【3歳の娘が日本語を習得する過程の観察記録⑥苦手な文法項目】

 from 師範代Shinya

(→前回の続き)

ものすごい上達スピードで日本語を身に付けている娘にも、苦手な文法項目があります。

それは、「受け身」です。

~された
~してもらった

などの受け身形が、まだ使えません。

娘が保育園での出来事を僕に報告する時に、

娘:「今日、○○先生のオムツを、ふーちゃんが替えたの。」

と、主語と目的語が逆になってしまうケースが毎回あります。

毎回、僕は、

僕:「ふーやん、主語と目的語が逆だよ。○○先生に、ふーちゃんのオムツを替えてもらったの、って言うの。」

娘:「○○先生に、ふーちゃんのオムツを替えたの。」

僕:「惜しい!替えてもらったの。」

娘:「替えてもらったの。」

僕:「そう!もう一度○○先生から言い直してみて!」

娘:「○○先生が、ふーちゃんのオムツを替えてもらったの。」

僕:「あぁ!惜しい!○○先生に、だよ。」

娘:「むずかしーね!」

こんなやりとりをしていると、本当に日本語の受け身はムズカしいんだなと思います。

この受け身の感覚は、子どもはいったいどうやって身に付けていくのでしょうか?

短いフレーズも受け身が苦手

娘は短いフレーズも、受け身を能動態にしてしまいます。

「ママ、食べて。」→本当は、「ママ、食べさせて」の意味。

「ママにやりたい。」→本当は、「ママにやって欲しい」の意味。

こんな感じで、短くても受け身が使えません。

これは、今でも続いています。

英語も、受け身を使いこなすのはとてもムズカしいですが、日本語も覚えるのが大変ですね。

日本語の受け身と英語の受け身の使いどころの違い

英語と日本語では、受け身の使いどころがまったく違います。

日本語の場合だと、受け身は「利害」を表すことが多いです。

・先生にオムツを替えてもらった=利益

・ママに食べさせてもらった=利益

・パパに怒られた=被害

・パパにおもちゃを壊された=被害

というように、本人にとっての利害を表すときに、受け身を使うのが日本語です。

でも、英語は違います。

英語では、

The teacher changed my diapers.
(先生が私のオムツを替えた)

Mom fed me.
(ママが私に食べ物を与えた)

Dad scolded me.
(パパが私を怒った)

Dad broke my toy.
(パパが私のオモチャを壊した)

というように、能動態を取る方が自然です。

ネイティブは、ここで受け身を使いません。

代わりに、受け身を使うときには、主語を言いたくない時や、主語と目的語の順番を入れ替えたい時です。

My phone was stolen.
(私のスマホが盗まれた=誰が盗んだか、主語が言えない)

I like this book. It was written by Shinya.
(私はこの本が好きです。これはシンヤによって書かれました。=先に「book」と言っているので、その流れで it = book を主語にした方が、自然に聞こえる。ここで Shinya を主語にすると、聞き手は主語がコロコロ変わって混乱する。)

といった感じです。

1度日本語でつかんだ感覚=「利害を表す受け身の感覚」があると、後から英語の受け身の感覚を覚えるのが大変です。

親が片方ネイティブの、日本語と英語の完全バイリンガルの子どもは、いったいどうやってこの受け身の違いを感覚的に身に付けているのか、気になります。

まとめ

以上、3歳の娘の母国語上達記録をお伝えしました。まとめると、

「子どもの上達スピードは大人の英語学習の参考にならないが、子どもの練習量は参考になる」

ということです。

子どもがどうやって言葉を身に付けているのか、その流れはまったく道の世界です。

でも、圧倒的な練習量があってこその上達だということも、事実です。

ちなみに、この記事の原稿を書いている前日にも、娘が新しい表現を使ってきました。

僕は風邪を引いてフトンで横になっていたのですが、僕の頭の横に娘がやってきて、絵本を読み聞かせてきました。

1冊読み終わって部屋を出て行ったので、僕も起き上がってトイレに行こうとしました。

すると、隣の部屋から2冊目の絵本を持ってきた娘が、すかさず僕に向かって言いました。

娘:「パパ!ここで寝ててよ!調子悪いんでしょ?」

僕:「な!なんだとぉ!確かに調子は悪いが・・・くっ!」

なんて生意気な口調でしょうか!

確かに風邪を引いて調子が悪い僕は、娘に言い返せずに、そのままフトンに戻って横になりました。

すると、娘がまた僕の頭の横に来て、2冊目の絵本を読み聞かせ始めました。

結局、僕がトイレに行けたのは、娘が5冊目の絵本を読み終わって飽きて、隣の部屋から戻ってこなくなったタイミングでした。

またしばらく観察記録を取り続けて、データがたまった頃にシェアしますね。

(下の娘も、あともう少したてば、単語をリピートできるようになる予感がします)

(完)

 

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