From 師範代Shinya(新村真也)
日本人は、英語の発音に対してコンプレックスを持っている人が多いです。
「自分の発音はネイティブ相手に通じないのではないか?」と恐れたり、海外旅行などで実際に「何度言っても通じない」「注文したものと全然違うものが出てきた」などの経験をしたことがある人もいます。
反対に、発音に自信を持っている人も一定数います。
多数派ではありませんが、「俺の発音は他の日本人とは違うぜ!」という自負心を持っている人も見かけます。
その中には、「おしい!」と感じる人もいます。確かに良い線は行っているのですが、このままでは「しっかり通じる英語」にするのは難しいかも・・・と思うことがあります。
今日は、そんな「発音に自信がある人」がやってしまいがちな2つのミスについてお伝えします。
(※注:すべての人に当てはまるわけではありません。あくまで、僕がこれまで500人以上の英語学習者を見てきた中で、そいういう傾向を感じた、というお話です。)
ミス①小さい「ャ」が入る
この英単語を発音してみてください。
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can
きっと、「キャン」と発音したのではないでしょうか?
イギリス発音やオーストラリア発音の場合は、「カン」と発音することも多いのですが、もしアメリカ発音だったら、「キャン」と発音します。
次に、この英単語を発音してみてください。
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have
続いて、この英単語も発音してみてください。
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bath
いかがでしょうか?おそらく、「ハヴ」と「バス」と発音したと思います。
でも、中にはこれを、
「ヒャヴ」と「ビャス」と発音する人もいます。小さい「ャ」が入っているのです。
つまり、先ほどの「can (キャン)」と同じノリで「have」と「bath」を発音してしまうのです。
小さい「ャ」は言いやすい
なぜ、こんな言い方になってしまうのか?それは、「言いやすいから」です。
日本人にとっては、「have」と「bath」の中の「a」発音は、かなり難しい部類に入ります。地味に難しいのです。
この「a」の音は、正しい発音で言うためには、口の動きをすごく大きくしなければなりません。
口を大きく横に広げて、くちびるに力を思い切り入れながら、「ア」と発音します。
すると、「ア」と「エ」の中間ぐらいの音になります。
これが、「have」と「bath」の間にある「a」の音です。
この音は、僕の経験上、なかなか正確に発音できる人はいません。口の動きが足りないため、この音が出せないのです。
この「ア」と「エ」の音は、冬にくちびるが感想してたら切れてしまうぐらい、強く左右に広げた状態で発音する必要があります。
日本語しかしゃべってないないと、なかなかこの口の形はできません。
でも、小さい「ャ」は日本語として発音し慣れているので、日本人にとっては言いやすいです。だから、口を大きく開くよりも、「ャ」で代用したくなるのです。
ところが、これは日本人の耳には近く聞こえても、ネイティブの耳にはまったく違って聞こえるみたいです。
ちなみに、僕の中学の英語の先生は、この「ャ」を多用していました。
I have an apple.
という例文を、
「アイ、ヒャヴ、アナポー!」
と大きな声で言っていたのが、かなり耳に残りました。
クラスメイト達が休み時間にふざけてその先生のマネして、「アイ、ヒャブ、アナポー!」とよく連発していたのを覚えています。(中学の頃は、ちょうど先生のモノマネをするのが流行る時期ですよね)
ネイティブに通じない?!
当時はまだ、今のように外国人の先生がALTとして教育の現場に入ることはほとんどなかったので、その先生の発音が良いのかどうか?のジャッジはできませんでした。
でも、その後聞いた話では、数年後にアメリカ人女性の先生が中学校に短期滞在した時に、「その英語の先生が話す英語が通じなくて、コミュニケーションが取れなかった」ということです。
もちろん、通じなかったのは「ヒャヴ」だけが原因ではないと思いますが、僕の中で印象的な出来事でした。
次回は、もうひとつの「あるある間違い発音」をお伝えします。
・・・つづく。
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