from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※大人が英語のリズムを身に付けるのに最適な本「英語はリズムで伝わる」のレビューの続きです。(本日最終回)(この記事を最初から読む場合はこちら)
英語の歌でリズムを覚えるよりも、チャンツの方がハードルが低くなる、という話を前回お伝えしました。
英語の歌の場合、音程が合っているかどうかが気になってしまうことが多いです。
誰だってオンチに聞こえるのは恥ずかしいので、英語の歌はどうしてもハードルが上がってしまうのです。
別に誰かに聞かせる目的ではなかったとしても、自分で自分の歌を聞くのが恥ずかしいという人は多いと思います。
でも、チャンツの場合は音程が関係ないので、上手い or ヘタという概念がありません。
誰でも同じようにできるので、みんなでやっても恥ずかしくありません。
英語のリズムを身に付けるのが目的であれば、英語の歌よりもチャンツの方がずっとハードルが低くなります。
一方で、チャンツの教材は小さな子ども向けに作られているものが多いです。
「チャンツが最も効果的な年齢は幼児」だと言われているのが大きな理由だと思います。
また、キッズでも小学校高学年ぐらいになると、人前でチャンツをやるのが恥ずかしくなってくるので、教材として売れなくなってくるのでしょう。
もちろん、大人がやっても十分効果があるので、子ども向けのチャンツ教材を使っても良いと思います。
ただ、キッズ向け教材を大人が使う場合、注意点が2つあります。
子ども向けチャンツを大人が使う時の注意点
1つ目は、ボキャブラリーの種類です。
キッズ向け教材で使われている英単語は、当然ですがキッズ向けです。
dog, puppy, monkey, kitten など、キッズ向けの英単語が多く使われます。
もちろん、それはそれで勉強になる部分もあります。
特に身近な動物や虫の英語名は、大人の日本人英語上級者でも知らないことが多いからです。
一方、「この英単語をいつどこで使うんだ?」という点で、学習モチベーションが上がらないこともあります。
注意点2つ目は、「理論の解説がない教材が多い」ことです。
これは小さなキッズ向け教材全般に言えることですが、理論の解説はほとんどありません。
耳で覚えよう!
身体で覚えよう!
という、実践型の教材がほとんどです。
キッズであれば身体で覚える方が効果的だと思います。
でも、大人が学ぶ場合は、頭で理解してから身体に落とし込む方が、効率的です。
何も考えずにお経のようにチャンツを唱えても、どこを意識していいのか分からないので、英会話に応用しづらくなります。
以上の2点から、大人がキッズ向けチャンツ教材を使う場合は、モチベーションが落ちてしまう危険があります。
大人向けに開発されたチャンツ教材
その点、今回新しく出版された「英語はリズムで伝わる」は、大人向けに作られた、珍しい本です。
パッと見では、表紙がかわいらしくてキッズ向けっぽい印象を受けますが、中身は硬派です。
まず、収録英単語は完全に大人向けになっています。
前半では、発音に関する理論がガッツリ解説されています。
これを読めば、なぜ日本人の発音がネイティブに通じづらいのか?
なぜ何度も聞き返されてしまうのか?
その理由がよく分かります。
そして、チャンツがいかに有効な手法かを知ることができるのです。
前半の理論編を読めば、チャンツをやりたい!というモチベーションがメラメラとわき上がってきます。
そしていざ!後半で実践編!となるのです。
#ボキャの選定が大人向け
responsible (責任がある)
opinion (意見)
supervisor(上司)
advertise (宣伝する)
demand (需要)
supply (供給)
retail (小売りの)
など、ビジネスで使えるハイレベル英単語を使ってチャンツトレーニングができます。
また、海外旅行に行くと必要になる「国名や地名」の英単語も収録されています。
特に、日本語と英語の発音が大きく違う地名が厳選されています。
国名の例:ベルギー、ポルトガル、スイス、オランダ、アルゼンチンなど
地名の例:ウィーン、アテネ、プラハ、ミュンヘンなど。
これらは日本語と英語で発音が大きく違うものです。
また、英単語だけではありません。
文章の練習用のフレーズも、
It’s about time.(そろそろ時間です)
Let me confirm. (確認させてください)
It takes time. (時間がかかります)
May I interrupt? (ちょっとよろしいですか?)
など、大人の会話で使える表現が満載です。
ギャップが面白い
こういったビジネスでも使えるようなフォーマルな英単語や表現を、ほのぼのしたキャッチーな音楽に合わせてチャンツ練習をする。
このギャップが面白いです。
大人向けの英単語の勉強は、どうしても堅苦しく、つまらない印象になってしまいがちです。
でも、チャンツに合わせて声に出すことで、勉強中の気分を大きく変えることができます。
しかも、英単語の意味だけではなく、ネイティブに通じる英語が身に付くのです。
英語はリズムに乗ることで、通じる確率がアップします。
最後に、僕が「英語はリズムの言語なんだなぁ~」と改めて思った動画をご紹介します。
アメリカ人のユーチューバーがコーヒーを買おうとしてスターバックスに入った後、「その店で受けたサービスが最悪だった!」と店の前の駐車場で文句を言い続ける動画です。
その動画に、後から日本人がメロディーを付けたら、「話す時のリズムが一定で、まるでラップ音楽を歌っているように聞こえた!」というコンセプトです。
本人は別にリズムを意識してしゃべっているわけではないのですが、こうして音楽を重ねると、自然にリズムに合ってしまうのが伝わってきます。
これが、「英語はリズムの言語である」ということが分かる、良い例だと思います。
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もし、こんな風に英語のリズムを身に付けたいなら、この本はオススメです。
「英語はリズムで伝わる」
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(完)(この記事を最初から読む場合はこちら)
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