from 師範代Shinya
(→前回の続き)
※「世界の一流は雑談で何を話しているのか?」というタイトルの本のレビューの続きです。
日本の雑談では、「雰囲気を作り」がメインの目的なので、その結果、相手のプライベートな話題を聞いてしまい、墓穴を掘る危険があるということでした。
では、英語圏の世界ではどうなのでしょうか?特にビジネスの世界では、どんな雑談が繰り広げられているのでしょうか?
著者のピョートルさんによると、一流のビジネスマンは「仕事の目的に合ったことを聞く」らしいです。
といっても、必ずしも話題自体は仕事に関連する必要はありません。
たとえば、「休日は何をされていますか?」
と聞くことで、その人のライフスタイルを知ることができます。
そして、そのライフスタイルが仕事にどんな影響があるかを考えるそうです。
もし相手の答えが、
「子どもと一緒に公園で遊んでいます」
という内容だったら、
「お子さんは、おいくつですか?」
と続けていきます。
そこで相手が、
「3才です。男の子で、一緒に遊んであげると喜ぶんで、可愛いんですよ!」
と返してきたら、その情報を元に仕事のスケジュールや提案内容を考えるそうです。
このクライアントに対して、接待のつもりで「この後、飲みに行きませんか?」と誘うのは、あまり得策ではありません。
代わりに、
「できるだけ短時間でミーティングを終えて、早く帰れるようにしましょう。」
と伝えるのが良いのです。
場合によっては、夕方6時以降はお互いに電話やメールをしないという気遣いもできます。
こうした配慮を積み重ねながら、時間と共に信頼を築いていくのが、「仕事につながる雑談」とのことです。
深いですね!
この流れで、次の項目に移りましょう。
「自分のこと」を話さない日本の雑談
今、家族の話が出ましたが、西洋の人たちは自分の家族の話など、プライベートを自分からオープンにする傾向があります。
アメリカの映画やドラマのオフィスのシーンでは、仕事デスクの上に奥さんや子どもなどの家族写真を額に入れて立ててあるのを見かけます。
海外では、自分のことをオープンにすることが、周りと信頼関係を築く手段として重要視されているようです。
そのため、雑談では自己開示することが礼儀になります。
また、上記の雑談内容ように、自分に小さい子どもがいることをアピールしておけば、周りが気を遣って早く帰らせてもらえるというメリットがあるのかもしれませんね。
一方で、ピョートルさんは日本人との雑談では「自分のことをほとんど話さない」ことに驚いたそうです。
これは、文化的な違いがあると思います。
日本では、自分のことを人前で話すことは、「はしたない」と捉えられることが多い印象です。
自分のことを話すと、「自分語り」などと言われて、イヤな顔をされることが多いのかもしれません。
実際に、YouTube動画のコメント欄などを見ても、自分の体験談をシェアしている人のコメントに対して、「出た!自分語り!ウザッ!」というような批判コメントが書かれるのをよく見ます。
文体を見ていると、おそらく書いているのは10代~20代前半の若年層だと思われます。
若い年代の方が自由な発想ができそうな気がしますが、逆に若いからこそ、学校で同年代からの同調圧力で「出る杭は打つ」文化が強く出ているのかもしれません。
特に僕がよく見る「海外文化を紹介するチャンネル」では、コメント欄で視聴者が「自分の海外経験談」をシェアすると、それに対して批判的なコメントが付くことが多いです。
海外に興味があって、
「もっと自由な発想をできるようになりたい!」
と願う若者たちが見ているはずの動画なのに、
「日本文化にどっぷり浸かった視点から、違いを認めない姿勢で批判している若者」
のコメントを見ると、僕は悲しい気持ちになります。
そして、年齢に関係なくこの傾向は日本文化の特徴だと思います。
「名乗るほどの者ではございません。」
というのが、日本文化の中での美徳なのでしょう。
もちろん、それはそれで1つの文化なので、良いとは思います。
ただ、海外の人と雑談するなら、やはり自己開示は必須になるようです。
自宅の隅々まで披露するアメリカ人
僕はこの本を読んだ時に、以前外国人バーで出会ったアメリカ人男性のことを思い出しました。
その人は、アメリカ在住で世界中に出張している30代後半~40代前半ぐらいの男性でした。
たまたまその日は日本のホテルに宿泊しているので、飲みに来たと言っていました。
僕たちは軽い挨拶を交わして自己紹介した後、彼がどんどん自己開示を始めました。
彼は自分のスマホに入っているたくさんの写真を僕に見せながら、
「これが私の妻と2人の娘だよ。○○スクールに通っているんだ。」
と言いながら、小学生ぐらいの娘と奥さんが、自宅のプールサイドで笑っている写真を見せてくれました。
その後も、色んな家族写真を次々と見せてくれたのです。
「これが私の家で、今は地下にシアタールームを作っている最中なんだ。全部自分で工事しているから、大変だよ!」
と言いながら、工事中の地下の部屋の写真まで披露していました。
僕はそれらの写真を見ながら、内心驚いていました。
(日本では、まずこういう会話にはならないな。初対面の相手に、自分の奥さんや子ども、さらには家の写真まで見せる人はいない。日本でそれをやったら、自慢ぽく受け取られたりするかもしれない)
と思ったのです。
でも、それがアメリカ流の自己紹介の仕方で、相手と信頼関係を築く手段として定着しているんだと、後になってから分かりました。
・・・つづく。
今回紹介した「世界の一流は雑談で何を話しているのか?」の本はこちらの画像をクリック↓↓↓
—————————————
※このブログに読者登録をしていただくと、最新の記事を1日1回、メールでお届けします。読者登録はこちらをクリックしてください。
↓↓↓
From 師範代Shinya(新村真也)
(やり直し英語達成道場 師範代)
※もくじは、こちら
自己紹介は、こちら
コメントを残す