプリ形式の2つが用意されています。
僕はスマホアプリ形式を選んで聞いてみました。
ネイティブの読み上げスピードは速すぎず、遅すぎずでちょうど良い感じです。
もちろん、アプリではスピードコントロールができるので、0.7倍~1.5倍まで調整できます。
シャドーイングやオーバーラッピングなど、モデル音声にかぶせて自分の声を出す練習法がやりやすいです。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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