【神格化されすぎているTOEIC:初めてTOEIC協会の本部に行ってきました④】

from 師範代Shinya

(→前回の続き)

今回の限定イベントで、常務の永井さんのお話(TOEICの現状と今後の目標)を聞きながら、僕が感じたことがあります。

それは、「TOEIC(特にLRテスト)は、英語学習やビジネスの世界で神格化され過ぎている面がある」ということです。

TOEIC高得点=スゴい!デキる人!

という神格化された部分が強調されると、必ずそれに対する反論が生まれます。

その証拠に、

「TOEIC(LR)テストの点数が高くても、英語が話せない人がほとんどだ」

といった言葉を、ネット上などでよく聞きます。

でもLRテストは、リスニングとリーディングの力を測るテストです。

あくまで「受け身の力」をメインで測っているのです。

英語を「話す力」は、間接的にしか測れません。

「これだけしっかり英語を聞き取れるなら、会話もこのぐらいできるだろう」という予測が成り立つ程度です。

英語が聞き取れるからと言って、「必ず流ちょうに英語を話せる」保証にはなりません。

そのため、TOEICには実際に話す力を測るために、SWテスト(スピーキング&ライティングテスト)が用意されています。

「SWテストが高得点なのに、ぜんぜん英語が話せない」

なんて人は、まずいないでしょう。

でも、世間の批判は人気のあるLRテストに集中し、

「TOEICの点数が高くても、英語が話せるわけじゃない」

といった言葉が生まれているのです。

TOEICは仕事力を測るテストではない

また、中には、

「TOEICの点数が高くても、仕事ができるわけじゃない」

といったセリフも聞いたことがあります。

TOEICがまるで「仕事力」を測るテストのように思われてしまっているのです。

確かに、企業が昇進の条件としてTOEICを採用しているし、テストに出てくる英文もビジネス文書や、オフィスでの同僚とのやりとりが多いです。

でも、TOEICはあくまで「英語の運用能力」を測るテストです。

これは実際にセミナーの中で永井さんから聞いたのですが、TOEICテストの内容は仕事経験値が反映されないように、細心の注意を払って作られているそうです。

大学生でも支障がない作り

まだ職業経験がない大学生と、社会人になってから何年も経っている人達では、ビジネスの知識や経験が違います。

大学生がTOEICを受けた場合、この経験値の違いが点数に反映されてしまっては、英語の運用能力を測るテストとしてはNGです。

そのため、仕事の経験値が一切影響しないことが、実験で証明されているそうです。

ある大学で行われた実験では、TOEICテストの英文をすべて日本語で表記して、会話の内容もすべて日本語で話される形に翻訳したテストを、大学生に受けさせました。

すると、全員高得点(メモし忘れたのですが、たしか800点以上と言っていたと記憶しています)を取ったそうです。

これは、「仕事の経験値の浅さが結果に影響しない証拠」になります。

点数が800点より低い=英語の運用能力が支障になっている

と定義できるからです。

英語の運用能力と仕事のスキルは、イコールではありません。

「TOEIC高得点でも、仕事ができない」

という言葉は、当たり前のことなのです。

「あいつは読み書きができるのに、仕事ができない」と言っているのと同じレベルです。

では、なぜこんな現象が起きているのか?と言えば、それはやはりTOEICの神格化ではないか?と僕は思います。

神格化されているTOEIC

英語学習者の間では、この数十年の間で「TOEIC信仰」が広がり、神格化されてきました。

TOEICが1つのブランドとして確立され、TOEICの点数が企業の昇進条件になったことで、TOEIC信仰はますます加速したと感じます。

英語学習者の間でTOEICに対するイメージが、「超えるべきカベ」として固まった気がします。

「英語の勉強をしています」と言うと、「TOEICの点数は何点ですか?」と聞かれることが増えました。

僕も自分が最初にTOEIC900点を超えた時に、周りの人達の反応に驚いたことがあります。

外国人の集まるバーに来ている日本人客に、

「スゴいですね!TOEIC900点を持っている人に初めて出会いました!握手してもらえますか?」

と言われたり、英語を勉強していない人達からも、

「TOEIC900点!スゴいですね!どうやって勉強したんですか?」

と聞かれたり。

当時、毎週末参加していた婚活パーティーでも、プロフィールカードにTOEICの点数を書いたら、女性たちから、

「TOEIC900点ですか?!えーすごーい!こんど英語教えてください!」

と言われて、連絡先を交換できたり。

その時に僕は、TOEICの持つ社会的なブランド力を実感しました。

TOEICは日本人の間で、神格化されていると感じたのです。

その人気へのアンチテーゼとして、

「TOEICで高得点でも、英会話ができないヤツがごまんといる!」

「TOEIC高得点と、仕事のスキルは比例しない!」

みたいなコメントが増えたんだと思います。

資格を持っていない人が批判する

ちなみに、これはTOEICに限らずどの業界でもそうですが、「○○の資格なんて意味が無い」と言っている人の大半は、その資格を持っていません。

僕自身も自分のTOEICスコアが低かった頃には、「TOEICなんて意味ないぜ!しゃべれてナンボだぜ!」と思っていた時期があるので、その心境がよく分かります。

その数年後、自分がTOEIC900点を超えた時に、「あら?思ってたのと違うな。英会話力と点数は連動するぞ!」と気づきました。

900点超えてからの自分の英会話の精度(文法や語法の正確さ)が格段にアップした実感があったからです。

ふだん英会話をしていても、明らかに自分のステージが上がった感じがしました。

ただ、世間一般の価値観としては、いまだに

・TOEIC信仰派

・TOEIC批判派

の2極化になっている気がします。

その理由は、やはりTOEICがこれまで秘密のベールに包まれた存在だったからです。

でも今、TOEIC協会は変わろうとしています。

「作っている人の顔が見えるテスト」を目指す方向に進んでいく第一歩として、今回のイベントが開かれたそうです。

少人数のインフルエンサーを呼び、TOEIC協会のトップの人達の意見を直接伝えて、「個人が感じたことを自由に発信してOK」にするという、初の試みの第一号の20人の中に自分が選ばれたことが、とても意外で、嬉しいことでした。

 

・・・つづく

永井常務とも写真を撮れました

 

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