from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※「世界の一流は雑談で何を話しているのか?」というタイトルの本のレビューの続きです。
ここまで、西洋文化と日本文化の雑談の違いについて、僕が自分の体験からも感じたトップ6を抽出してお伝えしてきました。
ここまで文化が違うと、雑談が盛り上がるかどうか?相手にどんな印象を与えられるか?は、英語力だけの問題ではないと思います。
どんなに素晴らしい発音とカンペキな文法で話していても、話題の選び方自体が日本式の雑談だった場合、相手は
「なぜそんなことを言ってくるんだ?」
という微妙なリアクションになるかもしれません。
そこまで露骨な態度を取られなくても、会話が盛り上がらずに、
「自分の英語力が足りないせいか?発音がまずかったか?」
などと、本題と違う部分を気にしてしまうかもしれません。
僕ら英語学習者にとって、「英会話で外国人と盛り上がりたい!」という願望は、常にあると思います。
そのためには、英語力を磨くだけではなく、彼らが日常の雑談で何を話しているのか?までを知っておく必要があるのではないでしょうか。
そんなことを考えさせれられた本でした。
雑談に対するとらえ方の違い
これは本の中に書いてあったことではなく、僕の体験から感じる部分ですが、日本文化では雑談を「仕事の一部」とは捉えていないと思います。
その証拠に、職場で「私語厳禁!」みたいな張り紙を見かけることもあります。
僕は以前、ジーンズショップの店長をしていました。
店長業務の中には、「スタッフ同士が売り場で雑談をしないように見張らなければならない」という役割もありました。つまり、
雑談=サボっている
という図式です。
これはお客さんの中にも根付いている価値観で、実際にスタッフ同士が雑談している姿を見て、本部のカスタマーサービスに通報されることもよくありました。
「スタッフが仕事をなまけておしゃべりしていた。」
という内容の報告が来る度に、店長会議では「スタッフがおしゃべりをしないよう、しっかり監視するように」みたいな通告がされました。
だから僕は、長い期間、おしゃべりは悪だと思っていたのです。
これは、雑談と仕事を切り分ける日本式文化ならではの考え方だと思います。
海外の店員さんは雑談しまくる
一方で、アメリカやカナダなどの英語圏の国に旅行をしていると、店員さん達の雑談の多さに驚きます。
しかも、コソコソ声ではなく、めちゃくちゃ大きな声でしゃべっています。
レストランでは、鼻歌を歌っているウェイトレスさんも見たことがあります。
別にそれはそういうサービスのある店というわけではなく、従業員同士でおしゃべりしている流れで歌っている感じでした。
日本では、あり得ない光景です。
ただ、僕個人のお客さん目線としては、こっちの方が店員さんに話しかけやすいです。
「なんだか機嫌が良さそうだな。きっとフレンドリーな人に違いない」
と感じさせてくれるからです。
その結果、その場にいるお客さんたちから話しかけられる率が上がって、最終的にチップの額が上がる可能性があります。
ちなみに、このあたりの価値観をアメリカ人の先生に聞いてみたところ、アメリカのレストランでは、「レストランの従業員(特にホール係)にとっては、お客さんからの評価の方が、店長の評価よりも大事」だそうです。
なぜなら、アメリカではレストランでの基本時給が低くて、チップの方が大きな割合を占めるからだそうです。
また、店長も従業員の雑談を取り締まることはほとんどなく、「お客さんが満足しているなら、それでいい」というスタンスのようです。
お客さんの満足度は、従業員本人へのチップの額に反映されるので、もしお客さんが雑談を不快だと感じれば、チップの額が減るので自己責任になります。
Googleでは雑談も大事な仕事
また、これは接客業に限ったことではありません。
実際にこの本に書いてあったのですが、著者のピョートルさんが以前勤めていた会社のGoogleでは、社員同士が雑談を積極的にするような仕組みが社内にあったそうです。
いかに雑談を多くするか?それが仕事の効率を上げる、という考え方だそうです。
逆に、1人で黙々と仕事をする方式(日本では高く評価される方式)は、Googleでは低評価がつくらしいのです。
確かに、僕がカナダの企業でインターンとして働いていた時にも、従業員同士の雑談の多さに驚いた記憶があります。
僕がいたマーケティング部の先輩社員が、1日に何度も僕のデスクに来て、雑談をしてきました。
周りに他のスタッフがいようが、副社長がいようが、お構いなしです。
僕は当時、まだジーンズショップの店長を辞めてすぐの時期だったので、内心、ドキドキしなが雑談に応じていました。
でも、これは後から分かったのですが、みんなけっこうな頻度で雑談をしていました。
そして、雑談と仕事の相談の区別がないことにも驚きました。
仕事の話をしながら、話がそれていったり、また仕事の話に戻ったりして、境目がないのです。
この話を「ムダなおしゃべり」と捉えるのか、それとも「生産的な仕事の相談」と捉えるのか、その境界線があいまいなのです。
そして何より、先輩社員が自分の仕事で行き詰まった時に、雑談がてら僕の意見やアドバイスを求めてくることに驚きました。
ベテラン社員が新人にアドバイスを求めるなど、日本ではまず見ない光景です。
西洋にはそもそも年功序列というシステムがないので、年齢で区別されることはありません。
また、長く居れば仕事ができる認定されるわけでもありません。
むしろ、フレッシュな視点を持った新人が重宝されることすらあります。
こういう違いがあるからこそ、雑談に対する考え方も違うと思います。
今回の本は、そんな個人体験を思い出させてくれる一冊でした。
他にも、まだまだ日本文化と西洋文化の違いがたくさん載っているので、ぜひあなたに刺さる部分があるかどうかを、確かめてみてください。
(完)
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