from 師範代Shinya
(→前回の続き)
前回の記事では、カランメソッドのレッスンを初めてリアル対面で受けた感想をお伝えしました。
今回は、「そもそもカランメソッドって何?よく分からない」という疑問にお答えします。
今まで色々な英語トレーニングを試してきた僕の視点から、カランメソッドを表現すると、有名なカンフーアクションスター、ブルース・リーが、映画「燃えよドラゴン」の中で、弟子に言うセリフ、
Don’t think, feel!
(考えるな、感じろ!)
を、英語学習に置き換えたような感じです。
Don’t think, speak!
(考えるな、しゃべれ!)
みたいなコンセプトなのです。
ブルース・リーのセリフは、「理論や形にとらわれるのではなく、感覚的に捉えることの重要性」を弟子に教えるシーンになっています。
カランメソッドも、この考え方に基づいていると感じます。
頭で考える時間を与えないために、先生は通常の英会話よりも速いスピードで話します。
そして、間髪入れずに答えるように、生徒に発話を促すのです。
たとえば、
先生:Is the pen on the book? Is the pen on the book?(同じ質問×2回を素早く)
生徒:Yes,the pen’s on the book.(フルセンテンス&短縮形で答える)
という流れです。
この時に、生徒には考える時間は与えられません。
なぜなら、答えるまでに時間が空いてしまうと、先生がすぐに答えの英文を言い始めるからです。
先生が答えを言い始めたら、生徒はすぐに頭を切り替えて、先生の声に続くようにシャドーイングしていきます。
そしてすぐ、先生は次の質問に移っていくのです。
つまり、生徒が自力で英作文するのに与えられる時間は、1秒ぐらいしかありません。
ただ、とりあえず先に Yes か No かで答えて、自分がしゃべり始めれば、先生はそれを聞くために少し待ってくれます。
だから、とにかく最初は「間髪入れずにしゃべり始めること」が最重要視されるのです。
まさに、
Don’t think, speak!
(考えるな、しゃべれ!)
を体現していますよね。
その結果、レッスン中の生徒の発話量が増えるというメリットがあります。
一般の英会話レッスンに比べて、約4倍の発話量を確保できるそうです。
確かに、今回対面レッスンでやってみて、普段の4倍ぐらい話している実感がありました。
フルセンテンス+短縮形で答える
ふだんの英会話では、相手が言ったセリフに対して、必要な部分だけ答えるのが普通です。
たとえば、
Do you know if there’s a restaurant around here?
(このあたりにレストランがあるかどうか知っていますか?)
と聞かれた場合、普通の会話であれば、
No, I don’t. Sorry.
(知らないです。すみませんね)
ぐらいの短さで返します。
でも、カランメソッドでは、
No, I don’t know if there’s a restaurant around here.
(いいえ、このあたりにレストランがあるか、私はどうか知りません)
というように、フルセンテンスで答えます。
これにより、文法力を鍛えることができるのです。
また、答える時には、
there is → there’s
it is → it’s
She is → She’s
というように、短縮形を使うというルールがあります。
これもスピードを重視するためです。
「フルセンテンスで、かつスピーディーに答える」
という点は、慣れていないとかなり苦戦するでしょう。
僕も今回、フルセンテンスで答えるのを忘れたり、短縮形にし忘れたりして、かなり苦戦しました。
最初に行ったレベルジャッジの結果、文法レベルは3と判定され、実際のレッスンではレベル3と4をやりましたが、妥当なジャッジだったと思います。
実際に、レベル3の英文でもかなり負荷が高く、間違えた部分も多かったからです。(このあたりは、後日YouTubeで公開します)
僕は英検1級&TOEIC975点を持っていますが、カランメソッドのレッスンでは、プライドを捨てて初級レベルからスタートした方が良いと感じました。何なら、慣れないうちはレベル1からのスタートでも良いかもしれません。
そういう意味では、カランメソッドのレベル感は、普通の英会話レッスンとは違います。
ふだん英会話レッスンで世界のニュースを元に、時事ネタで先生とディスカッションしているような上級者でも、カランメソッドでは初級レベルから進めることをオススメします。
同じ文型で進んでいく
カランメソッドは、同じ文型で進んでいきます。
たとえば、比較級だけの文型で、何パターンか練習していき、次は最上級だけの文型で何パターンか練習・・・というように、文型を固定して続けます。
それにより、考える時間があまりなくても、だんだん身体が文型を覚えてくる感覚になるのです。
その点では、
「瞬間英作文トレーニングと英会話の、中間に位置する練習」
と言えるのではないでしょうか。
瞬間英作文トレーニングでは、同じ文型の英文がズラッと並んでいて、日本語訳を見ることで、英文を作りながら話します。
カランメソッドでは、先生が英語で質問することで、答えの英文を作りながら話します。そして、答えの英文はすべて、同じ文型になるようにデザインされているのです。
これを続ければ、反射的に英語が口から出てくるようになるというのは、確かに納得できます。
カランメソッドは確かにふつうの英会話レッスンとは違う「クセの強い学習法」です。
そのため、よくネット上で言われている「向き不向きが分かれる」というのは、その通りだと思います。
そこで今回、僕が実際に対面レッスンでガッツリとカランメソッドを体験した上で感じた、
「カランメソッドが向いている人と向いていない人の違い」
を、次回の記事で解説したいと思います。
・・・つづく。
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