from 師範代Shinya
(→前回のつづき)
※ラジオのDJとして長年のキャリアを持つタック・ハーシーさんの発音レクチャーを受けた感想のつづきです。
タックさんが日本にいながらどうやってカッコいい英語発音を身に付けたのか?
その練習法と、発音のコツをレクチャーしてくれました。
これがとてもユニークでした。
普通の発音レクチャーだと、唇の形や舌の位置を細かく説明したり、専門的になりがちです。
それはそれで良いのですが、タックさんは「日本語の発音からのアプローチ」をしていました。
たとえば、英語には「ア」の発音が何種類もあります。
英単語によって「ア」の発音が全然違うのですが、この使い分けを「日本語のアの種類の中から説明する」のです。
たとえば、「忘れていた大事なことを思い出した時に思わず口から出る、あ!」
これは、「hot = 熱い」を発音する時の「ア」。
対して、「集中して仕事をしている最中に、誰かに話しかけられた時に返事をする時の、あ。」
気持ちは目の前の仕事に集中しているので、いい加減な返事になっている時の「あ」。
これは、「hut = 小屋」を発音する時の「ア」。
というように、全部で3種類の「ア」の音の違いを解説してくれました。
さらに、日本人が苦手なあいまい音の「e」を上下さかさまにしたような発音記号の、あいまい母音。(発音用語では、シュワ schwa と呼ばれます)
これを上手に発音するコツを、とってもユニークな方法で解説してくれました。
「あいまい母音を制すると、ラジオの英語発音も意外と制することができる」
とおっしゃっていたのが印象的でした。
もう1つの大事な要素:リズム
実は、僕が今回タックさんのセミナーで一番感銘を受けたのは、この「リズムを意識した発音方法」でした。
日本と欧米では、リズムの取り方が違うそうです。
これを文字で説明するのは難しいのですが、
たとえば、1,2,3,4…と手を叩きながら一定のリズムを取っている時に、「1つおきに強調してください」とお願いしたとします。
その時に、日本人の場合は、「1,3,」を強調するそうです。
対して欧米人の場合は、「2,4,」を強調するそうです。
このリズムの取り方の違いが、言語の発音のリズムに大きな影響を与えています。
よく「英語はウラのリズムを意識するとうまく発音できる」と言われますが、このウラのリズムの取り方を、タックさんが分かりやすくかみ砕いて解説してくれました。
タックさんのよく響く声に合わせて、リズムを取る練習もしました。
このリズム練習は、僕が今まで見てきた発音練習の手法の中でも、とてもユニークで初めて見る方法でした。
この感覚は、言葉で説明するよりも実際にタックさんの声のリズムに乗って練習した方が分かりやすいと思います。
(※タックさんのセミナーの録画ビデオを受講することができます。申し込みページはここをクリック)
洋楽のリズムに合わせる
タックさんの言葉の中で印象的だったのは、
「ラジオのDJの話す言葉のリズムは、洋楽のリズムに合わせている」
ということでした。
ラジオで洋楽を流す前に曲紹介をする時のしゃべりは、洋楽のリズムに似た感じになるように意識しているそうです。
しっとりしたバラードの曲の前では、ゆっくり目でしっとりしゃべり、ノリの良いアップテンポの曲の前では、タテノリの発音でしゃべる。
そうすることで、次に流す曲のリズムと調和して、リスナーの耳には心地よく自然に曲を聞くことができるそうなのです。
しかも、DJのしゃべりは英語の発音だけではなく、「日本語でさえも」洋楽のリズムに乗せてしゃべるそうです。(ルー大柴っぽくならない程度に)
日本語をしゃべる時でさえ、洋楽のリズムを意識することで、英語らしいリズムとアクセントが身に付く・・・
この考え方は新鮮でした。
もちろん、日本人の友達との日本語の会話で弾むように話したら、変に聞こえるかもしれません。
でも、自分が部屋で1人で発音練習をする時に、洋楽をかけながら、日本語を同じリズムで話す練習をするのは良いかもしれません。
英語の発音を英語のリズムに合わせるためには、意識しなければならない部分が多すぎて大変です。
でも、慣れている日本語の発音を英語のリズムに合わせて話せば、リズムだけに意識を向けて練習することができます。
この発想は、僕にとって目からウロコでした。
目の前の人に語りかけるスキル
僕が今回のセミナーで一番強く感じたことは、タックさんの「目の前の人に語りかけるスキル」です。
僕はタックさんのセミナーを受けている最中はずっと、本当に僕1人に話しかけられているような気分になっていました。
僕は自分がYouTubeをやっている中で感じるのですが、1人語りを続けていると、つい「自分の世界」に入り込みがちになります。
自分の好きなようにしゃべって、内容が分かりづらくなったり、しゃべり過ぎて長くなったり。
さらに、自分がどこまでしゃべったかも飛んでしまうこともあります。
(後から編集する時に自分のしゃべりを見返すと、それがよく分かってヘコみます。しゃべりすぎた部分は編集でカットしていますが、これがけっこう手間がかかるのです)
でも、タックさんにはそれが一切ありませんでした。
ずっと心地よく聞き続けることができるのです。
このスキルを目の前で見れたことは、僕にとって大きな収穫でした。
こんなに上手な人がいるんだ!!
と驚きました。
ユーチューバーによくある、「ハイテンションで1人語り」ではなく、ラジオのDJは、「自然なテンションで目の前にいるたった1人の相手に話しかける」
そのスキルは、自分のYouTube動画にも応用できると思いました。
また、今回学んだ英語のリズム練習も、今後意識して取り入れてみようと思いました。
参加して良かった~!!!
と感じています。
あなたも興味があったらぜひ、タックさんのセミナーを受講してみてください。
普通の英語セミナーとは違った角度からの発見があるはずです。
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