from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※僕がこれから自分の英語学習用テキストとして導入すると決めた「キレッキレ英語」の本のレビューの続きです。
この本に収録されている2本目の柱は、「主語のitの使い方」です。
it も、僕が英語を学び始めた頃に「何なんだこれは!」と思っていたものです。
it = それ
と訳しても、ピンとこない訳が多いのです。
音読を繰り返しながら色んな例文に触れるうちに、今は理解できるようになりました。
でも、そこに到達するまでには、かなり時間がかかりました。
その it について、カズ先生の日本語解説があります。
この解説が秀逸です。
ここでも、日本語との対比がされています。
内容を引用しなら、僕の感想も入れつつ、要約します。
↓↓↓
・リラックスしているとき
・本音を話すとき
・夢中で話すとき
には、日本語では主語がなくなる傾向があります。
たとえば、上司の前で緊張しながら話している時には、
「私が先週提出したレポートの中に、不備がありました。申し訳ありません。」
というように、主語の「私は」を入れることで、しっかり感を出すことができます。
一方で、家でリラックスしながら奥さんと話している時には、
「いや~先週提出したレポートに不備があってさ。大変だったよ。」
みたいに、主語が抜かれます。
これが日本語の傾向です。
(僕はこの「キレッキレ英語」の本を読むまで、日本語のこの傾向を意識したことがありませんでした。言われてみれば、確かに!と思います)
一方、英語では主語を抜く代わりに、It の使用頻度がどんどん上がっていきます。
It はネイティブが思わず口走ったり、身近で気を許している仲間に対してカジュアルに使うものだそうです。
・リラックスしているとき
・本音を話すとき
・夢中で話すとき
これらは、僕たち日本人が「日常英会話」と呼ぶシチュエーションです。
映画やドラマでも、こういうシーンが多いですよね。
だから、主語のItを極めることは、映画のセリフを聞き取る上でも大切なのです。
また、It を主語に取ることに慣れてくると、自然に中学校で習う基本的な動詞を使うことが多くなり、難しい単語をど忘れしても、ラクに言い換えができるようになるそうです。
これはいいですね!
では、この本の中にある、It を主語にしたフレーズを瞬間英作文してみましょう。
①かわいそうなだなぁ
・
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・
・
・
・
・
いかがでしょうか?
日本語でも主語が抜かれやすい言い回しですよね。
そして、日本語の発想では、「(彼が)かわいそう」とか、「(子ども達が)かわいそう」など、人が主語になるイメージがあります。
でも、英語では、
It breaks my heart.
(直訳:それが砕く、私の心を)
と言います。
それ=今、目にした(耳にした)状況
というイメージです。
これなら、主語の単数 or 複数を気にする必要はありませんよね。
とっても便利な表現です。
次に行ってみましょう。
②効果的だよ。
・
・
・
・
・
・
・
いかがでしょうか?
日本語の発想だと、主語は「(その薬は)効果的だよ。」とか、「(その戦略は)効果的だよ。」と言いたくなります。
すると、「薬は不可算名詞だから、単数扱いか・・・」とか、「戦略は可算名詞だけど、ここでは単数か?いや、いくつか組み合わさって1つだから、複数か?」と迷ってしまいます。
でも、英語では、
It makes a difference.
(直訳:それは作る、違いを)
と言います。
ここでの It は、薬や戦略などを試す行為自体をイメージしています。
だから、単数 or 複数を意識する必要がないのです。
もう1つだけいってみましょう!
③世の中そんなに甘くないよね。
・
・
・
・
・
・
・
いかがでしょうか?
「世の中って英語で何て言うんだろう?」と考えていると、迷ってしまいます。
でも、これも It でいけます。
It’s not that easy.
(直訳:それはそんなにカンタンじゃない)
です。
It = 今やろうとしていること、世の中
など、どんな訳し方でもいいと思いますが、It でいけてしまうのです。
そう考えると、It を極めることが、自分が話す英語をシンプルにしてくれます。
その結果、単数複数や三単現のSなどのミスを減らすことにつながります。
素晴らしいです!
そしてこの本には、It を主語に取る言い回しがたくさん載っています。
いかがでしょうか?
この「It の柱」を知ることで、英語に対する見方が変わると思いませんか?
ふつうは何年間も色んな例文に触れ続けないと理解できない「It のイメージと使いどころ」が、初心者にも分かりやすく言語化されています。
こういう役立つ考え方の解説が、この本には7本も入っているのです。
それだけでも、価値があると感じます。
・・・つづく。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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