from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※この2年間の音読の中で一番ムズカしかった英文が、ついに読み解けた時の喜びの体験談のシェアです。
Could it be that deep inside hurting couples exists an invisible “emotional love tank” with its gauge on empty?
この英文を何度読んでも読み解けなかった僕は、ネイティブの先生にダメ元で聞いてみることにしました。
最初は文法に詳しそうなアメリカ人の先生に聞いてみました。
僕が知りたかったのは、
①この英文はそもそも文法的に正しいのか?何かの言い間違いやミスプリントではないのか?
②もし間違いでないとしたら、こういう言い回しはよく使われるのか?覚える価値がある構文なのか?
です。
すると、驚きの答えが返ってきました。
まず、①は正しいとのことです。ミスプリントではないと言われました。
次に、②もよくあると言われました。
もちろん、話し言葉ではないそうですが、書き言葉ではよく見かける表現だそうです。
覚える価値はあるのではないか、と言われました。
えー!!よく見かけるんだ!
じゃあ、やはりこの構文から逃げるわけにはいかないか!
そう思った僕は、さらに文法的な質問をぶつけてみました。
この文章では、
①deep inside hurting couples =主語(S)
②exists =動詞(V)
③an invisible “emotional love tank” =?(名詞だけど主語?目的語?単体な気がする)
④with its gauge on empty?=副詞句(M)
というところまでは理解できていることを伝えました。
そこでの僕の疑問は、
①の主語が複数形なのに、
②の動詞に三単現のSが付いているのはなぜ?
③名詞が単体で後ろに置いてあるけど、前置詞はいらないのか?
という3点です。
この質問を英語で繰り出してみました。
僕の疑問はなんとか伝わったと思うのですが、答えが意外すぎました。
そのアメリカ人の先生は、
「この文章には there が抜けている」
と言ってきたのです。
え?there?
なぜ突然、thereが登場するの?
僕はポカンとしてしまいました。
先生はどう説明していいのか、困っている様子でした。
僕は「抜けているとしたら、どこに there が入るんですか?」と尋ねました。
すると、
「①と②の間ですよ」
と教えてくれました。
つまり、
①deep inside hurting couples =主語(S)
(there) = 抜けている
②exists =動詞(V)
になると言うのです。
こんなところに there が入るのか!
それにしても、だからといってなぜ②のexists が三単現のSになるの?
そこを突っ込んで聞いてみたのですが、これに関しては先生はうまく説明できずに苦戦している様子でした。
この時点で時間切れになったので、僕はあきらめてお礼を言って、レッスンは終了しました。
う~ん、やはりネイティブの先生に文法的な解説を求めるのは難しいか・・・
その後、僕はその there のことをすっかり忘れていました。
そしてしばらくした後、ダメ元でイギリス人のL先生に同じ質問をしてみました。
日本語ができるイギリス人のL先生
L先生は、日本語ができるのが、他の先生との違いでした。
以前日本に住んでいたこともあり、東京のインターナショナルスクールで子供達を教えた経験があるそうです。
L先生は日本語のボキャをかなりたくさん知っているので、英単語のニュアンスを聞くときにもすごく便利です。
「この英単語はこの2つの全然違う日本語訳が当てはまるけど、何か共通点はあるんですか?」
といった質問ができてしまうのです。
これは英語しか話せないネイティブの先生には絶対にできないタイプの質問です。
僕はL先生に、ダメ元で先ほどの英文を見せて、同じ質問をぶつけてみました。
すると・・・
「この英文には there が抜けている」
と言ったのです。(英語で)
また there!
(なにぃ~!!また there が登場したぞ!!)
僕は内心、驚きました。
前のアメリカ人の先生に言われたけどすっかり忘れていた there の存在を、急に思い出しました。
そうか・・・やはりこの英文には there が抜けていることをネイティブは感じて、それを感じ取っているんだな。なるほど。どうやら there は避けて通れない道らしい。まだレッスン時間の残りはたっぷりある。これは深掘りするしかないか・・・
僕は覚悟を決めて、でもあまり期待せずに聞いてみました。
「there があると、なぜ主語に三単現のSが付くんですか?」
と。
すると、L先生はこう言いました。(英語で)
L先生:「日本人が学校で習う there is 構文てありますよね。 There is an apple on the table. みたいな。
あれのフォーマル版で、There exists ~っていう表現があるんですよ。
There exists an apple on the table.
みたいに。
まあ、実際にはもう少しフォーマルな状況でないと言わないけど。」
僕:「え~!そんな言い回し、初めて知りました!でも、確かに be 動詞は存在を表すから、exist と入れ替えできるっていうのは納得できます。
There exists ~っていう構文は今までに聞いたことないけど、もしこれが There is 構文と同じだとしたら、主語は前の~couples ではなく、後ろの an invisible “emotional love tank”ってことですよね?」
L先生:「その通り!」
僕:「えーーー!!そうだったのかーーー!!まさかの、主語が違っていたとは!!」
L先生:「これは、かなりトリッキーな文章だからね。」
僕:「それだったら、三単現のSにも納得がいきます。an invisible “emotional love tank”は単数だから、Sが付くってことですよね。」
L先生:「そう。それで、there exists ~構文の時には、たまにthere が省略されるんです。
be 動詞と違って、exist は単体でも意味が通じる動詞だから、there を省略しても意味が通るんですよ。
それがまた、英語学習者には分かりづらくさせる要因なんだけど(笑)」
僕:「なんてこった!まさか、そう来るとは!!」
僕は改めて、その視点で文章を分析してみました。
・・・つづく。
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