from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※僕が最近「Paternity leave (育休)」を取った期間の学びのシェアの続きです。
・なかなか言うことを聞かずに、いつも僕の指示とは真逆の行動を取る上の娘。
・1度泣き出すと、疲れて眠るまでずっとノンストップで全力で泣き続ける下の娘。
自分の娘2人に対して、メラメラと燃え上がってくる怒り。
怒りに任せて、娘2人に往復ビンタを食らわしたくなる衝動。
ギリギリで思いとどまるものの、無力な子ども達をひっぱたく寸前まで行ってしまった自分に対する罪悪感。
このドロドロした感情を抑えるために、僕は「お世話マシン」と化しました。
マシンのように淡々と育児作業をこなせば、何も感じずに済みます。
でも、その弊害で喜びや楽しみも感じられなくなり、毎日が「ただタスクをこなすだけの日々」に感じられるようになってきました。
そして、押し殺した怒りは実は完全に消えているわけではなく、ずっと心の奥底でくすぶっていました。
その証拠に、マシンになった後にも、「仲良し親子」の姿を見ると、以前と同じようにイラッとするようになってしまったのです。
仲良し親子の動画を見てヘコむ
最近、僕のスマホでYouTubeのアプリを開くと、ホーム画面の「あなたへのオススメ欄」に、子育て系ユーチューバーの動画がズラッと並ぶようになりました。
YouTubeのAIには、僕が今子育て真っ最中の状態だということがバレています。
さらに、特に画面をタップしていないのに、ショート動画が自動で再生されることもあります。
そんな時に、ショート動画で仲良し親子(特に父親と小さな娘)の動画が目に飛び込んでくることがあります。
お父さんと娘が仲良く遊んで楽しそうにしている姿を見ていると、
「チッ!どうせ俺はそんな父親になれないよ!娘もそんなになついてないよ!くそぉ~!!!!」
という、くやしい感情がわき起こってきました。
自分の娘と同じぐらいの年齢の娘と、その父親が仲良く遊んでいるだけの平和な動画から、攻撃性を感じてしまうのです。
その親子が僕に対して「おまえは、他の父親が当たり前にできていることが、できていない」というメッセージを発しているように感じてしまいました。
これはもう、完全に僕自身の受け取り方の問題です。
その動画のコメント欄には、「可愛い!癒やされました~!」とか、「お父さんの愛が伝わってきて、ほっこりしました。」とか書いてあります。
でも、僕はそのコメント欄に何か文句を書き込んでやりたくなる人の気持ちが分かってしまいました。
もちろん、本当に書き込んだりしませんが、その場では「くそぉ~何だよ!もう!!ムカつくなぁ!!」と口に出して言ってしまうほど、心がすさんでいました。
YouTubeにアンチコメントを書く人の心理
本心は、
「うらやましい!自分もそんな風に、笑顔で余裕の子育てパパになりたい!娘からも慕われたい!でも、できないんだよ・・・そんなに心の広い人間になれないんだ!どうしたいいんだよ!」
という、自分に対するイラ立ちの感情です。
でも、そのままコメント欄に「うらやましい!」とか書いたらカッコ悪いので、「こんな風に仲良くできるのも今のうちだけだよ。13年後にどうなってるか、見てみたいもんだ」とか、うまく自分の本当の感情を隠しながら、相手がイヤがりそうなことを書くことになるでしょう。
僕はこれまで、YouTube動画にアンチコメントを書く人の心理が理解できませんでした。
「イヤなら見なきゃいいじゃん!」
「どう思うかは個人の自由だけど、わざわざ書き込む必要ないでしょ!」
と思っていました。
でも、今回の「仲良し父娘の動画」に関しては、コメント欄にわざと悪口を書いてしまう人の気持ちが分かったのです。
心がすさんでいる時、自信がなくなってヘコんでいる時には、楽しそうにしている人たちの姿が、まぶし過ぎてツラいのです。
まぶしい光で、自分が攻撃されているような気分になってきます。
彼らが放つポジティブな光が、自分の中のネガティブな影を、より濃くしていくように感じるのです。
そして、まぶしさの中で必死にもがいて振りまくる腕が、アンチコメントの正体なんだと思います。
少なくとも、僕はそうでした。
本当は自分もそっちに行きたい!けど、ムリっぽい。自信がない・・・
そんな心境の時に、思わず一言書き込んでしまうのでしょう。
まさか、平和な子育て動画を見てそんな心境になるとは、僕自身も予想外で戸惑いました。
ただ、以前に比べてアンチコメントを見ても「なんでこんなことを書くんだ!この人には心がないのか!」とは思わなくなりました。
「きっと、今がツラいのであろう・・・分かるぞ!」
と思うようになったのです。
もちろん、だからといって攻撃的なコメントを書いて良い理由にはなりません。
でも、「アンチコメントを書く人がまったく理解できない」という状態ではなくなりました。
・・・つづく。
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