from 師範代Shinya
(→前回の続き)
前回に引き続き、DUOベーシックの例文を一部引用しながら、つまずきポイントを見ていきましょう。
③それ、抜けないなら棒か何かでボトルの中に押し込んじゃいなよ。(94)
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If you can’t pull it out, push it down into the bottlle with a stick or something.
【つまずきポイント】
この例文には、言えそうで言えない日常表現が詰まっています。
抜く = pull it out
押し込む = push it down
という、2つの熟語が入っているのです。
これも、見れば知っている英単語の組み合わせなのですが、いざ自分で言おうとすると、なかなか口から出てきません。
さらに、リスニングする時にも、熟語は音がつながって別の単語のように聞こえることがあります。
pull it out = プリラウ
push it down = プッシッダウン
というように、まるで一語のようにまとめて発音されます。
聞いた時に、スペルが頭の中に浮かばないこともあるでしょう。
前置詞もパッと出てこない
棒か何かでの「で」に相当する英単語も、パッと頭に浮かぶ人は少ないと思います。
with a stick
が正解です。
この with は、よく文法書では「道具の with」を呼ばれていて、道具を使う時に登場する頻度が高いです。
イメージ英文法的には、
「作業をしている時に、自分と『一緒に』あるもの」
という感覚で捉えます。
慣れていないと、とっさに出てこない言葉です。
日本語的な言い回しを英語にする
さらにもう1つ、
棒か何かでの「何か」の部分も、なかなか日本語から英語に変換できない英単語です。」
正解を見れば、
or something
で、あっ!知ってる英単語だった!な~んだ!something でいいのか!
となるはずです。
でも、ここで something が口からパッと出てくるどうか?それが、英会話力の大きな分かれ目になるのです。
英語学習者の盲点を突く例文
このように、DUOベーシックの例文は、シンプルな中学英語で構成されているにもかかわらず、日本人の英語学習者の盲点を突く内容になっています。
盲点と言っても、大学受験問題のように、重箱の隅をつつくような、わざと間違えさせるものではありません。
あくまで日常生活で普通にネイティブが使ってくる英単語と文法を使って、実用的な英会話の言い回しが詰め込まれています。
このバランス感覚が、絶妙なのです。
これはおそらく、著者の鈴木陽一先生の才能ではないかと、僕は思っています。
日本の英語教育の現状と、ネイティブの話す英語の両方をよく知っているからこそ、そのギャップを埋める例文を作れるのではないかと予測しています。
真の英会話力
フォーマルでムズカしい英単語を覚えるのも良いのですが、こういった短くてカジュアルな英語表現で足下を固めていくのも、大事です。
少なくとも、「日常英会話を楽しみたい」という目的で英語の勉強をしている人にとっては、今回のDUOベーシックに入っている例文は、身につける価値のあるものでしょう。
「TOEIC900点以上持っているけど、日常会話になるとさっぱり聞き取れないし、話せない・・・」
という声がよく聞こえるのは、「勉強している英語のジャンルが違うことで起こるミスマッチ」だと僕は思います。
実力が足りないのではありません。
TOEIC900点は、間違いなく実力の証です。
でも、実力を発揮できるジャンルが違うのです。
TOEIC900点ホルダーは、
pull it out の代わりに、extract や、remove などの英単語を知っています。
push it down の代わりに、compress や、insert, depress などの英単語を知っています。
これは、紛れもなく実力の証です。
実力を発揮できるフィールドが、ビジネス文書などのフォーマルな場面というだけです。
ただ、もしあなたが日常会話を聞き取ったり、アメリカのホームドラマを字幕なしで理解したりするのが目的であれば、DUOベーシックのような言い回しや英単語を覚えて損はないでしょう。
・・・つづく。
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