From 師範代Shinya(新村真也)
(→前回のつづき)
※僕自身の英語学習体験談&英語を教える体験談のつづきです。
今日は、少し時間を戻して、僕が生まれて初めて外国人と英語で話す体験をした時のことをお話しします。
僕が英会話スクールに通い始めたのは、28才の時でしたが、実は外国人を相手に英語を初めてしゃべったのは、24才の時でした。
当時僕は、静岡県の御殿場市にあるジーンズショップで副店長の仕事をしていました。
御殿場市の山奥には、米軍の基地がありました。そして、年に数回、米軍の兵士が山から下りてきて、買い物に立ち寄る期間があったのです。
(このエピソードは、だいぶ前にこのブログで少しお話ししましたが、今回はより詳しくお伝えします)
僕のいたお店は、平日の昼間はハッキリ言ってヒマでした。駐車場のあるロードサイド店なのですが、御殿場駅前にあるので、なんとなく場所的に中途半端な感じなのです。
お客さんがいる時間より、お客さんがゼロの時間帯の方が多いくらいでした。
そんなタイミングで、米軍兵士たちはよくやってきました。平日の午前中や午後に突然、大人数でやってくるのです。
大きなムキムキの身体で大きな声で仲間と英語をしゃべりながら、店の中に入ってきます。
僕らのジーンズショップは「アメリカンカルチャー」に憧れた社長が作った全国チェーン店でした。当然、お店の外側も店内のインテリアも、「アメリカ色」が満載です。
街を歩いている米軍兵士たちにとって、僕らのお店は見過ごすことのできない存在だったに違いありません。
それはまるで、僕ら日本人がアメリカに旅行に行った時に、日本風の外観の建物で着物や浴衣を売っているお店を発見するようなものです。
「これは見ておかねば!」と思うのでしょう。
米軍兵士たちを初めて見たときの衝撃は、今でも忘れられません。
異国の空間
米軍兵士たちが店内に入ってくると、雰囲気が一変しました。
それまで静かだった店内が、急ににぎやかになりました。20人ぐらいのグループでやって来ました。
男性だけではありません。兵士たちの家族や恋人っぽい人もいます。
筋肉ムキムキの白人男性&黒人男性たちに加えて、ブロンドの髪をなびかせた白人女性や、スーパーモデルのようにスタイルの良い黒人女性が、僕らスタッフの「日常空間」であるお店の売り場の中に入ってきました。
店内は一瞬で「非日常」になりました。映画でしか見たことのないようなルックスの人たちが、目の前を歩いているのです!
僕はドキドキしました。彼らはみんな休暇中でテンションが上がっているようで、すごく大きな声で大笑いしながらしゃべっています。
まるでハリウッド映画を見ているようです!僕は昔から洋画が好きで、金曜ロードショーと日曜洋画劇場をよく見ていました。(もちろん、当時は全く英語が分からなかったので、セリフは日本語吹き替え版です)
映画の中でしか見たことになかった外国人たちが、自分の目の前で実際に動いて、しゃべっているのです!
しかも、彼らは僕が大好きなアクション映画に出てくる肉体派のスターのような、ムキムキの筋肉マンです!
うぉー!!本物だぁ!!超カッコいい~!!
僕は興奮しました!
でも、次の瞬間、僕は凍り付きました。
背の高いムキムキ筋肉マンの中の一人が、僕に向かって早口で話しかけてきたのです!!僕の目線より20センチ以上高い位置から、大きな声で話しかけられました。
筋肉マン:「○×△□○×△□?」
何か質問されていることは、雰囲気から分かりましたが、内容はまったく分かりません・・・
僕はうろたえました。心臓がバクバクしているのが、自分でもハッキリと分かります。
(そうか!これは映画じゃないんだ!彼らは俺たちに話しかけてくるんだ!)
そんな当たり前のことにビビッている自分が変に感じました。
ポカン・・・としている僕を見て、その筋肉マンがまた話しかけてきました。
筋肉マン:「○×△□○×△□?」
おそらく、同じ質問をしたのでしょう。同じような音が聞こえましたが、僕の耳にはまったく意味なんて入ってきませんでした。
どんな英単語を使っているのかすら分かりません。
あっけに取られている僕の顔を見て、その筋肉マンは、首を横に振りながら、落胆した表情で去って行きました。
僕は、あっけに取られてその場に立ち尽くしていました・・・
・・・つづく。
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