from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
5つ目の理由は、「試験の内容と普段の勉強内容が一致していない」です。
資格試験のための勉強がキラいなタイプの人が陥りがちなパターンです。
「他の日本人からは、英語ペラペラな人と思われているのに、資格試験を受けると点数が低い状態」
というのは、これが原因になっていることが多いです。
TOEICや英検などの資格試験は、英語力全般を測るテストですが、それぞれに特徴や傾向があります。
たとえば、TOEICテストはビジネス寄りの内容。
英検は級によって変わりますが、上に行くほどアカデミック(学術寄り)な内容になっていきます。
この傾向の違いを知らずに、何の対策もなしに受けると、撃沈することになります。
実は僕も、身に覚えがあります。
やり直し英語を始めたばかりの頃、僕は資格試験にまったく興味がありませんでした。
その代わりに、「外国人とのカジュアルな日常会話がスムーズにできるようになりたい!」という要望がありました。
そのため、僕がやっていたことは3つありました。
①英会話スクールに週1回通う。(1回50分)そのための予習は、フレーズの丸暗記。文法学習はゼロ。
②外国人バーに週3回通う。ひたすら実戦の場に身を置きながら、外国人に話しかけていく。
③アメリカの人気ドラマ「フレンズ」のDVDを毎日見る。自分が外国人バーでの会話で使えそうなフレーズを聞いたら、一時停止してノートにメモして、丸暗記する。
これを1年間続けた後に、あろうことかTOEICテストを受けました。
TOEICに関して何の知識も無い状態で、ただ「これまで積み上げてきた経験値を数値化したら、どのぐらいになるんだろう?実はけっこう良い点が取れたりして・・・」という密かな期待を抱きながら受けたのです。
ところが・・・
もう最初のパート1の問題から分からず、全然聞き取れませんでした。
自分でも驚くほどのできなさ加減に、心底ヘコみました。
自分がこれまで積み上げてきたと思っていた英語力が、実は幻想で何も積み上がっていなかったんだ・・・と感じたのです。
今振り返ると、「まったく力が付いていなかった」というわけではないと分かります。
ただ、方向性が違っていただけです。
方向性が違えば、使えない
TOEICに出てくるような「ビジネス英単語」や、「ピリオドまでがスゴく長いフォーマルな英文」は、それまで僕が接したことのないジャンルでした。
①僕が勉強していた英会話スクールのテキストには、ビジネスやフォーマルな場面で使える表現は一切出てきませんでした。
②外国人バーで、ネイティブの友達から習ったフレーズは、どれもTOEICに出てくるようなフォーマルなものではなく、カジュアルな俗語でした。
③ドラマのフレンズに出てくるフレーズも、カジュアルなものが多く、セリフはどれも短いので、長文を理解する力も付きませんでした。
僕が勉強していた英語のジャンルは、TOEICとはまったく関係ない内容だったのです。
さらに、僕は当時、文法をまったく勉強していませんでした。
そのため、TOEICのパート5の穴埋め問題がまったく分かりませんでした。
でも、だからといって、英語力が1ミリも上がっていなかったわけではありません。
TOEICでは測れない、
①自分の英語に自信がなくても、外国人に自分から話しかけていく度胸。
②会話が続かず沈黙の時間が流れても、気にしないタフさ。
③相手の言っていることが分からない時に、あきらめずに電子辞書を引っぱり出して、何とか会話を続かせようとする姿勢。
そういったマインドが養われたのが、最初の1年間でした。
このマインドは、英語の底力が上がった時に役立ちました。
音読や瞬間英作文トレーニングで身に付けた力を、英会話の現場で使う度胸が持てたからです。
基準が低いとヘコまない
また、学んだ英語を現場に投入するとよくある状況、
①習った英単語やフレーズを現場で使ってみたももの、通じなかった時のきまずさ
②自宅ではうまく瞬間英作文できたのに、いざ本番の会話で外国人を目の前にすると、緊張して文法が崩れてボロボロになる現象
なども、すでに経験していたので、モチベーションダウンにはなりませでした。
「力は出せなかったけど、前よりマシになっている」
と思えたからです。
自分の中での比べる基準が低ければ低いほど、上達を感じやすくなります。
とはいえ、やはり資格試験で点数が上がった時や合格した時の達成感や快感は、何ものにも代えがたいです。
英語学習のモチベーションを保ったり、自信をつけるためには、資格試験を避けるのではなく、うまく利用するのがオススメです。
実戦英会話と資格試験は反比例するものではなく、融合させた時に大きな力を発揮します。
勉強内容を資格試験に合わせる
一番手っ取り早いのは、普段勉強している英単語や英文の種類を、自分が受ける予定の資格試験に合わせることです。
TOEICであれば、ビジネス英単語を覚えて、ビジネス文書を音読することで、点数が上がりやすくなります。
英検であれば、英検用の英単語帳や、DUO3.0、「速読速聴英単語シリーズ」などをやるのがオススメです。
学んだ内容がテストに出ると、「あっ!これ知ってる!習ったやつだ!」と嬉しくなります。
この快感を1度味わうと、資格試験の勉強が楽しくなってきます。
楽しいことは上達します。
もしあなたが、資格試験を受ける予定がある場合は、手っ取り早くこの楽しさを味わうためにも、試験内容に合わせた英文を使って勉強することをオススメします。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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