From 師範代Shinya(新村真也)
カナダでの留学中、バンクーバーのダウンタウンにある学校の近くにあるセブンイレブンに入った僕は、店員さんの雑な対応に衝撃を受けました。
その後、僕はしばらくコンビニから遠ざかっていました。幸い、僕はホストファミリーの家にホームステイしていたので、食べものには困りませんでした。
ホストファーザーのジョンはプロのコックさんだったので、いつもおいしい食事を作ってくれました。
しかし、あるとき僕は、またあのセブンイレブンに行くことになりました・・・
公衆トイレがない!
日本から外の国へ出ると、気づくことがあります。それは、日本の公衆トイレの数の多さです。
駅、公園、コンビニ、レストラン、サービスエリア、あらゆるところにトイレがあふれています。ショッピングセンターには、各フロアにトイレがあったりします。
僕の家のそばにあるものすごく小さな公園にさえ、トイレがちゃんとあります。
でも、カナダには公衆トイレがあまりありません。数が圧倒的に少ないのです。3階建ての大型ショッピングセンターに行っても、トイレがあるのは1階のフードコート付近だけ、なんてこともざらにあります。
これはおそらく、文化的な要素が大きい気がします。日本は、トイレを神聖な場所として大事にする文化があります。
お店では「商売繁盛のバロメーター」として、トイレを毎日ぴかぴかに磨くことでお金が舞い込んでくるとよく言われています。
でも、海外にはそんな考え方はありません。それが、トイレの数や質に影響しているように思えます。
トイレに行きたい!
ある日の放課後、僕は学校を出てしばらく歩いているうちに、トイレに行きたくなりました。
だいぶ歩いてきてしまったので、また学校へ戻るのも面倒です。
近くに公園があったので、公衆トイレを探しました。けっこう大きめの公園でしたが、どこにもトイレらしきものは見あたりません・・・
カナダの人は、みんな外でトイレに行きたくなったらどこで用を足しているんだろう?
そんなことを思いながら通りを見ると、前に行ったセブンイレブンが目に飛び込んできました。
コンビニならトイレがあるに違いない!
本当はあのコンビニにはもう行かないと決めていましたが、今はそれどころではありません。
公園でトイレを探して時間をロスした僕には、限界値が近づいていました。
セブンイレブンに再入店!
店に入ると、相変わらず無愛想な店員さんたちがレジカウンターにいて、彼らの前にはお客さんが行列をなしていました。
相変わらず繁盛してるな・・・店員さんの対応と繁盛っぷりは関係ないんだろうな・・・
おっといかん!トイレを探さねば!
僕はひととおり店内をグルっと回りました。バックルームにつながるっぽいドアが3つあったものの、そこには何も書いていないし看板もないため、それがトイレなのかスタッフルームなのか分かりません。
せめて、「Staff only」とか書いてくれればいいのに・・・あ、「Staff only」ってそもそも正しい英語なのか?
おっといかん!トイレを探さねば!
3つのドアを片っ端から開けていこうかと思いましたが、ここはカナダです。治安の良い日本ではありません。
トイレかどうか分からないドアから勝手に入って侵入者扱いされて捕まるのも怖いので、スタッフを探して聞いてみることにしました。
スタッフに聞いてみたら・・・
レジにいるスタッフの前には、お客さんの行列ができていて、とても聞ける雰囲気ではありません。
店内をよく見回すと、セブンの制服を着た20代くらいの男性が、棚の前で品出しをしているのが目に入りました。
よかった!あの人なら、話しかけやすいぞ!
そして、僕はさっそく彼に近づいて言いました。
「Excuse me, is there a bath room?」
(すみません、トイレはありますか?)
すると、彼はガムをクチャクチャとかんでいる口を少しニヤっとさせて、そっけない表情で答えました。
「I don’t work here, man!」
(俺はここの店員じゃねーよ)
※ちなみに、最後の「man」は、カジュアルな若者表現で、セリフに勢いをつけるためにつける単語です。特に日本語に訳せませんが、馴れ馴れしいフレーズです。
そして彼は、すぐに目線を戻しての前の商品を雑な手つきで素早く並べると、店の外に止めてあったトラックに乗って行ってしまいました。
あ・・・行っちゃった・・・
どうやら彼は、ここの店員ではなく、棚に荷物を補充して回るトラックのドライバーだったようです。
仕事の範囲
日本にも、コンビニに商品を運ぶトラックのドライバーさんがいます。
僕も何度かその人たちとすれ違ったことがありますが、とても愛想良くあいさつしてくれました。
彼らに何か質問をしたことはありませんが、もし日本のセブンでトラックのドライバーさんに何か質問したら、
「俺は店員じゃねーよ!」
なんて言い放ってその場を去っていく姿は想像できません。
日本のドライバーさんなら、きっと答えてくれるでしょう。もし、質問の答えが分からない場合は、他の店員さんに聞きに行くか、分かる人を呼んでくれるはずです。
海外のサービス業
でも、これは海外に行くと「当たり前」ではありません。これは、コンビニに限ったことではなく、レストランでも同じです。
海外旅行先の国で入ったレストランで、自分のテーブルの近くを通った店員さんを呼ぶと、
「あなたのテーブルは私の担当ではありません。」
と言われることがあります。そして、そのまま去ってしまうのです。
日本では考えられない言動ですが、海外では「自分の持ち場の中だけで働く」というのが当たり前なので、こういうセリフが飛び出したりします。
日本のように「愛社精神」なんて考え方はありませんし、違う部署で働く人のお客さんは、自分のお客さんではありません。
それが良いか悪いか?は分かりません。日本の愛社精神が行きすぎると、働きすぎてサービス残業や過労死につながることもあります。
しかし、このコンビニで僕が体験した出来事は、かなりのカルチャーショックでした。
この後にも、カナダのお店やレストランで体験したたくさんの出来事のおかげで、僕は日本に帰ってから「店員さんの対応に不快になる」ことがほとんどなくなりました。
自分の中の「常識の基準値」がリセットされたからです。このような体験ができることも、海外に住む経験の価値の中のひとつのような気がします。
※ちなみに、僕は結局コンビニでトイレを見つけられませんでしたが、この後学校へダッシュして戻り、無事用を足しました。
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From 師範代Shinya(新村真也)
(英語の達人養成ジム 師範代)
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