From 師範代Shinya(新村真也)
※毎週日曜日は、過去に投稿して好評だった「僕が31歳でカナダに留学した時の体験談」のブログ記事をお届けします。
マーケティング部門に配属された僕は、先輩の同僚社員のデイビッドから、もうひとりのインターン生を紹介されることになりました。
広い廊下をまっすぐ進んでいくと、突き当たりの窓際の明るいゾーンに、小さなデスクがありました。そのデスクの前で、いかにも南米系っぽい顔立ちをした若い男性が、段ボール箱を開ける作業をしていました。
デイビッド:「Hey!ガブリエル!調子はどうだい?新しい仲間を紹介するよ。こちらはシンヤ。日本から来たんだよ。シンヤ、こちらはガブリエル。ブラジルから来たんだよ。」
僕:「はじめまして!よろしくお願いします!」
ガブリエル:「よろしく!」
僕らはガッチリと力強く握手を交わしました。
ガブリエルは、かなり若く見えます。10代後半~20代前半くらいでしょうか。
ブラジル英語
僕は、ここへ来る前の2ヶ月間の学校の授業で、ブラジル出身のクラスメイトの留学生たちの話す「ポルトガル語なまりの強い英語」を聞き慣れてたので、ガブリエルの話す英語も聞き取ることができました。
ガブリエルの話す英語は、他のブラジル系留学生と同じく、「スピードが速い&文法と発音が怪しい」タイプの英語でした。
服装規定
ふと、ガブリエルの着ている服を見ると、チェック柄のネルシャツにダボっとしたカーゴパンツという、けっこうカジュアルな感じでした。
そういえば、この会社で働く人たちは、誰もスーツを着ていません。
でも、デイビッドやサラを見ると、シャツやチノパンなどのコンビネーションで、カジュアルになり過ぎないような格好をしているようです。
僕も、ここへ来る前の事前告知のレターで、「服装はあまりカジュアルになり過ぎないように」と指示があったので、一応シャツとジャケットを着てきました。
廊下をせわしなく行き来する他の社員たちも、少しフォーマル感を意識した感じの格好をしている人が多いです。
なので、ガブリエルだけが「私服感」が強く、少し浮いて見えました。
たしかに、この位置なら受付からだいぶ離れているので、お客さんの目に触れることもないでしょう。だから服装もユルくてもいいのかもしれません。
自分の運命
僕は、この窓際の小さなスペースで働くガブリエルを見て、内心、思いました。
(いいなぁ・・・俺はこの小さなデスクで、ひとりでのんびり働くガブリエルがうらやましい!受付であの怖そうなメリッサと働くのは、正直イヤだなぁ・・・)
僕はもともと、静かな場所でひとりで黙々と集中しながら作業をするのが得意なので、ガヤガヤした場所や、同僚に囲まれて話し声が聞こえてきて集中できない環境で働くのが苦手でした。
そんな僕にって、ガブリエルのこの席は、とても落ち着ける場所に見えました。
でも、その後で、すぐに思い直しました。
(いやいや!いかん!いかん!!ここへ来た目的を思い出せ!自分にとっては、きっとこれで良かったんだ!受付は会社の顔だから、人と接する機会も多くなるだろう。
日本で磨いてきた英語力と職業経験が海外でも通じるかどうか?を試すには、仕事で人と接する経験が必要だ。
この職場で受付で働けるのは、その目標を達成するために神様が用意してくれた最高の環境に違いない!)
ガブリエルとの挨拶を終えると、僕は気を取り直して、受付の自分の席へ戻っていきました・・・
・・・つづく。
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