【英検1級とTOEIC975点を取った後に感じた違和感:英語学習と人生戦略の共通点④】

from 師範代Shinya

(→前回のつづき)

※最近、話題になっている人気本「人生の経営戦略LIFE」の内容と、英語学習とのつながりを僕が感じた部分のお話の続きです。

「常に上を目指し続けなければならない。しかも、TOEICの点数などの目に見える形で。」

というのが、僕がやり直し英語学習を始めた時の違和感でした。

仕事で会社に自分の英語力を証明する必要がある場合を除いて、TOEICの点数が必要な人は少ないと思います。

もちろん、数値化することで「前に進んでいる感」が得られるので、個人目標の1つとして自主的にTOEICを受けるのは、とても良いことです。

僕自身も、TOEICや英検の点数が上がった時の達成感や喜びを味わったことがあるので、メリットは十分に感じています。

僕が感じていた違和感は、

・仕事で英語を使わない環境にいる人でさえも、TOEICや英検を受けない人は向上心がない、みたいな風潮。

・点数に一喜一憂して、英語学習モチベーションを大きく振り回されるほどの執着

です。

この風潮は、おそらく日本の高度経済成長の時代にできた企業文化=「右肩上がりが最も好ましい状態」と、関係しているのではないかと思われます。

趣味で始めた英語の勉強でさえも、僕たちは数値上での右肩上がりを求められるのです。

TOEICや英検を自主的に受けて楽しむのは良いのですが、周りから強要するような文化が、なんとなく日本にはある気がするのです。

僕が初めて自分の意思でTOEICと英検を受けた時

僕のケースでは、最初にTOEICの点数を上げようと思ったのは、カナダ留学の前でした。

自分がやりたいビジネスコースに申し込むための条件として、TOEIC730点以上というルールがあったので、受けることにしたのです。

その時には、強制力が半分、自分の意思が半分という感じでした。

留学は自分の意思だし、TOEICの点数がいらないコースを選べば良いだけです。

でも、自分としては、海外のビジネスの現場を見てみたい。

だから、TOEICを受ける。

そういう心境でした。

TOEICは、その2年前に初めて模試を受けて、あまりの分からなさで散々な結果(200点台)だったので、かなり渋っていました。

でも、「海外で働いてみたい!」という好奇心の方が勝り、重い腰を上げました。

この時期に英検2級も受けましたが、こっちは完全に自分の意思でした。
単に好奇心で、TOEICと英検の違いを感じてみたいと思ったからです。

それに、当時はちょうど英単語帳のDUO3.0をやっていて、その実力を試してみたいという気持ちもありました。

予想通り、英検2級の受検は、とても楽しいものになりました。

DUO3.0の英単語が見事に問題に出てきて、余すところなく解答できたので、試験中も楽しくて仕方ありませんでした。

合格証書が届いた時も、嬉しくて飛び上がりました。

僕が英検1級&TOEIC975点を取った後に感じた違和感

カナダから帰国後、僕は自分が通っていた英会話スクールの講師に転職しました。

そこでは、「日本人教師は全員TOEIC900点以上を取るべし」という風潮がありました。

僕が帰国後にすぐに受けたTOEICの点数は870点。

あと30点の差を埋めるべく、TOEICを受け続けました。

ここでは強制力7、自分の意思3ぐらいの比率でした。

何とか900点を取った後には、僕は完全に自由になりました。

この時点で、僕は資格試験を受ける喜びも知っていました。

だから、誰から強要されるわけでもなく、定期的にTOEICを受けたり、英検も準1級を受け、最終的には1級まで取りました。

英検1級は同僚の先生達でも持っている人は少なく、あまりにハードルが高いので、会社でも推奨はされてはいませんでした。

だからこそ、挑戦してみたくなったのです。

この時には、僕は100%自分の意思で勉強していたので、2年間楽しく、英検1級の勉強を続けられました。

再び違和感を感じたのは、英検1級を取った後です。

1級に合格した後、僕は少数派の仲間入りを果たしました。

そして、同じ少数派の1級ホルダーの同僚たちと話す機会が増えました。

プライベートで通い続けていた外国人バーでも、英検1級に受かったことを報告すると、みんな祝福してくれました。

そこで、同じ1級ホルダーの人達から言われた言葉があったのです。

それが、「次は何ですか?」でした。

僕は、英検1級を取ったことに喜びを感じ、自分の資格試験への挑戦はここで終わるつもりでした。

でも、周りの人達は常に次を探していました。

そして、色々とオススメをされました。

「次は国連英検はどうですか?特A級に合格したら、箔が付きますよ!」

「次はTOEIC満点を狙いましょう!私は今、連続○○回満点を取っています。記録更新のために、毎月TOEICを受けていますよ」

「TOEICはカンタン過ぎるから、TOEFLを受けたらどうですか?」

「やっぱり英語系で唯一の国家資格の、通訳案内士が良いですよ!」

といった声が、次々に飛んできました。

僕はそれを聞いて、

「そうか・・・この世界も、仕事と同じで際限がないんだな。常に右肩上がりを目指し続けなければならなくて、ステージが上がっても、そこでまたランクがあるのか・・・」

と分かったのです。

TOEICで990点満点を取った後でさえも、「次は連続満点記録○○回」という数値化の世界が待っているのです。

もちろん、その人達は心の底から楽しんでいるのかもしれませんし、それがダメだとは思いません。

ただ、「右肩上がりをし続けなければならない」という価値観が、こんなところにもあるのか・・・と、ちょっと残念な気持ちになったのも事実です。

この時の体験と感情を、この本「人生の経営戦略LIFE」を読みながら思い出しました。

僕たちはまさに、過去の価値観と、それが合わなくなっている現実との間で揺れ動く「つなぎ目の時代」を生きているのです。

 

・・・つづく

 

今回紹介した「人生の経営戦略LIFE」の本はこちら↓↓↓

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From  師範代Shinya(新村真也)

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2件のコメント

新村さん

初めて、メールします。
あなたの英語学習への向き合い方、素晴らしいです。

試験の点数を上げるための学習ではなく、『ことば』が持っている力で、こころ、思いを伝えたいと思っています。

ちぐさ

ちぐささん
ありがとうございます。
これからも「ことばの力」を大切にしながら、お互いに学びを深めていきましょう。

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