【久しぶりの本屋さん巡り②気になって買ってしまったアイテム】

 from 師範代Shinya

(→前回のつづき)

※久しぶりに新宿の紀伊國屋書店に行った体験談の続きです。

英語テキスト売り場の中には、海外から輸入したネイティブ向けの本のコーナーもあります。

紀伊國屋は、このネイティブ向けの本コーナーが充実していることが魅力です。

日本の有名マンガの英語翻訳版や、同じマンガで英語と日本語両方が入っている「バイリンガル版」などもあります。

なぜか情報量の多いバイリンガル版の方が値段が安くて、英語版の価格方は2倍以上します。

この価格差の理由はおそらく、英語版は1度海外に輸出したものを逆輸入しているからだと思われます。

その証拠に、英語版のマンガの後ろには、USドル表記の横に日本円表記のシールが貼ってありました。

バイリンガル版は日本円の値段が直に印刷されていたので、日本語で作られているのでしょう。

日本は製本のクオリティーが世界一高く、値段が安いと聞いたことがあります。

このコーナーに行くと、その意味が分かります。

海外の本(特にペーパーバックと呼ばれるジャンル)は、昔学校のプリントで使われていた「わらばん紙」みたいな紙質が中身のページの素材で、表紙もペラッペラの紙で、ツヤ感はなく、見た目が安っぽいです。

この紙質の違いを直に触って比べられるのも、紀伊國屋の英語本コーナーの魅力です。

色んなジャンルのネイティブ向けの英語本がたくさん!

売り場には英語版のマンガの他にも、

①ネイティブの子ども向けの絵本

②ネイティブ向けの雑誌(芸能ゴシップ、ファッションなど)

③日本文化や歴史を英語で紹介している本(海外の出版社が海外視点で作った本)

などがあります。

僕はこの中で、今回初めて③のジャンルに興味がわいて立ち読みしていました。

本格的なイラスト入りで日本の妖怪や幽霊を紹介している本が面白かったです。

日本に住んでいる外国人にとって、日本をより深く知ろうと思ったら、歴史や文化を学ぶのが一番です。

日本文化をまったく知らない人たちに向けて書かれた、海外視点の英語の本は、基礎の基礎から丁寧に説明してくれます。

そのため、日本語で書かれた歴史の本よりも、ずっと分かりやすいことが多いです。

僕のネイティブ友達で日本在住の人たちも、こういう本を読むことで、日本の歴史や文化を僕より詳しく知っています。

・日本刀の歴史&刀を作る工程

・江戸時代の庶民の暮らしぶり

・北斎の絵に関するウンチク

など、やたら詳しい人が多いです。

僕は以前、一緒に働いていたアメリカ人同僚から、誕生日プレゼントに「日本刀の知識を完全網羅した分厚い英語本」をもらいました。

最初の方を読んでみたら、「日本刀とは?」というそもそもの基礎から説明しているので分かりやすく、それでいながら僕の知らないことだらけで、「へぇ~!」を連発してしまいました。

それ以来、「海外視点で書かれた日本文化の紹介本」の価値を感じるようになりました。

売り場でひときわ目を引くアイテム

日本文化紹介コーナーの中で、ひときわ目を引くものがありました。

これは単に本というより、日本文化を体感するための「キット」です。

タイトルは、

Amazing Origami

です。

「アメージングな折り紙」なんてチープなネーミングは、日本の出版社だったら絶対に付けないでしょう。

逆にそこが、僕の目を引きました。

これは、

①折り紙の折り方教本

②実際の折り紙

がセットになって箱に入った、「初めての折り紙文化体験キット」です。
このコンセプトも楽しいのですが、さらに僕の目を引いた理由の1つとして、表紙の写真でした。

真ん中に「大きな魚」の作品の写真が、ドーン!とプリントされているのです。

見た感じは、コイっぽいです。

日本の折り紙本では、表紙にコイの作品を持って来る発想はあまりない気がします。

でも、確かにコイは、池付きの日本庭園には欠かせない存在です。

コイの海外での地位

僕がカナダにビジネス留学していた時に、ホストファミリーから「バンクーバーで大成功した日本人のビジネスの話」を聞いたことがあります。

その日本人は、もともと庭師として日本で活動していましたが、あまり需要がなくお金が稼ぎづらかったので、カナダに移住したそうです。

そして、バンクーバーのお金持ちを相手に「あなたの庭に本物の日本庭園を再現します」という触れ込みで、ビジネスを始めました。

そしたら「日本人が作る本場の日本庭園」と話題になり、テレビにも取りあげられて、注文が殺到したそうです。

その結果、その庭師の人は日本にいた頃とは比べものにならないほどの高単価で仕事ができるようになり、自分の腕一本で億万長者になったそうです。

その時に、ホストファミリーが言っていたのが、確か「コイをカナダに輸入すると、ものすごい高い値段で売れる。日本庭園作りとコイをセットで売ると、高単価になる」ということでした。

錦鯉は、一匹数千万円で売れることもあるそうです。

ということで、海外ではコイは日本文化とセットで語られて、さらに高級な観賞魚というイメージがあるようです。

だからきっと、このAmazing Origami のキットにも、表紙として採用されたのでしょう。

面白いですね!

僕はこれを見たときに、一気に興味が湧いてきました。

 

・・・つづく

 

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