【英語を聞き取る「耳の感度」を上げる本③】

 from 師範代Shinya

(→前回の続き)

※真のリスニング力を養うための「英語への耳の感度UP」専用テキストのレビューの続きです。

TOEICのリスニング問題パート1&2の英文は、日常的で英会話に使えます。

英語の資格試験に興味がない人でも、英文自体は「自分が使う機会がありそうだ」と感じるでしょう。

ちなみに、パート1の英文では、「日常生活で使うけど、学校では習わない英単語やフレーズ」を、意図的にたくさん盛り込んでいます。

たとえば、

①台所用品

②一輪手押し車(工事現場や庭の手入れ作業でよく使う、土や砂利などをまとめて入れて運ぶ道具)

③片膝をつく

などです。

これらは、日常生活で目にする機会はありますが、いざ英語で言おうと思っても、パッと出てきません。

答えは、

①台所用品 = kitchen utensils

②一輪手押し車 = wheel barrow

③片膝をつく = kneel down

です。

あなたがTOEICテストの試験勉強をしたことがない場合は、意外に知らない英単語だったのではないでしょうか。

こういった英単語が出てくるのが、パート1です。

だからこそ、「短いけど、聞き取れない英単語」が登場する確率が高いと言えます。

知らない英単語も、耳で聞き取る訓練

このリスニング専用テキストでは、こういった知らない英単語でも、音を正確に聞き取る訓練をします。

むしろ、知らない英単語があった方が、耳だけに頼ることになるので、音に集中できます。

僕たちは、どうしてもリスニング中に「推測力」を働かせてしまいがちです。

「きっと、この話の流れなら、こう言っているに違いない」

「よく分からないけど、おそらく相手の表情から察するに、こういう意味だろうな」

みたいに、常に推測力をフル活用しながら聞くクセが、ついているのです。

その推測がハズれた場合、大きく意味を取り違えてしまうこともあります。

でもTOEICパート1のような短い例文の場合、推測力が使えません。
ここが大事になってきます。

推測力を封じるためのテキストの作り

この本では、推測力を封じるための工夫が施されています。

それが、「写真後出し」です。

普通のTOEIC問題の場合は、リスニングが始まる前にすでに写真が見れます。

なので、よくあるTOEIC戦略本では、

「先に写真に目を通してから、英文を聞こう」

と書いてあります。

写真を見ながら、「きっとこういう英単語や、こういう描写が出てくるに違いない!」という推測力をフル活用して、正解の選択肢を選べる確率をアップさせる考え方です。

でも、このリスニング専用テキストでは、写真を見ない状態でいきなりリスニングが始まります。

推測力を使う余地は、まったくないのです。

消去法も使えない

そしてもう1つ、よくあるTOEIC受験戦略では、「消去法」があります。

正解の選択肢が聞き取れなかったとしても、

「これは絶対に違うだろうな」

と感じる選択肢をつぶしていく手法です。

もし、最初のAの文章がまったく聞き取れなくても、残りのB、C、Dの選択肢を聞いて、「おそらく違うだろう」と判定できるぐらい聞き取れれば、正解率を上げることができます。

4つの選択肢のうち、2つまで「違う判定」できれば、後の残り2つのうち1つを適当にマークしても、正解率は50%です。

もし3つ「違う判定」できれば、正解率は100%にできます。

この「消去法テクニック」は、TOEICで点数アップするために必須です。

でも、このリスニング専用テキストでは、それができません。

なぜなら、写真が後出しだからです。

最初に写真が見れなければ、「違う判定」ができません。消去法は使いようがないわけです。

純粋なリスニング力だけに頼る訓練。

それが、この本の真骨頂です。

そして、僕がこの本を気に入った理由の1つです。

「TOEICを受けるなら、小手先のテクニックで点数を稼ぐのではなく、実力を上げて、真のリスニング力で堂々と高得点を叩き出そう!」

というコンセプトです。

骨太ですね!

さらにこのテキストには、ごまかしが効かない工夫がほどこされています。

 

・・・つづく

 

今回紹介した「イングリッシュ・ドクターのTOEIC L&Rテスト最強の根本対策 Part1 & 2」

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From  師範代Shinya(新村真也)

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