【日本語のように話せる:キレッキレ英語⑤】

   

from 師範代Shinya

(→前回の続き)

※僕がこれから自分の英語学習用テキストとして導入すると決めた「キレッキレ英語」の本のレビューの続きです。

 
僕が考える、「良いフレーズ集の条件4つ」のうち、残り2つも満たしています。

③例文がシンプルで覚えやすい

フレーズ自体が実用的でも、それを使った例文が複雑だったり、あまりにこなれ過ぎていて覚えにくかった場合、使うイメージがわきにくくなってしまいます。

その点、この「キレッキレ英語」は、例文がとてもシンプルで、中学英語を中心に書かれています。

たとえば、

「~らしい」

という日本語表現を英語で表すと、

It’s so ~

になります。(本書158ページ)

このフレーズを使った例文は、

The style is so you. I mean, It’s so Japanese.

(いかにも君らしいやり方だね。というか、まさに日本人的だね)

という文章です。

とてもシンプルで、自然ですよね。

ちなみに、その下にある「発想のポイント」では、

so her / him (あの人らしい)、so American (アメリカ的) very 90s (90年代っぽい)のように、so / very ~とするだけで、「~らしい」を表現できます。

と書いてあります。

これを聞いた瞬間から、すぐ会話で使える気がしませんか?

僕は普段から、日本語でもムズカしい表現を使わない傾向があるので、英語もシンプル&イージーな例文で覚えた方がしっくり来ます。

もちろん、中上級者の知的好奇心を満たすような、こなれた例文もたまに登場しますが、比率としては多くはありません。

ほとんどが中学英語の範囲内の構文なので、初心者でも楽しめると思います。

中上級者向けの例文

ちなみに、ちょっと複雑めな例文を1つ紹介すると、

「ムリするな、自分のペースで」

という表現があります。

これを英語で言うと、

Pace yourself.

になります。

これ自体は、とってもシンプルですね。

ここでの pace は動詞で、「ペースを定める」という意味です。

自分自身でペースを定める=ムリしない

という図式です。

このフレーズを使った例文は、少し長めです。

Don’t even pay attention to who says what to whom on social media. Just pace yourself, and you’ll come out on top.

(SNSで誰が何を誰に言っているかなんて気にさえするんじゃない。自分のペースで行けばトップに立てるよ)

文章の真ん中に、who と what と whom という、3つのWH語が入っているので、初心者にとっては意味が取りづらいと思います。

中上級者向きの例文です。でも、内容はとても自然で、カジュアルな会話の中でも使える感じがしますよね。

この本のコンセプトは、あくまで「自然な日本語を英語でどう言うか?」に特化してるので、例文が堅苦しいものはありません。

ビジネス英語のセクションも面白い

ちなみにビジネス表現のセクションでは、フォーマルな英文が出てきます。

でもそれらがとても日本的で、「えっ!これを英語で言えるの?」と、逆に好奇心がわいていきます。

たとえば、

・その節はありがとうございました。

・またご縁があればいいのですが。

・差し出がましいでしょうが。

・そこを何とか、ご無理を承知でお願いします。

・前向きに検討します。(「タテマエで本当はNOの時」と、「本気で検討する時」の両パターンのフレーズを収録)

などなど。

これらはすべて日本語的な表現ですが、これを英語で言えるのです!

日本文化独特の、控えめであいまいなビジネス表現を、自然な英語で伝えたら、どういう言い回しになるのか?

中上級者の好奇心も満たす内容になっています。

TOEICの勉強に疲れたら、この本を読んでクスッと笑うのも良いかもしれません。

ビジネス英語は、楽しくて奥深いです。

④ネイティブの音声付き

どんなにシンプルな英文でも、1度見ただけですぐ使えるようにはなりません。

何度も例文全体を口に出して、脳内に刷り込む必要があります。

そのためには、ネイティブのモデル音声が欠かせません。

この本にも、ネイティブの音声データが付いています。

ダウンロード形式と、スマホアプリ形式の2つが用意されています。

僕はスマホアプリ形式を選んで聞いてみました。

ネイティブの読み上げスピードは速すぎず、遅すぎずでちょうど良い感じです。

もちろん、アプリではスピードコントロールができるので、0.7倍~1.5倍まで調整できます。

シャドーイングやオーバーラッピングなど、モデル音声にかぶせて自分の声を出す練習法がやりやすいです。

 
 

・・・つづく

 

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