From 師範代Shinya(新村真也)
「今は英語力が低くても、英語圏の国に行ってしまえば、なんとかなる!!」
「現地で英語漬けの生活をしているうちに、自然に英語が話せるようになる!」
という期待を持って留学や海外移住をする人は多いと思います。
僕自身、日本で英会話スクールに通い始めたばかりの頃は、留学経験者や海外赴任経験者に出会うと、「きっと英語ペラペラのスゴい人に違いない!」と信じていました。
また、留学とはちょっと違いますが、同じ英語漬けの環境という意味では、「外国人の旦那さんや彼氏を持つ日本人女性」も英語力がネイティブ並みに高いと思っていました。
でも、実際に「留学経験者」や「海外赴任経験者」、「旦那さんや彼氏が外国人」という人と会って、英語でネイティブと話しているのを聞くと・・・
当時初心者だった僕から見てもビックリするくらいカタコトで、そんなに流ちょうじゃないな、という人がけっこう多かったのです。(もちろん、ネイティブ並みの人もいましたが、数は多くありませんでした)
「むこうでどうやって生活していたんだろう?」
「ふだん、旦那さん(彼氏)とどうやってコミュニケーションを取ってるんだろう?」
と不思議になってしまうくらい、英語がしゃべれない人もいました。
その後、僕は自分自身が日本国内で英語力を伸ばす経験を通して、「あ、だからか!」と理由が分かるようになりました。
環境と英語力は関係ない
留学経験とか旦那さんが外国人だとかいう環境は、英語力とは直接関係ありません。
「ブラジルに3年間住んでいたら、いつの間にかサッカーがうまくなった。」
とか、
「旦那さんがプロ野球選手だから、奥さんの方も野球がうまくなった。」
なんて話は、あまり聞きませんよね?
それと同じです。
・海外に住んだからといって、必ずしも英語漬けの生活になるとは限りません。(しゃべることを避けて通ろうと思えば、できます)
・英語漬けの生活をしたからといって、必ずしも英語力が伸びるとは限りません。(自分が知っている英単語や文法だけでコミュニケーションを取っていても、自分の限界値は伸びていきません)
・旦那さんが外国人だからといって、必ずしも家で英語をしゃべっているとは限りません。(旦那さんが日本語ペラペラな場合があります)
・家で旦那さんと英語をしゃべっているからといって、必ずしも英語力が高いとは言い切れません。(親しい間柄ほど、カンタンな表現や英単語だけを使ってコミュニケーションを取れる確率が上がります)
英語力は「トレーニングをやった人」のみ手に入れられる
英語力が高い人は、「英語のトレーニングを積んで、自分の限界値を高めた人」です。
自分の限界値を高めるのに、環境は関係ありません。
いくら周りに英語の上手な人がいても、自分自身が英語の練習をしなければ、上達することはありません。
自分の限界値を高める時間は、ひとりでトレーニングしている時間です。
日本から一歩も出ずに、外国人とも一度も話さずに、TOEIC900点レベルにまでなることは可能です。
英語の修得には、3つのプロセスがあります。
① 知識を仕入れる
② 知識を技術に変える
③ 技術を対人試合で使う
このうち、①と②を普段からしっかりやって積み上げておけば、③の部分は短期間で伸ばすことができます。
逆に、③だけをふだんから繰り返していても、すぐに限界が来てしまいます。
旦那さんが外国人だけどあまり英語がしゃべれない人、留学したけどあまり英語がしゃべれるようにならなかった人に話を聞いてみると、みんな口を揃えて僕に言うセリフがあります。
それは、
「最初思ってたのと違った。」
ということです。
「英語漬けの環境に身を置けば伸びると思っていたけど、あまり伸びていない。最初と比べてまったく変わってないとは言わないけど、思ってたほど上達していない。」
ということを言っていました。
それに続けてよく言われたのが、「これ以上、何をやっていいのか分からない。」というセリフです。
とりあえず、今のままでも何とか生活が成り立っている。海外でもそれなりに暮らしていけてるし、旦那さんとのコミュニケーションも何とか取れている。
でも、今のままの生活を続けても、英語力が伸びる気がしない・・・と気づき始めている状態です。
でも、英語を話す環境が整っている人ほど、地味な基礎トレーニングを嫌う傾向があるので、僕がメニューを伝えてもなかなかやってくれません。
今のままの英語力で特に生活に困らないのであれば、ま、いっか!となるのが人間というものです。
僕のこれまでの感覚では、海外に住んだり、外国人のパートナーと結婚しただけで到達できる英語レベル(試合を繰り返すだけで行けるレベル)は、TOEIC換算で言うと600~700点台がマックスのような気がします。
それ以上の力のある人は、必ず「自主的な努力」をしています。環境に頼っていません。自分ひとりで英語学習トレーニングをする時間を取っているのです。
僕がラッキーだったのは、自分が留学する前に、今お話したような環境にいるの人たちと知り合って、いろいろと体験談を聞けたことでした。
そして、自分自身がトレーニングによって日本にいながら英語力を伸ばす経験ができたことでした。
その体験を日本でしておいたおかげで、僕は自分の留学に対して「過剰な期待」を抱かずに、超現実的なプランを立てることができました。
(もちろん、「異国で体験できること」には大きな期待を抱いていました。でも、「英語力のアップ」にはあまり期待していませんでした)
そして、大きな期待をせずにカナダに行ったことで、逆に大きな英語力アップを実現することができました。
次回は、僕がカナダ留学中の3ヶ月間で、僕がどのくらい英語力がアップできたのか?その具体的な数値と、こなしたメニューをお伝えします。
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