from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※英語をゼロからやり直す時の最初の一冊として役立つ新しい英語テキストのレビューの続きです。
この本には、ちゃんと文法の説明もあります。
とは言っても、いきなりマニアックな説明があるわけではありません。
英単語を覚える時に最低限必要な、
「品詞って何?」
という部分だけを、やさしく解説しています。
名詞、冠詞、代名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞の7種類だけを、シンプルな解説(1つの品詞につき、2~3行程度)で見開き1ページに収めています。
これだけハードルが低ければ、文法が学生時代に苦手で、今も知識が完全に抜けてゼロになっている大人でも、理解しやすいでしょう。
準備体操
ふつう、この手の本の場合、最初の方のページに来るのは名詞が多い印象です。
なぜなら、品詞の中でも名詞が一番しっくりくる確率が高いからです。
「ものや人の名前だよ」と説明されたら、分かりやすいですよね。
でも、この本では最初に準備体操として、
冠詞、前置詞、副詞、代名詞が来ています。
これは、すごく面白い作りだと思いました。
その理由は、「ん?コレ何?」という疑問を、早めにつぶしておくためです。
a, an, the などの冠詞や、in, at, on などの前置詞は、どんなに短くてシンプルな例文にも登場します。
たとえば、最初に名詞を説明する時に、「cat = ネコ」を例に出したとして、その例文として、
I have a cat.
(私はネコを一匹飼っています)
といったシンプルなものにしたとします。
ところが、よく見るとそこには、「a」という冠詞が出てくるわけです。
しかも、冠詞は日本語にはない概念です。
日本語では、モノや人の数を意識しながら話しません。
「来週、友達が家に来るんだ。」
というセリフからは、その人が1人の友達を思い浮かべて言っているのか、複数なのかは分からない。それが日本語です。
日本語は「空気を読む」「文脈を読む」言語なので、相手の言葉のウラに隠された情報を聞き手が読み取るため、セリフにあまり多くの情報を入れないのです。
でも英語では、その逆です。異文化を持つ人達がコミュニケーションするために発展してきた世界共通語なので、「空気を読む」という考え方はありません。
友達の数が一人なのか2人なのか、前に話に出た人なのか、それとも初登場の人物なのかが、ハッキリ伝わるルールが開発されているのです。
そのルールの1つが、冠詞です。
だから、どんなにシンプルな例文にも、必ず冠詞は登場します。
冠詞が使われないのは、「ジャンルを言う時」と「話題に初登場で、なおかつ複数」の時だけです。
たとえば、
I like cats.
(私はネコが好き)
というように、ネコというジャンル全体が好きと言いたい時は、冠詞が抜けて複数形になります。
ただ、このようなケースはそんなに多くありません。
たいていの例文には、冠詞がつきます。
そして、前置詞や代名詞も同じです。
in, on, at などの前置詞や、he, she, it などの代名詞は、どんなに短くてシンプルな例文にも必ずついて回ります。
だからこそ、最初にあえてこのジャンルに切り込むことで、そこから先のページの理解度を上げているのです。
書き込みもできるようになっている
このテキストは、小学生用なので、書き込みもできるようになっています。
たとえば、a の説明欄の下には、a のスペルを10回分ぐらい手書きできるスペースが用意されています。
横線が何本か引いてあって、その中の1本に色が付いている、あれです。
中学時代にこのデザインのノートを初めて使った、懐かしい記憶が呼び起こされます。
また、練習用に印刷して使える、書き込みページのPDFもあります。
ただ、これらは大人のやり直し英語ではムリに使わなくても良いでしょう。
僕たち大人が、英単語のスペルを問われることはないからです。
ただ、「書いた方が記憶に定着しやすい」という、脳の研究結果があるので、書くことが苦にならない人にとっては、書いてみるのもアリでしょう。
シンプルなイラストが、イメージをわきやすくさせる
このテキストには、英単語1つ1つに、見やすいイラストが付いています。
このイラストも、シミケン先生の本のシリーズの特徴の1つです。
頭の中で文字情報とイラストの両方を一致させることで、右脳と左脳の両方に働きかけて、記憶に定着させることができます。
このテキストは小学生向けということもあり、とにかく文字が少なめで、イラストが多めです。
このあたりも、最初の1冊としてはハードルが低くて良いと思います。
次回は、収録されている英単語と例文を詳しく見ていきましょう。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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