【英語のリスニングとスピーキングが難しく感じる理由④】

from 師範代Shinya

(→前回のつづき)

英語のスピーキングが難しく感じる理由は、「話す内容を思い浮かべること」に脳のリソースの大部分を使ってしまうことが多いからです。

脳内のリソースが不足すると、その内容を英語化する余裕がなくなってしまうのです。

脳に余裕があるかどうかで、話せる正確さや範囲は大きく変わります。

「昨日はうまく話せたのに、今日は全然ダメだった・・・」

ということがよく起こる理由も、これです。

もしあなたがオンライン英会話レッスンを毎日受けている場合は、きっとこのアップ&ダウンの体験を何度もしたことがあると思います。

脳内のリソースが不足しやすい状況3選

脳内のリソースが不足して、英語が口から出て来なくなりやすいシチュエーションは、大きく3つあります。

①言いたい内容に思い入れが強すぎて、次々と脳内にあふれてきてしまう時。

②突然、外国人に話しかけられて、焦っている心境の時。

③話題がコロコロ変わる時。

この3つの中で、英会話レッスンでよくあるのが③です。

僕はこれまでオンライン英会話レッスンを受ける中で、「次々と違う話題を振る先生」に出会ったことが何度かあります。

手元に「話題リスト」みたいのを用意していて、先生が1つの質問をした後にこちらが答えると、すぐに次の別の質問に入ります。

今話してる話題に関する質問なら良いのですが、多くの場合、全然関係ない話題を振られることがあります。

たとえば、さっきまで「今週末の予定」を話していたのに、まだそんなに詳しく話す前に、突然「5年後の目標は何?」と聞かれたり。

「え?何で急にその質問が出るの?」

と焦ってしまいます。

突然違う話題を振られると、脳が反応できずに一瞬「何を聞かれているのか分からない」という状態になります。

英語としては聞き取れていても、反応できない感じです。

さらに、今まで考えていなかった話題で内容をひねりだすのは、かなり負荷が高くなります。

これを連続でやられると、脳がオーバーヒートする感覚になるのです。

オーバーヒートすれば当然、英語が口から出て来なくなる確率が高くなります。

なぜ、話題をコロコロ変えるのか?

ちなみに僕は、話題をコロコロ変える先生に出会った時には、理由を聞くことがあります。

「なぜ急にその話題に切り替えたの?さっきの話題と関連性がないけど、質問リストみたいのがあるの?」

と追求すると、たいていは手元に質問リストがあって、順番に聞いていることが多いです。

物理的な質問リストが手元になくても、質問内容が頭に入っていると答える先生もいます。

詳しく深掘りして聞いてみると、どうやらネイティブの先生たちの間で有名な「生徒と会話を続かせるための質問リスト100選」みたいなサイトがあるらしいです。

特に初心者の場合は、1つの話題で深掘りしづらいので、コロコロ話題を変えて時間を持たせましょう、みたいな発想です。

ただ、僕自身の経験では、これは逆効果な気がします。

初心者ほど、「何を話すか?」に脳のリソースを割かれ過ぎないように気をつける必要があると思うからです。

言いたいことを英語で考えて発話する時の脳の負荷は、初心者の方が高いです。

だからこそ、話す内容をコロコロ変えない方が良いのでは?というのが僕の感覚です。

質問リストは、あくまで「ネイティブ視点」で作られたものだと、僕は予想しています。

でも、質問リストは悪い面ばかりではありません。

僕は実験的に、質問リスト好きな先生とのレッスンで、あえて「話題コロコロ変え地獄」を25分間体験してみたことがあります。

その結果、ものすごい消耗しました。

次々と違う内容を考える負荷が跳ね上がるので、とても良い練習になったと感じました。

同じ話題を深掘りして盛り上がるフリートークも楽しいですが、たまに刺激を求めて「話題コロコロ変え地獄」を味わってみるのも良いと感じました。

TOEIC900点を超えている上級者なら、良い練習になると思います。

(話題が次々変わると、英検のスピーキングテストみたいな雰囲気になるので、ちょっと不自然になりますが。)

焦っていても英語が口から飛び出す時

ちなみに上記の3つのうち、

②突然、外国人に話しかけられて、焦っている心境の時。

でも、英語が口から飛び出すことがあります。

実際に、そういう体験談のご報告をいただくことが、よくあるのです。

では、なぜ焦っている時でも英語が口から飛び出す時と、まったく出て来なくなる時があるのでしょうか?

これについては、僕は「おそらく、これが原因では?」と思う分析結果があります。

すごくニッチでマニアックなトピックだと思いますが、次回の記事で詳しくお伝えします。

 

・・・つづく

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