from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※1年前にCASECを3回分まとめて申し込んだことをすっかり忘れてしまい、有効期限に迫られて3回連続で受けた体験談の続きです。
今回は、CASECを3回連続で受けた経験から気付いたことの総まとめをしてみます。
まず、今回色々と「点数アップしそうな戦略」を検証してみました。
・1回目は何も策を練らずに受ける
・2回目はセクション4でじっくり時間をかける
・3回目はセクション4で辞書を使ってスペルチェックをする
その結果、トータル点数だけを見た場合、無策で受けた1回目が一番点数が高いという結果になりました。
また、3回目のスペルチェックは、あまり効果を発揮しませんでした。
スペルに自信がない英単語が問題文の中に出てこなければ、スペルチェックによる点数アップは期待できません。
その点でも、運が左右することが分かりました。
ズルがしづらいようにデザインされたテスト
今回、色々と試してみて気付いたことは、やはりCASECというのはズルがしづらいようになっている、ということです。
CASECは自宅で1人で受けることを前提に作られているので、辞書を使おうと思えば、使える環境にあります。
辞書を使って解いたかどうか?をチェックする方法もありません。
だからこそ、問題文の作りを工夫することによって、「そもそも辞書が使いづらく、使うことによる点数アップがしづらい」ような作りになっているのです。
たとえば、前半のボキャブラリー問題や日常表現の問題は、選択肢の英単語の意味が分かっても、解けないものがほとんどです。
なぜなら、会話文の中での穴埋め問題形式だからです。
穴埋め問題の場合、前後の文脈を読んで意味が理解できなければ、正解を選べません。
前後の文脈はけっこう長めなので、一字一句辞書に打ち込んで意味を確かめていては、とても時間が間に合いません。
CASECは1問ずつに制限時間が設けられているので、1問あたりにあまり時間をかけていられないのです。
紙のテストだったら、
「得意な問題だけを選んで早く解くことで時間を稼ぎ、苦手な問題は後からじっくり時間をかけて辞書を使って解く」
というようなことができなくはないでしょう。
でも、CASECは1問を解いてからでないと、次の問題が出てきません。
そのため、問題の全体像をつかむことができないのです。
だからこそ、「辞書を使って解くためのタイムマネジメント」が通用しないとも言えます。
また、リスニング問題のセクション3も、最後まで聞き終わらないと質問文が出てきません。
さらに、音声は1度きりしか流れません。
そうなるともう、辞書を使うタイミングはありません。
実力で解くしかないのです。
そして、セクション4は今回僕が検証した通りです。
辞書を使うメリットがあまり感じられませんでした。
ということで、CASECは辞書を使って解くメリットがほとんどないのです。
だからこそ、監督者がいない、自宅で1人で受けるオンラインテストとしても、質が担保されているのです。
英検換算で1級が表示される条件
今回の3番勝負では、TOEIC換算のスコアは受ける度に変動しました。
でも、英検換算は3回とも変わらず準1級でした。
ちなみに、僕はこれまでCASECで「英検1級判定」を受けたことは一度もありません。
本番の英検1級に受かった時でさえ、直後に試しに受けたCASECでは英検「準1級」判定が下りました。
英検1級はボキャブラリーが難しいことで有名ですが、今回はセクショ1&2でそれぞれ満点が取れた回があったにも関わらず、英検1級判定は出ませんでした。
また、TOEIC換算で950点が出ても、準1級止まりになっているのです。
よく英語の資格試験の換算表では、英検1級とTOEIC900点が同列で書かれているのを目にします。
でも実際はTOEIC990点満点を持っている人でも、1級の問題はまったく読めないことがよくあります。
だからある意味、CASECの換算表の方が正しい気がします。
CASECで1級判定が出るためには、おそらくすべてのセクションで満点に近い数値をバランス良く取る必要がありそうです。
CASECは受けるたびに問題が変わる
今回、3回連続で気付いたことは、CASECは受けるたびに問題の内容が大きく変わることです。
今回は間を空けずに受けたので、出た問題を覚えていました。
その結果、一度受けたのと同じ問題が出たのは、3問だけでした。
他の問題は、毎回違っていたのです。
そして、問題が変わるということは、自分の得意&不得意が出やすいということでもあります。
たとえば、今回は3回連続で受けたことで、セクションごとの点数が大きく変動しました。
2回目はボキャ問題のセクション1で満点が出たものの、3回目は落ちて、代わりにセクション2の表現の問題で満点が出ました。
トータル点数で見ると大きな変動はありませんでしたが、セクションごとの得意&不得意問題は、回によって大きく違いました。
2~3回連続で受けると良い
以上の特性を踏まえると、CASECテストは一発勝負で受けるというよりも、2~3回連続で受けて、その中で一番良い点数を自分の実力として採用する、というのが良いと思います。
TOEICや英検の場合だったら、公式問題集や過去問で事前対策ができます。
でもCASECは対策がしづらいテストです。
でもその分、本番テストのコストがかなり低めです。
受験料は、TOEICテストの半額以下です。
会場に行く必要もないので、時間も手間もかかりません。
本番テストを受ける金銭的&時間的コストが圧倒的に低いのです。
だからこそ、連続で受けて一番良い点数を自分のスコアとして採用するのがオススメです。
お手軽に自分の英語力をジャッジするなら、今年もCASECが良いと思います。
(完)
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