from 師範代Shinya
(→前回の続き)
前回に引き続き、2級の問題を分析していきましょう。
英検協会が発表している「リニューアルの理由」と合わせて「解答例」を見ることで、高得点を取れる確率が上がります。
前回の記事と同じく、「内容」にフォーカスするために、あえて英文ではなく日本語訳で記載します。
さらに日本語訳も、細部まで正確に訳すのではなく、ざっくりした内容にとどめます。
ただ、2級からは要約問題になるため、あまり本文を要約してしまうと分かりづらくなります。
そのため、あくまで書き方をシンプルにするだけで、情報量は減らさないようにします。
(元の英文を見たい場合は、英検協会のサイトをご覧ください。)
それでは、行ってみましょう!
2級の問題&解答例
英文の種類:記事(150語)
やること:内容を理解して、要約を書く。要約の語数は、45~55語。
【記事の内容】
テーマ:大学生のルームシェアのメリット&デメリット
(このタイトルは、僕が勝手に決めました。サンプル問題を見る限り、記事のタイトルは書かれていないようです)
本文:大学に進学するとき、実家から通う人もいれば、アパートを借りて一人暮らしをする人もいます。
最近は、ルームメイトと一緒に住む道を選ぶ人もいるようです。
その理由は何でしょうか?
自分の苦手な科目である数学や科学が得意なルームメイトを選ぶ人がいます。
そうすることで、自分の宿題を手伝ってもらおうと考えているのです。
他にも海外出身のルームメイトを選び、自分の英会話の練習相手になってもらう人もいます。
そうすることで、自分の外国語を上達させたいのです。
その一方で、困ったルームメイトに当たってしまうこともあります。
たとえば、ルームメイトが夜遅くまで起きてテレビを見ているなど。
すると、うるさくて自分も眠れず、睡眠不足になってしまうこともあります。
また、めったに家の掃除を手伝わないルームメイトに当たってしまうこともあります。
その結果、自分ひとりで部屋全体を掃除しなければならず、とても時間がかかってしまうのです。
【要約の解答例】
最近は、ルームメイトと一緒に住む大学生もいます。
そうすることで、ルームメイトに色々と助けてもらえることを期待しているのです。
たとえば、数学、科学、外国語など。
しかし、ルームメイトとトラブルになってしまうこともあります。
寝る時間や、部屋の掃除などでモメることがあるのです。
(以上)
2級問題の僕の考察
2級からは、元の英文の難易度がグッと上がります。
ボキャブラリーも文法も文字数も、レベルアップした感があります。
パッと見は「長い英文で難しそうだな~」と思ってしまうかもしれません。
でもこのサンプル例文を見る限りでは、テーマ自体は身近なトピックです。
「日本の大学生」についての記事なので、元からある知識を活用して読み進めていくことができます。
また、「roommate(ルームメイト)」「share a house(家をシェアする)」などの言葉も、日本語のカタカナ語にもなっていて、割とイメージしやすいと思います。
そういう意味では、割と楽しみながら読み進められる可能性があります。(毎回こういう身近なトピックとは限りませんが)
本文は150語で、要約文の語数指定は45~55語なので、約3分の1に減らす必要があります。
実際にやってみると分かりますが、要約は「削る作業」がけっこうムズカしいです。
どれを残して、どれを削るか?その取捨選択に悩むのです。
評価ポイントが1つ増える
ちなみに要約文の評価ポイントは、2級から1つ増えます。
その前の準2級までの作文の評価ポイントは、
①内容
②文法
③語彙
の3点でした。
でも今回の2級からは、
④構成
が加わります。
つまり、
・ちゃんと分かりやすく要約されているか?
・大事な部分をしっかり伝えているか?
が大事になってくるのです。
これは、英語力とはまた別の能力です。
でも、英語を現実の世界で使うためには、このように簡潔に述べる能力は必要になる、ということなのでしょう。
日本語のように遠回しな言い方を、西洋人は好まないからです。
要約問題で高得点を取るためには、本文に書いてあることを省略しつつ、メインの内容に関しては、モレがないようにする必要があります。
この例文での要約で重要ポイントは、
①最近、一部の大学生がルームシェアをするようになった。
②ルームシェアの目的は、宿題の手伝いや、外国語の練習。
③でも、ハズレのルームメイトを引くと、色々とトラブルになることも!
④寝る時間や掃除でモメることがある。
以上の4点です。
この4つのうち、1つでも抜いたら、おそらく「内容」か「構成」の項目で減点されるような気がします。
そういう点では、まずいきなり英語で書く前に、上記のようにメインのポイントを日本語で良いので箇条書きしておくのがオススメです。
今回は以上です。
次回は、次のレベル、準1級の新設問題を見ていきましょう。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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