【初めての英検:大人は何級から受ければいいの?②】

from 師範代Shinya

(→前回のつづき)

前回の記事では、英検の受験級を選ぶ時のパターン2つ、

①合格体験優先パターン

②手ごたえ優先パターン

のうち、1つ目を詳しく解説しました。

メリットとしては、

・「できた感覚」を味わうことで、自信がつく。

・本番テストで合格する時の感覚=本番中にどのぐらいのスピードやリズムで問題を解き進めればいいのか?を、身体で覚えられる。

・合格証が届いた時の喜びを、今すぐ手軽に味わえる。

・階段を1段ずつ登っていく楽しさを味わえる。

ということがあります。

一方で、「手ごたえがないとモチベーションが上がらない、という人もいると思います。

今回は、②を詳しく解説します。

②手ごたえ優先パターン

手応え優先パターンでは、まず最初に過去問を解いてみます。

できれば5級から順番に解き続けてみて、全体の正解率をチェックします。

正解率が50%前後になったら、それが最初に狙うべき級です。

英検の場合、合格ラインが約60~70%と言われています。

現時点で50%前後の正解率なら、そこから60~70%に持っていくのは現実的です。

でも、もしこれが正解率20~30%程度しかないレベルだったら、けっこう苦しくなります。

10問中、2~3個しか正解できない問題を、7個正解まで持っていくのは、けっこう大変です。

あまりにも自分の英語力と差があり過ぎると、それはそれでモチベーションが下がってしまうので、ちょうど良いラインを狙うのがオススメです。

英検は、級ごとにレベルが大きく違う

とはいえ、英検は級ごとにレベルが大きく違います。

場合によっては、「3級は80%以上正解できたけど、準2級は20~30%だった・・・」ということもあるでしょう。

その時には、まずは3級から始めて1度「本番で合格体験」をするのがオススメです。

とはいえ、「それではモチベーションが上がらない・・・」という場合は、家での練習で英検準2級の過去問をやりながら、正解率70%以上を目指すことになります。

学生時代の級は無視する

人によっては、学生時代に英検を受けて、3級や準2級に合格した経験がある方もいるでしょう。

その場合、「一応、私は英検準2級は持っているから、今回は2級からかな。」と考えがちです。

でも、大人のやり直し英検の級えらびでは、「学生時代に合格した級は無視する」のがオススメです。

理由は2つあります。

理由①英語は使わないと忘れるから

英語はスポーツや楽器の演奏と同じジャンルです。

長年使っていないと、感覚を忘れてしまいます。

もちろん、100%忘れることはないでしょう。

ある程度のレベルに達した後なら、しばらく離れていても、また感覚を取り戻すのにそんなに時間がかからないと思います。

自転車に1度乗れるようになったら、しばらく乗っていなくても、また乗れるのと同じ感覚です。

ただ、英語力が自転車に乗るのと同じ感覚になるためには、最低でも英検2級レベル、できれば準1級レベルまで高めておく必要があります。

学生時代に英検2級~準1級を取った経験がある人なら、数十年のブランクがあっても、感覚を取り戻すのが早いかもしれません。

その場合でもやはりブランクが長いようであれば、学生時代に受かったのと同じ受験級からスタートするのがオススメです。

それが、2つ目の理由につながります。

理由②英検は年月を経て難易度が上がっているから

英検は、年々少しずつ難易度が上がっていると言われています。

同じ2級でも、30年前の2級と今の2級では、難易度に差があるのです。

一説によると、英検ができたばかりの59年前(昭和38年)の1級の英語レベルは、今の英検2級レベルと同等だと言われています。

つまり、2022年の今、英検2級に合格している高校生が過去にタイムスリップして、昭和38年に行って英検1級を受けたら、合格できるだけの実力を持っている、ということです。

そう考えると、日本人の英語力は上がっていると言えるのかも知れませんね。

英検1級と2級では、数字上では1つしか違いませんが、大きな開きがあります。

今は英検1級と2級の間に準1級があり、各級の語彙レベルには大きな差があります。

・英検2級の語彙レベル=約5,100語

・英検準1級の語彙レベル=約7,500語(+1,400語)

・英検1級の語彙レベル=約15,000語(+7,500語)

昔の英検1級が今の英検2級レベルと同じだとしたら、語彙数で3倍近い差があることになります。

この差は大きいです。

もしあなたが学生時代に受けた英検が30年以上前だった場合は、同じ級でも今の英検の問題の方が難しくなっている可能性が高いです。

その点でも、やはり学生時代に受かった級は無視した方がいいでしょう。
「とりあえず今、受ける級の選び方は分かった。じゃあ、最終的な目標は何級を目指せばいいの?」

という疑問が出てくるかもしれません。

次回は、その疑問にお答えします。

 

・・・つづく。(→この記事のシリーズを1話目から読む

 

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