from 師範代Shinya
(→前回の続き)
マニアックな英単語を覚えなければ合格できない英検1級では、「川下りタイプ」のアプローチでは合格するのはムズカしいと、僕は判断しました。
自分の興味のおもむくままに読んだり聞いたりする英文の中には、英検1級レベルの英単語が混ざってくる確率が低いからです。
英検1級を受けるという決断自体は、誰からも強制されていないので、川下りタイプのアプローチです。
でも合格するための戦略は、山登りタイプのアプローチでないとムリだと気づきました。
そこで僕は、ゴールから算出して、準備期間を2年間にセッティングしました。
2年の間でやったトレーニングメニューは、
①キクタン英検1級(英単語帳)
②速読速聴英単語 Advanced 1100(長文音読用)
③英語学習者向けの英字新聞(多読トレーニング用)
この3つを柱にしながら、後半の方では、
④英検1級の過去問(旺文社)
⑤英検1級用の作文実例集(1次の作文対策用)
⑥英検1級用の面接スピーチ実例集(2次の面接対策用)
を加えました。
最初の1年間は①、②、③だけに絞って続けました。
2年目には本番が近くなったタイミングで、短期集中で④~⑥を入れる流れです。
各勉強メニューで得られたもの
①のキクタンは、効率重視で英単語をシステマチックに覚えていくのに役立ちました。
②の速読速聴英単語は、英単語だけでは乗り越えられない、「圧倒的に長い英文を読んで理解する力」を身につけるのに役立ちました。
特に英検1級レベルの長文読解の英文では、文の始まりからピリオドまでが5行ぐらいに渡って続くこともあります。
どれがメインの主語と動詞かを見つけるだけでも、大変です!
ピリオドまでが長いと、集中力が途切れたり、何を書いてあるのか途中で見失ったりして、読み進める気力が失せてしまうのです。
そうなるのを防ぐためには、「正確な日本語訳」と「みんながつまずきそうな部分の文法の丁寧な解説」が入っているテキストを使うしかありません。
それが、速読速聴英単語シリーズだったのです。
このテキストを何度も音読することで、僕は長文アレルギーを克服することができました。
その道のりは、ストイックで修行僧のような、苦しくて味気ないものではありませんでした。
むしろ、好奇心とわくわく感を持って進めることができたのです。
最初は読んでもまったく理解できなかった英文が、音読を繰り返すうちにどんどん染みこんできて、実感を持って読めるようになった時には、すごい快感でした。
ゲームを攻略している時のような感覚です。
③の多読トレーニングでは、英字新聞を使うことで、今世界で起こっているニュースを英語で読める楽しさを実感できました。
長文読解力をこの時期に養えたことで、今はネイティブ向けの本を読めるようになりました。(ジャンルによっては今でもまったく読めない、頭に入ってこないものもあります。本の理解度は、下地知識がかなり影響するのを実感しています)
慣れているジャンルなら、山登りアプローチも楽しめる
僕はもともと川下りタイプですが、英検1級の勉強をしている頃には、山登りタイプのアプローチも楽しめるようになっていました。
そして、楽しみながら勉強を続けられた結果、2年後に英検1級に合格することができました。
トータル2回のチャレンジでした。
1回目の挑戦では、1次試験で落ちました。
2回目の挑戦では、1次試験に合格した後、2次試験も一発合格できました。
もともと一発で合格できるとは思っていなかったので、2回目で合格できたのは、自分的には上出来だと思っています。
もし、僕が初心者レベルの頃から山登りタイプのアプローチを取っていたら、きっと途中で苦しくなって挫折していたと思います。
でも、英検1級チャレンジまでの期間で川下りタイプのアプローチをして、英語学習自体に慣れていたので、山登りタイプのアプローチがうまくいったのでは?と自己分析しています。
合格の秘訣は、「結果にこだわり過ぎない」こと
もともと川下りタイプだった僕が、山登りアプローチで勉強する時に気をつけていたことがあります。
それは、「結果にこだわり過ぎないこと」です。
僕は最初に「2年後に合格」を設定して、そこの向けてコツコツ勉強を続けました。
でも、実際に合格できるかどうかの結果は、コントロールできません。
2年間の間で自分の英語力を上げることはできても、試験本番で合格ラインに達するかどうかは、運の要素が大きいです。
・自分が得意なボキャが出題されるか?
・自分にとって読みやすいトピックの英文が長文で出題されるか?
・自分にとって興味が持てる内容のリスニング内容が出るか?
・自分にとって話やすいトピックの選択肢が、面接カードに印刷されているか?
これらは、運の要素が大きいです。
実際に過去問を解いている時にも、回によっては楽勝で合格ラインに達することもあれば、ぜんぜん届かないこともありました。
だから本番を受ける時にも、「運が5割だな」と思いながら問題を解きました。
そういう点では、僕は結果に対しては川下りアプローチだったと思います。
ところがその後、僕は山登りアプローチでうまくいった体験を過信して、やらかしていまいました。
・・・つづく。
※新年の英語学習目標を、僕と一緒に立てるセミナーを1月に開催します。山登りタイプでも、川下りタイプでも効果のある内容です。
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From 師範代Shinya(新村真也)
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