【アドリブで話す力を手に入れる:ビジネス英語パワー音読トレーニング⑥】

 from 師範代Shinya

(→前回の続き)(この記事のシリーズを最初から読む場合はこちらをクリック)

※最近新しく発売(復刻)された「パワー音読トレーニング」シリーズ3部作のレベル3:ビジネス編の本のレビューの続きです。

「ビジネス英語のテキストの例文」という言葉を聞くと、おそらく一般的なイメージは、

・海外クライアントとのかしこまった会話例文

・英語でミーティング中の会話例文

・英語でのプレゼン例文

・同僚同士の会話例文

といったものがあると思います。

TOEICのリスニングパート3&4のような例文です。

でも、この「ビジネス英語パワー音読」のテキストの面白いところは、まったくそういった種類の例文ではないことです。

このテキストに含まれる例文のカテゴリーは大きく3つあります。

①同僚の相談に乗る

②効果的に自己アピールする

③質疑応答での応酬に備える

というカテゴリーです。

それぞれのカテゴリーは片側1ページ文の英文で1つのユニットに分かれています。

各カテゴリーのユニット数は、

①同僚の相談に乗る=6ユニット

②効果的に自己アピールする=11ユニット

③質疑応答での応酬に備える=11ユニット

です。

さらに面白いのが、各ユニットの英文は、「ストーリーがすべてつながっている」ことです。

普通の英語テキストは、各ユニットの英文はバラバラの内容になっていることが多いです。

続きもののストーリーでも、2~3ユニットにまたがって1つ、というくくりになっています。

でも、このテキストはすべてのストーリーがつながっているのです。

つまり、1カテゴリーで11ユニット分を練習することで、1つの壮大なストーリーを英語で音読することになります。

話の全体の流れを追えるので、起承転結を意識しながら話す練習ができるわけです。つまり、自分が会話全体の流れをコントロールする術が身に付けられます。

1ユニットにつき1分前後の読み上げ時間の例文なので、1カテゴリーで11ユニットの例文を練習したら、12~13分間ぐらいずっと続く会話の練習ができます。

これは、かなり骨太で実戦的だと思います。

5つの武器をフルに盛り込んだ例文

これまでの記事でご紹介した、「柔の英語」を使えるようになるために必要な5つの武器、

①無生物主語

②基本動詞(+前置詞)

③関係詞(WH語)

④it

⑤カンマ+which

これらが例文の中に上手に組み込まれています。

さらに、著者のカズ先生の丁寧な解説があるので、5つの武器の存在を見逃すことがありません。

「この例文では、関係詞がこのように使われています。こういった言い回しは、こういう場面で多用されます。この使い方のポイントは、○○です。」

というように、どんな会話シチュエーションでも応用が利くように解説されているので、学習モチベーションが保ちやすいです。

予想を裏切る会話内容

これは僕の個人的な感想ですが、会話例文の内容は、事前の予想を良い意味で裏切られました。

正直、僕はこの本のタイトルを見たときには、「ビジネスライクな、かしこまった例文」が入っていることを予想していたのですが、読んでみたまったく逆でした。

①同僚との会話では、仕事へのモチベーションが落ちてやる気を失っている同僚に寄り添い、励ます会話例になっています。

②自己アピールの会話は、仕事の面接の場面です。圧迫面接まではいきませんが、けっこうガンガン突っ込まれて、「これ、日本語でもすぐ答えられないかも」と感じるシーンの会話例になっています。

③質疑応答の会話は、プレゼン後のQ&Aコーナーではなく、上司からガンガン突っ込まれて叱責されるという、キビしいシーンです。

こんなこと言われたら、日本では「申しわけありませんでした!」とひたすら平謝りしてしのぐしかないような場面です。

でも、欧米文化では謝罪は大きな意味を持ちません。

理詰めでガンガン責めてくる上司に対して、こちらは礼儀に配慮しつつも、持論をしっかり押し通す冷静さと強さが求められます。

こんなハードな状況を切り抜けることができたら、もう普通の会話は怖くなくなるでしょう。

シリーズ中、最も丁寧で細かい解説

そんな濃い例文の中に詰め込まれたエッセンスを、余すところなく吸収するためには、解説文が欠かせません。

このテキストでは、1ユニットにつき見開き3ページ文が使われています。

見開き1ページ目:英文と日本語訳&重要ボキャの日本語訳

見開き2ページ目:カズ先生の解説

見開き3ページ目:パワー音読で仕上げるためのエクササイズ

という流れになっています。

1つのユニットの解説文に、見開き1ページを割いているのは、パワー音読3部作の中でこの「ビジネス英語パワー音読」だけです。

この本には、カズ先生の同時通訳者としてのこれまでの知見が、ガッツリ詰め込まれていると感じます。

この1冊をパワー音読で仕上げたら、アドリブで話すことに対する自信がつく確率が高そうです。

総評

以上、パワー音読シリーズ3部作のレビューをお届けしました。

パワー音読のやり方自体が、集中力を上げて記憶の定着率を高めてくれます。

もしあなたが、これまでの音読トレーニングでダラダラしてしまいがちな場合は、このパワー音読の手法を試してみる価値があると思います。

僕が今回のシリーズ3冊をすべて読み込んで個人的に感じたことは、今の自分のレベルに関係なく、最初はレベル1の入門編から初めて、徐々にステップアップしていくのがベストではないかということです。

入門編でさえも、中上級者にとって手応えのある例文が入っているので、学びが多いはずです。

YouTube動画でも各レベルのテキストをガッツリレビューしていますので、良かったら見てみてくださいね。

 

(完)

今回ご紹介したパワー音読シリーズはこちら↓↓↓

 

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