from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※僕がこれから自分の英語学習用テキストとして導入すると決めた「キレッキレ英語」の本のレビューの続きです。
この本は、収録フレーズにばかり目がいきがちですが、もうひとつの魅力は、なんと言ってもカズ先生の日本語解説だと僕は感じます。
前半にある「7つの柱」と、各セクションの間にあるコラムは、英語を話す時の視点や、ふだんの学習法の視点を変える、気付きと学びが満載です。
今回は、7つある柱の中から、1つ目をご紹介します。
(本文の引用ではなく、エッセンスを抜き出した解説をします)
1つ目の柱:無生物主語
日本語では「私は」「彼らは」のように、人を主語にして話す文章を英語にすると、人ではない「モノをコト」が主語になることが多いです。
この発想があるかないかで、日本語で思いついた内容を素早く英語に変換できるかどうかが決まります。
この「無生物主語」の発想は、できるだけ早い段階で身に付けてしまった方が得です。
だからこそ、この本は初心者のうちに読む価値があると僕は思うのです。
では、この本の中の例文を見てみましょう。
今から、下にある日本語訳を1つずつ見ながら、瞬間英作文をしてみてください。
(以下、日本語訳と英文は引用)
↓↓↓
①私、飽きっぽいんです。
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いかがでしょうか?
日本語そのままだと、「私」が主語になっているので、
I ~から始めたくなりますよね。
飽きる= bored, tired などの英単語を知っていれば、
I easily get tired.
のような文章を作ったかもしれません。
もちろん、それでも言いたいことは伝わります。
でも、「英語らしい発想」を身に付けるためには、無生物主語を使ってみるクセをつけると良いです。
本の中の例文は、
Nothing keeps me entertained.
です。「entertain =楽しませる」という動詞です。名詞のエンターテイメントは、カタカナ語にもなっていますね。
この分の直訳は、
「何も私を保ってくれない、楽しませた状態で」
になります。
この発想は、知らないとわいてきませんよね。
次に行ってみましょう。
②そう言ってくれて元気が出たよ
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いかがでしょうか?
日本語は主語が省略されていますが、実際には「あなたがそう言ってくれて~」という文なので、「You」を主語にしたくなります。
すると、こういう思考パターンになりがちです。
↓↓↓
え~と、「あなたが何か良いことを言ってくれた」だから、
You said nice things!
かなぁ・・・
で、元気が出たのが自分だから、文章を新しく加えて・・・「元気」はたしか fine だったよな?
I am fine. でいいのかな?
でも、元気に「なった」って言いたいから、変化を表す get か?
You said nice things! I got fine.
でいいのかな?
いやでも、「そう言ってくれて」と「良いことを言ってくれて」は、やっぱりニュアンスが違うのでは?
そういえば、「そう言ってくれてありがとう!」という決まりフレーズがあったな。
Thank you for saying so.
だったかな。
あ、でもこれじゃあ、「自分が元気になった」というニュアンスは伝えられないぞ!
う~ん・・・悩む・・・
という感じです。
では、正解の例文をお伝えします。
Your words lifted me up.
直訳:あなたの言葉が、私を持ち上げた。
です。
(lift up という熟語は、モノを持ち上げるだけではなく、気分を持ち上げる時にも使えます。)
Your words =無生物主語です。
確かに、こう言われたら、「そう言ってくれて」のニュアンスと、「元気が出たよ」のニュアンスが同時に伝えられるますよね。
さらにこの例文のいいところは、「シンプル」であるところです。
自然な英会話ができるようになるコツは、「語数を減らすこと」です。
英会話初心者のうちほど、長い文章を作ってしまいがちです。
でも、文章が長くなればなるほど、ミスする確率がアップします。
そして、言いたいことが伝わりづらくなっていきます。
英語は、効率重視の言語です。
言いたいことを、簡潔に、短くバシッと伝える。
そのためには、無生物主語は絶対に必要な考え方なのです。
僕自身も、過去の自分と今の自分の英語を比べると、今の方がずっと語数が少ない短い文章で話しています。
そのための手段の1つが、「無生物主語」なのです。
これを意識しているかいないかで、本文のフレーズの見方が変わってきます。
ただ単にフレーズ丸暗記ではなく、そこに流れる英語的な発想を意識できるようになると、記憶の定着度がアップします。
また、応用力も身に付くのです。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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