from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※久しぶりに新宿の紀伊國屋書店に行った体験談の続きです。
「海外の視点で作られた折り紙キット」というコンセプトに、僕はすっかり魅了されてしまいました。
箱の中には、折り紙の教本と折り紙が入っていて、すぐに折れるようになっているようです。
箱の表面に印刷された、すべて英語で書かれた説明文を読むと、折り紙は144枚も付いていると書いてありました。かなり多いです。
本当は中身を立ち読みしてみたかったのですが、ビニールでパックされていて、箱が開けられないようになっていました。
そこで僕は、その日に1つ買って帰ることにしました。
僕の折り紙体験
実は、僕は小学生の頃に折り紙にハマっていました。
同年代の友達がガンプラ(ガンダムのプラモデル)やキン消し(キン肉マンのゴム人形)、ビックリマンシールにハマっている中で、僕は折り紙にハマっていました。
理由は3つ。
①僕の家にはおこづかい制度がなく、単純に買えなかった。
②折り紙なら、自分が欲しいものは何でも作り出すことができた。
③作る過程を楽しむ感覚は、プラモデルを組み立てるのと同じだった。
ということです。
さらに、折り紙ならコストがめちゃくちゃ安いです。
ガンプラの組み立てに失敗した場合、損失は数千円です。けっこう手痛いです。
でも、折り紙で失敗しても、損失は2~3円程度です。痛くもかゆくもありません。
コストが安いので、折り紙と教本は親に買ってもらえました。
そんな環境に加えて、僕は昔から1つのことにハマったらとことん追求する凝り性だったので、折り紙の教本レベルはどんどん上がっていきました。
小学校6年生で「ビバ!おりがみ」というタイトルの教本を手に入れました。
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この本は完全に大人向けで、当時の僕の好奇心を十分すぎるほど刺激してくれました。
表紙の写真にある「悪魔」は、手に5本指を兼ね備えているリアルさで、しかもハサミは一切使わないという、ロマンにあふれた作品でした。
少しずつ練習を重ねて、なんとか小学生のうちにこの悪魔を折れるようになりました。
カナダ留学前に折り紙熱が復活
小学校卒業してからはずっと折り紙からは離れていましたが、31才でカナダに留学することになった時に、久しぶりにやってみることにしました。
現地に行って、ホストファミリーやクラスメイトの前で折り紙を折ってプレゼントしたら、喜ばれると思ったのです。
最初のうちは、伝統的な折り鶴などを復習していました。
でも、だんだん昔の熱がよみがえってきて、超久しぶりに小学生時代の「ビバ!おりがみ」を開いて、悪魔の作品を折ってみたのです。
そしたら、びっくりするほどあっさりできてしまいました。
「昔取った杵柄」という言葉がありますが、本当だな~!と自分でも驚きました。
当時は留学する3ヶ月前に仕事を辞めて、自由に使える時間がありました。
そこで、これより上はないものか?と探してみたところ、こんな本を見付けたのです。
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「神谷哲史作品集」というタイトルの本で、日本を代表する若手折り紙作家の神谷氏の、神業のような教本でした。
この表紙にある「エンシェントドラゴン」という、超カッコいいドラゴンを見て、僕は一目惚れし、モーレツに欲しくなってしまいました。
まずは普通の折り紙でトライしてみましたが、折る回数が多すぎて、途中で豆粒のように小さくなってしまい、断念しました。
その後、神谷さん自身がテレビに出演している時に、1メートル四方ぐらいある巨大折り紙を使って折っているのを見て、僕もマネすることにしたのです。
東京にある紙専門のお店に行き、店員さんにエンシェントドラゴンの写真を見せながら、「これを折るための紙を探しています」と言って、一緒に紙質や色、大きさを決めて裁断してもらいました。
最初は絶対に失敗するので、10枚ぐらい買っておきました。
最終的には、3ヶ月以内に無事、エンシェントドラゴンを作り上げることができました。
本当はカナダに持っていく予定でしたが、あまりに苦労したので、もったいなくて写真を撮って、その写真を持っていきました。
現地では、カンタンにできる折り鶴などを折ってプレゼントしたら、みんなに喜ばれました。
日本の折り紙の知識
そんな経験があったので、僕は普通の日本人よりも折り紙に対して詳しいと思います。
僕は折る専門なので、折り紙のマニアックな歴史やウンチクは語れません。
でも、「紙に触ってきた回数」と、「読んできた教本の冊数」で言うと、かなり多い部類に入ると思います。
だからこそ、今回、紀伊國屋書店で見つけた「Amazing Origami」には興味がわいたのです。
表紙の写真の作品になっているコイは、日本のどの教本でも見たことがありませんでした。
また、折り紙の柄も、日本ではあまり見かけないような気がしました。
海外視点で作られた折り紙教本と折り紙のシートが、どんな違いがあるのか?
それをチェックしてみたくなったのです。
さっそく家に帰って、ワクワクしながら箱を開けてみました。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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